タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」
[5・6年生]
なんとかプレゼンテーションデーまでに本を完成させることができました。まずはホッと一息。あとは、もう一度、誤字脱字やレイアウトの微妙なズレなどをチェックして製本するだけです。ついに子どもの編集による子どもの本ができました。
お披露目の反響も上々。子どもたちも、保護者も、出来映えに感心し、
「はやく読みたい!」
という声を多数いただきました。
子どもの不完全な文章を編集するということがこれほど学習効果があるとは、予想を大いに上回るものでした。不完全とは言っても子どもらしい魅力がこもっています。ただ、表現力が未熟なためにそれが伝わりません。豊かな想像力を、自分たちの編集力で価値を上げたいという強い気持ちを持って作業に取り組んでいました。なんとか読み解き、直接やりとりしながら、表現したい世界を構築してゆく。そのためには、必死になってどうしたらもっとよい文章になるか考えなくてはいけません。これまで自分の作文でもここまで真剣には考えてこなかったでしょう。むしろ、かわいい後輩達だからこそ、なんとかしてやりたいと思えたわけです。こうして編集者は、めきめきと文章表現力を高めてゆきました。
一方、編集された子どもの方も、自分の作品が、どんどんステキなものに変貌してゆくのを見て、ああこう書けばよかったのか!と、新たな気づきを得ました。編集する方だけでなく、された方も、表現する力を伸ばすきっかけを得るという深い学びになりました。
最後に……編集者のことばがなかなかよかったので引用しておきます。
子どもはすごい。なんでって?意外性のある発想を恥ずかしいとも思わずスラスラと素直に書くからだ。思わず笑ってしまうようなちょっとおかしな世界。その世界を大人が編集すると子どもの思いがかき消されてしまう。だから私たちは同じ子どもだからわかる子どもの目線で、その思いを消さないように編集しました。子どもたちの世界にどっぷりつかるつもりで読んでいただけたらと思います。
Dear Editor 編集部一同
RI
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