【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】質の高いものづくりが喜びを生み出す。
＜テーマ学習＞ 〜レポート
手を動かして物を作ったり、工作やアートに関心が高い3年生たちにとって初めて本格的な椅子の製作に挑戦していく学びが始まりました。
まずは木工の基本となる道具である「げんのう（金槌）」と「鋸」の使い方について確認していきました。
「1年生の時に道具箱を作った時からひさしぶりに釘打ちするよー！」
「わー！鋸だ〜〜！使ってみたーい！」
「ぼく家でね、棚を作ったことあるんだよ。」
木工好きな子もそこまで関心がなかった子もプレイフルネスは全開です。
実際に垂直に釘を木材に打ち込むことを目標にそれぞれが釘打ちを行ってみました。柄を短く持っていると力が伝わらずに何度も何度も釘を叩かなくてはいけません。
「柄を長く持ったらテコの原理が使えるよ！！」
しかし柄を長く持つとなかなか釘に当たらず木材を傷つけてしまう頻度も増えてしまいます。これから6週間かけてじっくりと木工に取り組んでいく過程で様々な発見が巻き起こっていくことでしょう。
後日、子どもたちには今回のミッションである学習椅子の設計図を手渡しました。
子どもたち一人ひとりが職人さんとなり、TCSを発注者とした注文書も読み上げ、プレゼンテーションデイである11/29を納期として設計図通りの椅子を完成させて納品することを依頼しました。
仕事をするということは納期や注文内容に対する責任も生じます。
さあ、ここから職人たちの修行と実践が本格始動していきます！
翌週、子どもたちと一緒にホームセンターにて材料を購入しにいきました。設計図通りの素材と寸法を何度も確認しながら材料を選びました。
椅子用の木材もそこそこ嵩張るため、スクールまでの近さに今まで以上にありがたさを実感します。
3人グループで木材を採寸し、一人ずつの材料に切り分けていきます。
まずはなんといっても設計図通りに正確な直線を引くことが肝心です！
そして意外とこの線引きに苦戦する3年生たち。
だんだんコツを掴んできている様子。特にノコギリの使い方について刃の角度や自分の目の位置などを体感して身につけていきます。とにかくプレイフルネスを発揮して椅子作りに没頭できているのがみんな何より素晴らしい！
翌週はいよいよそれぞれの切り出した部材を設計図通りに釘とボンドを用いて固定していくことに挑戦します！！
テーマ学習3週目もワクワクやる気満々で取り組んでいきました。
「今日は帰りに少し残って残業していってもいい？？」
（15:45を過ぎても目標となる工程を達成したいという思いから残業を3年生が希望してくるなんて涙。。。）
そしてついに自分の材料を切り終えた子も現れ始めました！！
テーマ外出で大切にしていることの一つに「本物から学ぶ」という考えがあります。つまり机上で学ぶだけではなく可能な限り必要であれば現地へ足を運び、現物に触れ、現人と出会うということです。
今回のテーマ学習では、物作りのプロである家具職人さんが実際に仕事をしている現場に足を運び、職人さんの心得に触れ、自分たちが取り組んでいる仕事に活かしていくためにあきる野市にある「ウィステリア家具工房」を訪問しました。
現地に到着すると家具職人さんの藤本さんが私たちを笑顔で出迎えて下さいました。
工房の地下には藤本さんの作品が展示されています。ふんわりといい木の香りが部屋中に広がっていました。
その後、1階の作業場にて藤本さんが家具作りや道具の使い方についてお話を聞かせて下さいました。
実際に職人さんから木の特性や道具の使い方について実演とともに教えてもらうことで子どもたちの学びのアンテナはグルグル状態です。
「この金尺があると垂直に線が引きやすい！！TCSにも買って！」
「このげんのうも使いやすい！！TCSにあるのは反対側が釘ぬきになってるもんね。」
「それは大工さんがよく使う金槌だね。家具づくりではこのげんのうを使うんだよ。その方が傷をつけずに製作することができるんだ。この丸っこい側を釘打ちの最後に使えば木材に傷をつけずに済むんだよ。」と藤本さん。
子どもたちも真剣な目でじっくり話を聞いて、嬉しそうにいざ練習に燃えています！！やはり現地に来て現物に触れ、現人から学ぶことこそ探究の真髄だということを改めて実感する瞬間です。
最後にげんのうとノコギリを使って鉛筆たてを製作するというミッションまで準備していただき、全員がやりきって工房を後にしました。
電車ギリギリの時刻となりましたが、子どもたちが自力で完成させることを大切に伴奏してくださった藤本さんに感謝しかありません。
お忙しいところ子どもたちに貴重な学びの機会をつくって下さって本当にどうもありがとうございました。
そして帰りは念願のグリーン車に乗って中野まで戻りました🎵
さあ、いよいよプレゼンテーションに向けて椅子作りも佳境に入っていきます！！
それぞれの職人さんたちはガントチャートとにらめっこしながら工程の遅れを取り戻したり、一気に先の工程を進めるために残業したりと全員がまさに仕事に没頭しています。
設計図を見ながら部材の向きや釘のサイズを確認して作業を進めていきます。
それぞれに進捗を考えながら真剣に仕事に向き合っている姿はお互いにいい刺激を与え合い共に働く場の雰囲気を醸成していきます！！
「ここ抑えてくれる！？」
「いいよ！」
必要な時に率先してサポートし合えるチームワークも発揮されています！！
プレゼン前日までヤスリとニス塗りをできるだけ行い、納品日までに磨きをかけ続けていきました。
これまでの作業でいくつもの失敗とリカバーを経験してきた子どもたち。最後には全員がやりきった笑顔で完成した椅子を眺めることができてまずはほっと一安心。
それぞれのこだわりや大変だった思いはプレゼンでじっくりと一人ずつ語ってもらいます。
＜プレゼンテーション当日＞
YI
（参考） TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2023年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表（実施内容）