[3・4年生]
マイケル・ブンサンデル教授によるハンバーグ白熱教室は早くも第二講目。
今回のお題は「やるべきことがある中で、友達の遊びの誘いを断る?断らない?」です。
週末に宿題をたくさん抱える状況で、友達から魅力的な遊びのお誘いが
あった場合に、あなたならどちらを優先するのかという内容で子ども達に
問いかけます。
「うーん、悩むなぁ。。」
ワークシートに自分の意見を書いてもらう最中にも正直な感想がこぼれます。
ワークシートが書き終わったのを見計らい、どちらの立場を取るか確認してみました。
結果は、圧倒的に「断る」が多く、「断らない」はたったひとりだけです。
(ほぉ、もう少し「断らない」という意見が出てくると思ったんだけどな。)
意見は同じでも、その理由となると十人十色になるのが、この議論の面白いところ。
多数派の考えを聞いてみると、
「やるべきことをやらないといけないと思う。やりたいことはやるべきことが
終わってから!」
「宿題忘れで先生に叱られたくないし、自分だけ宿題忘れで目立つのも嫌だ。」
「やるべきことをやっていない状況で遊びに出かけたら、なんかムズムズすると
思うんだよなぁ。まるで借金を抱えているみたいな感じ。」
「また別の機会に遊べるだろうから、多分断ると思う。」
という意見が。
予想通り、この時点で様々な価値判断基準が浮かび上がってきます。
そんな中、ひとり「遊びを優先する」と論陣を張る男の子にも意見を求めると、
「宿題より遊ぶ方が楽しいし、他の子と比べる必要はないと思う。」とのこと。
「先生に叱られるかもしれないよ?」と問い返すと、「先生に謝りまくる!」と
即答です。
(ふむ、どうやって価値観を揺さぶっていこうかな?)
「先週も宿題忘れをしていたとしたら?」
「今回の誘いを断ると、次いつあるかわからないかも。」
「クラスメイトも一緒に参加するといったら?」
「母親が口うるさく宿題のことを聞いてくる家庭だったとしたら?」
追加条件を次々に提示することで、子ども達に揺さぶりをかけます。
「次いつあるかわからないとしたら、今回のチャンスを逃したくないと思うかも。
けど、叱られたくもないし、うーん。。」
やりたいこととやるべきことの狭間で苦悩する子ども達。
大人でも同じような状況に遭遇した方は多いのではないでしょうか。
議論後には、自身の価値判断基準を自己分析することにもチャレンジしてもらいました。
翌日は「赤信号の横断歩道を渡る?渡らない?」というお題で白熱した議論を
繰り広げられ、ハーバード白熱教室もいよいよ折り返し地点を迎えます。
HY
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。