【探究領域】万象究理
【セントラルアイディア】構造よく力を制す。
<テーマ学習> 〜レポート
10月より後期に入り、あっという間に今年度も折り返し地点です。
本テーマ学習ではセントラルアイディアである「構造よく力を制す」という概念を実感するために、私たちの身のまわりにある様々な構造物を知り、それらを支えている構造とその機能に気づくことで新たな視点を獲得していくことを目指します。
テーマ学習初日にはテーマタイトルにある「築」という漢字の成り立ちを紐解き、身のまわりにある建築物を挙げていきました。
神社/駅舎/ビル/映画館/電柱/工場/スカイツリー/学校/城/立体駐車場などなど9人で話し合うことで最初の1人の意見からどんどん広がっていきました。
「今回のセントラルアイディアはなーに??」とある子が大きな声で言いました。2年生たちがテーマ学習の構成を理解し始めていることがなんとも嬉しい瞬間です。
セントラルアイディアである「構造よく力を制す」を模造紙に書き、一つ一つの言葉の意味を考え、調べ、それぞれの理解を語り合っていきました。
「構造ってさ、物の仕組みのことなんじゃないの?パソコンの構造とかさ。」とある子がつぶやきました。辞書でも構造の意味を確認してみると、物事の組み立ての様子と書いてありました。
「構造が制してる力ってなんなんだろう?」
「わかった!!それは風とかなんじゃないの?」
「あとは重力!重たいものが乗っても壊れないようにしないと!」
「地震とか津波にも耐えられないといけないじゃん!!」
「ていうことはさ、制していないとビルはちょっとした地震でくずれるっていうことなのかな。」
「でも構造で制してるってどういうことなんだろうね。」
などなどひとしきりの考えがお互いに触発し合ってぐるぐると渦巻いているところで、いくつかの構造をじっくりと観察するためにフィールドワークへ出かけることを子どもたちに共有しました。
「やったーーー!!!どこ行くの〜??」と大盛り上がりの子どもたち。
TCSのテーマ学習では現地・現物・現人を大切にしています。
現地に足を運んで実感し、現物に触れ、本物と出会うことこそリアルな学びであり、探究の醍醐味。探究心にも火がつきやすいこと間違いなしです。しかもこの東京には豊富な学びのリソースが溢れています。これらを活用しない手はありません。
学年が上がるにつれてどんどん外出の機会も増えますが二年生たちにとっては新鮮なテーマ外出なので盛り上がりもひとしお。
さらに今回は電車を乗り継いで浅草を目指します。まずは東京スカイツリーの構造を観察しつつ、さらに江戸時代から多くの橋がかかっている隅田川をクルーズして橋の下からその構造を目に焼き付けに赴きます。
縦に高く伸びるタワーと横に長く広がり様々な交通をどっしりと支えている橋の構造を知るフィールドワークです。
快晴に恵まれ、浅草に到着!!アサヒの金色に輝く建物を見て大興奮の2年生たち。
目的地は東京スカイツリー。
どこからでもドーンとそびえるTHEランドマークを眺めつつぐんぐん歩を進めます。
真下まで来るとものすごい迫力です。
「すごーい!めちゃめちゃかっこいいじゃん!!」
「634mなんだよ。高尾山よりも高いんだねー!」
「囲いの中に細い建物があるんだー!!知らなかったー!」
「階段もあるんだね!この階段登ってみたいよー。」
スカイツリーの麓でじっくりとタワーを眺めながらランチタイム☆
そしてお次は隅田川クルーズです。
宇宙戦艦ヤマトを描いたアニメ界の巨匠松本零士さんがデザインしたこちらホタルナに乗り込むご一向。
宇宙船をイメージしたシルバー・メタリックの流線形ボディにガルウィングの扉がカッコ良すぎます。さらになんと船内のナレーターは銀河鉄道999の車掌さんと鉄郎です。ちなみにメーテルはちょっとだけしか登場してくれませんでした、残念(笑)
普段はなかなかなかなか見ることができない橋の下。
あそこにもここにもたくさんの三角形を見つけることができます。
隅田川には15もの橋が架かっています。数種類のアーチ橋・けた橋・斜張橋・はね橋など様々な種類の橋を一度のクルーズでじっくりと観察することができるのがたまりません。江戸時代から親しまれている橋や重要文化財に指定されている橋など設計の妙が施された個性豊かな橋は見ていて飽きることがないほどです。
クルーズの最後はお台場とレインボーブリッジに近づくにつれ、視界も隅田川からグッと広がり東京湾へ。
スカイツリーといくつもの橋を観察した後、街を歩いていると今までは素通りしていたような構造物や形に気がつくようになります。
クレーンにもたくさんの三角形が使われています。
駅のホームの天井にも三角形が!子どもたちは構造のメガネを手に入れました!!!
