タイトル:からだに栄養 こころに栄養
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「心身の元気は生きる勇気。」
[3・4年生]
先週、”血液”が体中に”酸素”と”栄養素”を運んでいることを知った3・4年生たち。
”栄養素=食べもの”が”元気”な状態になる上でも大切な要素だということはみんな口を揃えて発言していますが、適切な食べものやそれがどのように”元気”の素になっていくのかまだはっきりとしたことが分かりません。
そこで”栄養素ってなんだろう?”ということを話し合っていきました。
子どもによってはタンパク質や脂質、ビタミン、カルシウムなどいくつかのキーワードを知っていますが、どの子もそれらが体にとってなぜ必要なのかは知りません。
i-PADに入れてある栄養に関する資料を読み合わせていくと五大栄養素(タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)が体の中でどのように働いてくれているか見えてきます。
「そっかー。栄養素には血や骨や肉を作る材料になる働きがあるんだね。肉はどんな食べものでできるんだろう?骨はカルシウムだって知ってるよ!」
「肉や血はタンパク質が主に作ってるんだって。」
「脂質も使われてるって書いてあるよ。でも脂質って何だろう?肉の脂かな?」
「ちょっと待ってね。えーっとー、あっ、ここに書いてあるよ。マーガリンやバターも脂質だって。」
「栄養素の体での働きには”体を作る”働きと”エネルギー源を生み出す”働きと”体の調整をする”働きがあるんだって。」
「エネルギーってどんなことだと思う?」と私。
「うーん。元気のことかな?例えばさ、朝ご飯を食べないと元気が出ないじゃん?それってエネルギーがないってことなんじゃない?」
「そうするとさ、寝不足でもエネルギーが出ないよ。」
「蒸気機関車の石炭みたいに体を動かす力が食べものってことだ。」
「車で言えばガソリンもそうだよ!口からガソリンを入れて、栄養素を全部吸収してからカスjはアレで出すんだよ(笑)」
「なるほどなぁー。じゃあさ、人間で言えばガソリンの代わりになる食べものにも栄養素があってそれぞれに相応しい働きがあるからバランス良く食べることが大切だっていうことが分かってきたよね。でも量はどうなのかな?食べられるだけ食べればいいのかな?」と私。
「えー!それはまずいでしょー!食べ過ぎると脂肪がつくよ。」
「一食で3000kcalとか食べたら絶対太るよ。」
「太るっていうことは、体の中でどんなことが起きているんだろうね?」
「消化できてもさ、使い切れないくらいのエネルギーがあまっちゃうと脂肪になって蓄えられるってその人体図鑑に書いてあるよ。」
「なるほど〜。ということはやっぱりちょうどいいエネルギーの量っていうのがあるんだね。」
「でも食べたものが体のどの部分でエネルギーとして吸収されるんだろう?」
「胃でしょ!」
「ぼくは大腸だと思う。」
「え〜、小腸じゃない?」
という展開になり、そのまま”食べものの旅”を追いかけて消化器官について学んでいきました。
口に食べものが入ってからどのような消化器官を通り、どこでどのように消化・吸収されて最終的に排泄されるのかいくつかの資料を用いて読み合わせていきます。
また理論を学んでからそれを実感するためにアジの解剖を行ないました。
資料で学んだ”人間”の消化器官とアジ(魚類)がほとんど同じ器官を持っていることに興奮気味の子どもたち。
初めての解剖でしたがパートナーと協力して丁寧に作業を進めていきました。
「学びのために命を頂いていることを忘れずに感謝の気持ちをもって実験を行なって下さいね。」とサイエンスの先生が実験前に子どもたちに語りかけます。
口からBB弾を入れていくと実際にどのように食べものが消化器官を通っていくのかがよく確認できます。
「すごい!おれのアジね、小さなエビを食べたみたいだよ!!!胃から見える!」
「私のはシラスを食べたみたいだよー!すごいね。食べたものがまだ消化されてないんだね。」
食べたものがどのような道を通って消化・吸収・排泄されていくか確認させてもらった後、おいしくアジをムニエルにして頂きました。
さて、元気になるためには適切な食べものを食べることが大切でその食べものはどのように体内で栄養になっていくのか学ぶことができましたが、まだまだ”元気”については分からないことがたくさんあります。
翌週はどのような探究になるのでしょうか?
YI
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。