タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている。」
[1年生]
テーマタイトルである「おかげさま」という言葉は、
1年生の子どもたちにとっては、馴染みのない言葉のようです。
「オカゲサマ?!」「何それ?」
「あまり言わないなぁ。」
「どっかで聞いたことあるような・・・。」
「おつかれさまっていうのは言われたことあるよ。」
「ある、ある!家に帰ってきたとき、おつかれーって。」
「なんで、疲れていることわかったんだろう。すごいって思う。」
「でも、おつかれーっていうけど、おかげーって言わないね。」
「似てるけど、意味は違うのかな。」
似ている言葉と照らし合わせ、知っている事柄から糸口を見つけようとしています。
「おつかれーは、疲れたときに使うから、おつかれの“お”はおてがみの“お”と一緒かな。」
以前、国語の時間にアーノルド・ローベル作の「おてがみ」という物語を読んだことがありました。
「てがみ」ではなく「おてがみ」と書いてあることから、
そのときは、大切なものやていねいに言いたいときには「お」を付けるという話題になりました。
「そうだ!おてがみの“お”だ!」と盛り上がります。
「おべんとうの“お”」「おすしの“お”」
「“さま”は偉い人につくから、おかげさまは偉い人に使うのかな?」
オカゲサマを分解して、たどりついたのは、「かげ」。
「かげって何だろう?」
「黒くなるのが、かげ?」「かげでコソコソするのかげ?」
もやもやは消えません。
そんな中、思い出したかのように、一人が「おかげって使ったことある!」と叫びます。
話を聞くと、前に友達のお母さんに言われた通りに体を動かしたところ、怪我をしてしまったとのこと。
「あの人のおかげで怪我したって言ってた気がする。」
「それなら、バレエの先生が声をかけてくれたおかげで上手にできるようになった。って使うこともできるよ。」
おかげには、いいおかげとよくないおかげがあるってこと?
ますます、子どもたちの頭の中はもやもやしてきた様子です。
子どもたちのprior knowledgeがわかってきたところで
今回のセントラルアイディアを提示しました。
「私たちは、みんなのおかげで生きている。」
この言葉の意味にたどり着くためにも、「おかげ」とは何なのかを探っていかないことには、「私たちは生きている」につながっていきません。
影絵のように、黒く映り出されるのは「影」と書き、蔭でコソコソというように、何かに遮られて見えない場所のことを「蔭」と書く。漢字で表すことで意味が違うことを確認しました。おかげさまは漢字で表すと「お蔭さま」であることも。
まずは、蔭に隠れていて見えていない部分を見ていくことからスタートです。
「蔭見っけたいみたい。」と声があがります。
来週は、お昼の時間に食べているお弁当のおかげを探していきます。
普段、何気なくリュックに詰め込んでいるお弁当です。作っているところを見たことはあっても、最初から最後までは見えていません。
自分の知らない「蔭」でどんな風に作っているのか光を当てる、最初のミッションは家での観察です。
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