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「個の尊厳」G5G6テーマ学習 レポート2

【学年】 5年生6年生
【探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】私たちは私たちのために生きている

 
<テーマ学習リポート>
「個の尊厳」2

自分たちは何のために生きているのか。生きているってどういうことなのか。「死」についてより多くを知り、感じ、考えていくために、日頃から「死」と向き合っている人に会って話を聞くという体験をしてきました。

今回、ご協力いただいたのは、是枝嗣人さんと橋爪謙一郎さんです。是枝さんは小金井祭典株式会社の代表をされていて、エコ葬儀やグリープサポートなど葬儀を執り行うだけでなく、心に寄り添った事業をなさっています。

グリーフサポートについては、橋爪さんの著書『エンバーマー』を読み、事前に情報収集。読んでわかることを質問してはより深い話になりません。

基本的な理解をした上で、「自分自身のグリーフサポートできますか。」「身内のときにでも同じ対応ができますか。」「 是枝さんはどういうお葬式をしてもらいたいですか。」といった質問に、是枝さん自身のここでしか聞けない話を伺うことができました。是枝さんからも「いい質問するね。」とおっしゃっていただきました。

事務所には、葬儀に必要なものすべてが保管されています。棺の中にも実際に入らせていただきました。

ついついふざけ感覚になってしまった子どもたちに「これは遊びじゃないから」「ここが最後の場所なのはみんな一緒」「本番前の練習をすることで、次に入るときまでどう生きるかを考えてほしい」と是枝さんはやんわり且つ真摯に語ってくださいました。

橋爪謙一郎さんが代表を務める株式会社ジーエスアイは大切な人を亡くした方を支える人のための人材教育と、葬儀のために必要なご遺体の処置・エンバーミングを提供している会社です。是枝さんも橋爪さんのセミナーを経てグリーフサポートを広げる活動を始められたそうです。
子ども達の眼差しが真剣です。

自然とメモをとっています。

『エンバーマー』を読んでいて疑問が出てきたことは、「大変で責任重大な仕事だから失敗したらどうするのだろう」ということ。その話題の中で橋爪さんは「失敗はしたことがない。どんな予想外のことが起きても対処法を考え出すから。」とのこと。

彼らの思う「失敗」という概念が揺さぶられたらいいなと思いました。

世の中のことで知らないことがあるのが嫌で図書館の本を読み尽くし、なんでもできてしまう橋爪さん。けれどもできないことがあることが対話の中で出てきました。それは自分自身のグリーフサポートでした。「一人で悲しみを抱えるのはつらいから誰かを頼るな。」とおっしゃっていました。

現場を訪れ、生きた声を聞き、対話することで新たな発見が生まれてきます。テーマ学習の原点です。

2人の「現人」に「現場」で出会い、そして『モリー先生との火曜日』という映画を視聴しました。「生きていると、いつか死ぬ。だから、死ぬ前にやりたいことやっとかないとな。」という感想は実感が込められていました。

この日のふりかえりの中で、「死」から「生」が鮮明になっていく感覚をそれぞれが感じているように思いました。

 

AN

——
(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形テーマ学習一覧表_実施版

 

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