[3・4年生]
テーマ発表の形式は、マイ・ヒーローらしさを表す写真を1枚フリップ
として掲げ、制限時間3分以内で、ヒーローのことについて熱く語ると
いうものでした。
「ぼくがヒーローから学んだことは、負けないということです。
ぼくはすぐ負けちゃうところがあるけど、すぐにそれは変わらないと
思うけど、少しでも近づくためにこれからぼくはヒーローの真似を
します!」
多くのオーディエンスを前にしているにもかかわらず、萎縮するどころ
か、普段あまり耳にしたことのない張りのある声、そして、堂々とした
態度で語りました。それだけでもスゴイのに、自分がヒーローとして
選んだ俳優の演技を披露するはじけっぷり。観客は驚き、感動し、会場
は大きく盛り上がりました。
ヒーローの魅力と自分の人生とのつながりを熱く語る!という目標を
見事に達成です。
と同時に、多くの子どもたちが喝采を浴びる中で、だからこそ目立って
しまった一部の子の「温度の低さ」をどうするかという課題が残りました。
あこがれのヒーローを調べれば調べるほど、どんどん深くはまっていき、
自然に自分の価値観の発見にたどりついた子が、あまりにも素晴らしい
姿を見せてしまったために、それなりに調べ、それなりに発表した子の
「粗」を目立たせてしまったとも言えるでしょう。
熱く思えるヒーローを見出さない限り、この学びはうまくいかないと
いう当たり前の事実を再認識させられました。
すべての子どもがあらかじめマイ・ヒーローを持っているわけではない。
もともと冷めた子、ー響きにくい子を「ゆさぶる」仕掛けを改めて考える
必要がある。それが、次回への改善点の第一です。
もう一つ、さらに改善したいところは、ストーリー構成力をもっと磨き
たいということです。
PYPのキー・コンセプトや、うまいストーリーテリングの例について、
もっと工夫して伝えたい。
そして、最終発表として、口頭で「ストーリー」をどう「語る」か、
もっと時間をとって磨きたいと感じました。
こうすることで、さらに「意思表現」という探究領域でのテーマ発表と
してふさわしくなるでしょう。(自分の価値観を見出し、宣言するのは
悪くないが、ちょっと「自主自律」領域に傾きすぎの発表かなと感じた
ので……)
原稿用紙にしっかり「書く」、そして、洗練された構成と文で熱く語る
という2つが達成されたら、「意思表現」を追究する、もっと素晴らしい
テーマ学習になるでしょう。
RI
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。