タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。
[6年生]
今週は「神話」をモティーフにして作られた作品「スターウォーズ」を読み解き、ストーリーの構造を解き明かしてゆきます。
「スターウォーズ」のストーリーの構造は「スクリーンプレイ」というハリウッドのストーリー構造の作り方にそっています。
スターウォーズシリーズはもともと、ジョージルーカス監督は「ヒットする」ことを狙わず、「自分の作りたい」を追求したものでした。
続編が制作され現在では世界的なSF映画となりました。
では、スターウォーズのストーリー、そして用いられている映像技法を見てゆきましょう。
スターウォーズは「アミダラ女王」が帝国軍の「ダース・ベイダー」に捕らえられるシーンから始まります。物語の発端のシーンでは大きな宇宙船とそれから逃げる小さな宇宙船、逃げる姫とそして明らかに「ヒール」であることを象徴する黒い騎士が登場するのです。
アミダラ女王に敵の最終破壊兵器、デス・スターの設計図を託されたアンドロイド、R2-D2とC-3POはスカベンジャーにさらわれ、売り飛ばされそうになったところで主人公のルーク・スカイウォーカーに拾われ、、、
ここから、物語は始まっていきます。
物語の冒頭では、その発端となる問題が起こったり、登場人物とそれを取り巻く時代背景、状況が提示されるのです。
そして、その出会いから主人公はどんどん非日常の世界へと巻き込まれてゆくのです。
この「日常」と「非日常」の行き来こそが、「神話」の構造なのです。
「神話の構造」はハリウッド映画に多用されています。
ハリウッドにはスクリーンプレイという「脚本を書くための方程式」なるものが存在し、それは三つのパートに分けられます。
・ACT1
・ACT2
・ACT3
の三つです。
それぞれには別々の役割があります。
ACT1は、「状況設定」としての役割、つまり主人公やその主人公にまつわる登場人物、時代背景、環境など物語がはじまっていくうえでの「映画の自己紹介」がなされます。
次に、ACT2は、「葛藤」としての役割、つまり、主人公が成長していく中で「敵対する登場人物や出来事」と自分との間の葛藤に悩みます。
そして、最後にACT3は「解決」としての役割、つまり、その葛藤が解決し、物語は「結末」へと向かっていくのです。
さて、ストーリー展開を読み解きながらも、用いられている映像技法についても目を配ってまいります。
特に、「スターウォーズ」では、場面が大きく変わるところでは「左右のトランジション」が用いられ、小さく会話などを示す時には「モンタージュ」を使ってストーリーを語っています。
また、BGMについても「静と動」をうまく使っていることがわかります。
重要なセリフを言う場面、そこでは「あえてBGMをなくす」ことや「BGMで際立たせる」ことがあったり、様々な効果を活用しているのです。
今週は映画「スターウォーズ」を見ながら、分析していく中でストーリーの構成や映像表現の工夫を考えてきました。
来週からは、「映画の技法」と題して、映画を作る上で必要な「ストーリーマップ」「脚本」「絵コンテ」の三つにフォーカスして学びます。
TY
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