タイトル: 目からうろこ
探究領域: 自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。
[2年生]
「今、自分の目で見ているものは、事実と一致するのか?」
そんなことを考えたことがありますか?
目で見ているものと頭で認識しているもの、その二つが異なってしまうことがあります。
今週はそんな視覚のミステリーに迫る、「錯視・錯覚」を中心に
人間の視覚はどのようなメカニズムになっているか、考えていきます。
先週は「人の目の構造」について考えてきました。
週末に、「面白いことが浮かんだから実験してみるよ!」と、元気にいってくれた人の中から、3人も、自分なりに考えた実験の結果を教えてくれました。
・「お風呂でゴーグルをして、目の上半分がちょうど水面の上、目の下半分がちょうど水面のしたになるようにしてみたんだけど、下はぼやけてあんまり見えなかったな」
・「二人でおでこと鼻をくっつけるとね、相手の目が一つに見えるんだよ!いろんな面白い形になる!」
・「遠くに行くと、ものが小さくなってぼやけるってことを見つけたんだけど、これってもしかして、子どもの目は小さいから近くしか見えなくって、大人の目は大きいから遠くまでみえるってことなのかな?」
実験したものから、自分なりの仮説を立てたものまで様々に考えてきてくれました。
「人の視覚」に興味を持ち始めてからとはいうものの、自分の目と視覚の不思議さを面白がっているなんて、TCSキッズらしい!
鏡を使って、合わせ鏡の実験をしながらも、目の不思議さにのめり込んでいきます。
では、もっともっと不思議な視覚の世界へとお連れしましょう。
「錯視」は、人間の視覚の研究でも最も面白い分野です。
例えば、カニッツァの三角形。
上の画像には、くさび形と円形の二つの形しかないはずなのに、なぜか「白い三角形」が浮かび上がって見えてしまいます。
「錯視」とは、「事実とは異なったことが見えたり、感じたりすること」です。
実際には、白い三角形など、存在しないにもかかわらず人の視覚は空白部分や線を補ってしまい、線に見えてしまいます。
・「おー!すごい!」
・「本当だ!チカチカする!」
・「回ってないはずなのに、蛇が回って動いて見えるよ!」
錯視を通して色々な発見について語っていると…
・「これってもしかして人はぱっと見で決めちゃうってことなんじゃないかな?」
・「この錯視図形、なれちゃったら大丈夫になるよ?」
と、メタに錯視図形を見る自分を考えることばがチラホラ上がってきます。。
「事実とは違ったことが見える」ってどういうことなんだろう?
そんな疑問も生まれます。
・「作り話と本当のはなしってことの違いなんじゃないかな?そう考えると、昔話は事実なのかな?」
・「この前ママから聞いたんだけど、バスに酔うってことは、目で見たものと耳で聞いたものが違っちゃっていて、頭が混乱しちゃうから起こるんだって教えてくれたよ!」
「そうか、頭は目に影響するのか・・・」
じゃあ、「脳の世界を映像で旅しよう!」
その映像のテーマは「人は目ではなく脳で見ている」ということ。
当たる光の種類(太陽光、白熱灯、蛍光灯)に依存して「白」という色も様々に変わってしまうことや、
フォーカスが人間の目では瞬時に行われること、
上で紹介したカニッツァの三角形を使って「盲点」では見えないところを脳が補っていることを、紹介していく中でこの「人は目ではなく脳で見ている」というメッセージを伝えます。
・「じゃあ、結局目は飾りなの?脳で見ているんでしょ?」
・「色がどんどん変わるってことは臭いがどんどん変わるということと関係があるのかな?」
とアイディアが広がっていきます。
「脳」と「目」の関係が見え始めてきたキッズはまた来週どのような「脳と目の関係」を目にするのでしょうか。どのような心が視覚に影響するのでしょうか。
TY
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。