さあ、フィールドワークの後はスクールにて発見してきた構造と形の強さを実験して確かめてみよう!!
なんで三角形がこんなにたくさん使われているのだろうか???
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
早速スクールにて加古里子さんの「よわいかみ つよいかたち」を読み合わせ、ハガキを半分にカットしたものを用いて、重ねたり折ったりして形を変えて10円玉や動物将棋の駒などがどれだけ載せられるのか実験を行いました。
同じハガキでも両端を折るだけで耐荷重がグンと上がることに驚きのキッズたち。3人グループで協力して行ったのでみんな没頭して試行錯誤することができました。
さあ、お次はフランク・ビバ著の「ぼくは建築家ヤング・フランク」をみんなで読み合わせました。ヤング・フランクとお父さんの遊びのように部屋中に自由な発想で建物や橋をたくさん創ってみました。
もちろんこの企画に大盛り上がりで取り組む子どもたち。
彼らの持つ溢れる自由なクリエイティビティと集中力は素晴らしいの一言に尽きます!!
東京スカイツリーの構造を真似て周囲を囲って中心部にはトラスを重ねたタワーをコラボして建設中♬
頂上にも目印を飾ってできあがり☆
こちらでは橋を建設中。
そしていよいよプレゼンに向けたアウトプット製作に向かいます。
これまでに構造が建築物・構造物にかかる様々な力を制しているからこそ、安心・安全の上私たちの生活を支えてくれているということを実感してきました。そしてプレゼンテーションでは未来の街、自分なりの新しい街のコンセプトをつくることをテーマに設定しています。その街を象徴する建物をストローで製作していくことにこれから挑戦していきます!!
四角形では縦横の軽い力にも耐えることができません。
構造を意識しながら試行錯誤の日々。
「筋交いを入れたからしっかりしたよ!」
「私は筋交いの代わりにトラスを入れてみる!わ!かっこいいかもしれない☆」
構造のヒントを資料からも探せるように数冊の参考資料を部屋に置いてあります。
細かな作業にも黙々と取り組み、手直しの苦労もなんのその!!
まるで設計ラボのようにさまざまなトライ&エラーを繰り返しつつも、レジリエンスとプレイフルネスを発揮し続ける姿はまさに小さな探究者たち。頼もしいです。
さあ、いよいよ週末はプレゼンテーションデイ。どのようなコンセプトでどんな建物を建築するのか乞うご期待です!
何度も手直しを加えながら試行錯誤の末、ようやくそれぞれの作品が完成しました。
新しい未来の街のコンセプトとその理由、その街を象徴する建物とそのデザインのこだわり、そして使った構造の3点についてスピーチすることが今回のプレゼンテーションです。
90秒で伝えることを目指して伝えたいポイントを整理することに頭を悩ませるキッズたち。
そしてとうとう本番当日を迎えました。
当日は思いきり、自分の思いとこだわりが詰まった建物について堂々と楽しそうに語りきることができた2年生たち。
どの子のスピーチからも成長を感じる内容でした。
このテーマ学習をきっかけに、将来建築家が生まれるかもしれませんね!
こだわりたっぷりの彼らのスピーチをどうぞご覧ください。
何度も手直しを加えながら試行錯誤の末、ようやくそれぞれの作品が完成しました。
新しい未来の街のコンセプトとその理由、その街を象徴する建物とそのデザインのこだわり、そして使った構造の3点についてスピーチすることが今回のプレゼンテーションです。
90秒で伝えることを目指して伝えたいポイントを整理することに頭を悩ませるキッズたち。
そしてとうとう本番当日を迎えました。
当日は思いきり、自分の思いとこだわりが詰まった建物について堂々と楽しそうに語りきることができた2年生たち。
どの子のスピーチからも成長を感じる内容でした。
このテーマ学習をきっかけに、将来建築家が生まれるかもしれませんね!
YI
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2022年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)