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「感感学学」2年生 テーマ学習〜レポート

 

 

探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】我感じる、ゆえに我あり。

<テーマ学習> 〜レポート 

〜先行知識の確認〜

子どもたちは、漢字に反応しました。

普段の生活で目にしていた漢字や、知っている言葉から漢字をあぶり出し、その意味を聞いてみました。

 

面白かったのは「感じを感じる」

まさにセントラルアイディアですね。


〜「五感」ってなんだと思う?〜

さらに「五感」についても子どもたちの知識やイメージしていることを話し合ってみました。

ここで出てきた疑問が「このテーマは意志表現だね!だって五感って表現する時に使うんでしょ?」という話でした。

 

最後に「このテーマは自主自律なんだよ!」と話すと、みんなの頭の上に「疑問のアンテナ」が立っていました。

 

キッズの一人が「2年生のクラス目標って五感じゃない?」と切り出してくれました。

「あー!ほんとだ!でも嗅覚がないかも?!」と一人が言うと、「読んだり話したりするときに呼吸してるじゃん!」とナイスな意見が出ていました。

先行知識からの話し合いって、面白いし盛り上がるなぁと改めて感じました。


〜セントラルアイディアの意味を考えてみる〜

セントラルアイディアでも2年生ながら、知っている言葉の意味から想像力を膨らませて、考えていきます。

なかなか的を得た感性を感じました。ただ全体の意味については「?」がいっぱい立っていましたね。このテーマのふりかえりで、どんな思考の変化が見られるか楽しみです!

〜 一人ひとりの感覚と特徴 〜

・富士山のふりかえり作文から「五感を抜き出す」

・紅葉山公園に行って「感じた語感を書き出してみる」

・普段の生活で思いつくことを書き出してみる

そんな観点から「五感レーダーチャート」を作ってみました。思いの外、かなりまちまちな結果が… (笑)

五感レーダーチャートを見ると、
・五感を使っているか?
・どの五感をよく使っていて、どの五感が使っていない?
・他者の「五感の使い方」の特徴ってどうなってるかな?

など、いろいろな個々の五感の情報、使い方がわかります。


結局このタイプに落ち着くのか?と思いきや…
 

こんなのや、
 

こんなの。極端です。
 

こんなのや、あんなのも…
    

テーマが終わったときに作成する「五感レーダーチャート」はどのように変化しているんでしょう。


〜五感の機能と知覚〜

ひとつ一つの「五感」の機能と役割を知識として学び、その五感を使って、「えのないえほん」を読み聞かせしました。

 

感想を聞いてみると、一人ひとりの感じ方が違うことを子どもたちは感じていました。  

目を閉じで、視覚を消して聴覚に集中して聴いています。

ふりかえりでは、この絵本の場面やストーリーを感じ、どんな場面でどんな登場人物が活動しているのかを話していきましたが、みんな場面もさまざまで、情景が違うのが楽しい。

  

絵本自体に、絵が描いていないので子どもたちも「聴覚の元となる音」から感じたことを出しあったことが「一人ひとりの感性」であることに気づいたようです。

でもほんとこの本、面白い!

 

再探索して五感を磨く

〜五感を使って散策してみよう(百聞は一見に如かず)〜

新宿御苑に行き、五感で思いっきり感じまくってきました。

まずは「視覚」で空を見ながら「聴覚」では周囲からの音の刺激を感じてみました。

この日は、「安倍元総理の国葬の日」

空には報道のヘリコプターがガンガン飛んでいる中、公園から聴こえてくる虫の声や鳥の声、そして、そよ吹く風の音や、肌で感じる空気の涼しさを子どもたちはじっくり感じていました。

中には「空気が美味しい」と言うキッズも。

かなり五感のアンテナが敏感になってきています。

いい感じです。

 

「あー!蜂の巣みたいな植物が顔を出してる!」

「赤い花が上を向いてるね!」

感じたことを逐一メモを取っていました。

 

子どもたちの「五感のアンテナ」はバリ3状態です。

ここからは「熱帯の植物館」温室に入っていきます!

