タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている。」
[1年生]
自分たちもおかげさまになってみよう。
ということで、自分が蔭でやってみたことをテーマの時間に報告することになっていました。
早速、報告があがります。
「お父さんとお母さんが見ていないところで、朝ごはんを作った。何回もおいしいって言ってたから、おかげさまになれたと思う。」
「お父さんに、夜ごはんのメニューを書いてテーブルに置いといた。帰ったときには会えないから。」
「お母さんにマッサージした。」「それだとおかげさま?」
「お母さんじゃなくて、お母さんがお世話をしている兄弟たちにとってのおかげさまになってると思う。」
「あー、そういうことか。」
「スクールに来る途中の掲示板の近くに画鋲が落ちてたから、誰かが刺さったら危ないと思って、拾って壁に刺した。」
「ママにダメって言われて、こっそりゲームをやった。」
「それって、おかげさま?」「ただの蔭じゃない?」
言った本人が違うかもと思ったときに、別の子が「おかげさまだよ!」とひらめいたように叫びます。「ゲームを作った人にとっては、使ってくれてありがとうだから、おかげさまになってるよ。」と言います。みんなも納得です。
テーマ学習も最終週に入りました。これまで、「運動」「保守」「創造」と動作を分類したり、お弁当箱の起源を辿っていったりと、見方を増やすことで、視野を広げていきました。ある人には、おかげさまにはならなくても、別の人には、おかげさまになる。まさに、見方を変えた考え方です。今までしてきたことが身についていることが窺えます。
手型に動作を書き終え、インタビューして聞き出した、作っている人自身の思いも記録していきました。「心シート」と名付け、心の形をイメージして切り取り、中に気持ちを書いていきました。
できあがったものを貼り合わせていきます。
そこで、3つのシートをどうつなげていくか、アイディアを出し合います。横に並べる、縦に並べる、丸く並べる、手型をはしごにしてつなげる、全員がいいなと思ったアイディアを抜き出して合わせていきます。
3つのシートを結ぶためのはしごを作るというアイディアから、実際には手型をはしごにすることが難しいことがわかり、橋を作ろうと、より実現可能なアイディアに変わっていきました。こうした意見が出るのは、そもそも、3つの分類がはっきりしないことにありました。
「運動」に集めた手型を読んでいくと、「運動」だけでない見方ができるものが出てきます。それは「保守」や「創造」のシートにも当てはまることでした。だからこそ、はしごになれる手型が出てきて、ほかのシートにつながっていけるのです。
3つがつながることから、まるい形にすることになりました。「心」はどれにもつながるということで、中心に置くことに。こうして、発表時に提示するシートができあがりました。残すは、何をどう伝えていくかです。成果物の説明に加え、自分が思うおかげさまを一人ずつ語っていくことにしました。
こちらから問いかけると、「見えないところで人の役に立つことだと思う。」「やさしいことをしたらおかげさまだと思う。」など、一人ひとりが違う言葉で自分の思うことを言うことができます。自分から説明をするとなると、少し難易度があがります。大きな声で、はっきりと聞き取りやすい速さで相手に伝える。自分の都合で話すのではなく、相手にどう伝わるかを第一に考える。1年生も6回目のプレゼンです。今までの経験を活かして、練習に励みます。
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