外の空気との違いを感じられるかな。

匂いや音、そして綺麗な色の植物や変わった形の葉、ザラザラの葉っぱにフブニュブニュの樹など、さまざまな体験が待っています。

「触ったらどんな感じがするんだろう….」
「めっちゃトゲトゲしてて痛そう!」
 

「葉脈がくっきりと見えている葉っぱ」
鮮やかすぎて現実じゃないみたい…

 

「嗅覚を使ってみようっと。」「どんな匂いがするんだろう?」
 

「んー匂いはしない!?でも、ふわふわしていてくすぐったい」

 

「ここはひんやりしていて涼しいし、気持ちいぃー」

昆虫も発見しましたが、これは!?

五感をフルに使っているので、子どもたちもお疲れ気味。

普段、意識して使っていない五感を意識して使うって、すごく体力気力ともにエネルギーを使うことが身をもってわかったようです。

それでも子どもたちの五感のアンテナは反応し続けていました。

 


日本庭園ゾーン

建造物の美しさや水面に映る景色の綺麗さ、洋館に漂う木の匂いなど、ここで作文を書いても、五感の語彙による表現として面白いなと感じました。

風景画も描いてみたいですね!

 

帰路ではハプニングあり… 駅員さんと何かやりとりしています… 笑

 

個性としての表現

ここからは、磨いてきた「五感」と学んできた語彙による表現方法を使って、作文を書いていきます。

まずは、ホースキャンプで初発で書いた作文をみんなに披露していきます。音読の表現や内容のフィードバックを出し合いました。

 

体験を通じた発見、感じたことを言語化

 

さらに磨きをかけていく

磨きポイントを提示して、書き上げていきます。

何度も何度もフィードバックをもらいますが、その度に買い直すことが結構な作業です。それでもいいものを書き上げるために、鉛筆削りをフル稼働させていました。

・お互いの感覚の違いから表現方法の再考察

・最初の体験との違いや変化をシェアしてみる

 

書いては聞いてもらってグッド&ベターをもらい、磨き上げて書いていきます。

何度も磨いていくうちに、自身の作文の特徴が見えてきました。

「ぼくぼく、僕ばっかり使ってる。」

「句読点がなくて読みづらい!」

「人の名前ばかり出てきて誰が話したことかわからなくなる」

など、みんなで共有できるベターがたくさん!

「あー!その書き方いいー!」とグッドもたくさん出てきて

まねることは学ぶこと!

につながりました。

自身の五感で深く感じ取ったことを作文にして発表する

磨き上げた作文も赤ペンでチェック・黒ペンでチェックの2回のチェックをクリアして本番に向かいます。

・誤字脱字がないか

・漢字を使えるところは使う

・言い換えやオノマトペ、そして感覚表現の再チェック

読み上げ練習

最終的にOKが出て、いよいよ最終関門の「読む力」です。

伝えるための「読む力」を磨いていきます。

・声の抑揚

・オノマトペの表現

・情景を意識した非言語による表現

子どもたちの「伝える力」が磨かれていくのが目に見えていて、プレゼンが楽しみになってきました。

プレゼンテーションの様子

一人ひとりが「読む力」を意識して伝えることができました。
 

後記

今回のテーマでは、五感を言語表現する、というポイントで探究を進めてきました。

子どもたちが、ことばを知ることで思考が広がり、文章の中や会話の中で語彙を使っていくことが、教科の学びよりも吸収力が高いことを感じました。語彙力が低い学年で様々な語彙を使いこなしていくうちに、普段の会話やコミュニケーションにも変化があることに気づきました。

日本語の学びの奥深さを感じた探究でした。

そして、感性という言葉にも触れていった2年生。

一人ひとりの五感の感じ方や表現の仕方が違うことを知り感じることができました。その表現の面白さや驚きを体感できたことは大きな学びの一つです。

原体験で富士山登山とホースキャンプが、このタイミングであったこともベストマッチしました。

そんな探究をしてきた2年生の大きな成長を感じることができたことは、担当としてこのテーマの大切さをみに沁みて感じました。

今後の2年生がどのように自身の感性磨きをかけていってくれるのか楽しみです!

 

HM

 


(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2022年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

 

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