タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現
[5・6年生]
「登場人物は決まったんだけど、ストーリーをどうテーマにつなげ
たらよいか困ってるんだよね・・・」
「設定のアイデアはいくつも考えたんだけど、どれを選べばよいか
迷って全然話がまとまらないんだ・・・」
「ストーリーの大まかな流れはできたんだけど、なんかインパクト
に欠けるというか・・・」
それぞれ悩みは違えど、ストーリー作成に悪戦苦闘している様子が
伺えます。
当初のスケジュールから大幅に遅れているからといって、このフェ
ーズをおざなりに済ます訳にはいきません。
結局のところ、ストーリーの内容が面白くないと、いかに凝った演
出を施しても大した作品には仕上がらないからです。
演出とはストーリーを効果的に表すために手段に過ぎないのです。
まさに正念場といったところです。
しかし、考えが煮詰まった時に、一人でうんうん悩んでいても状況
を打開することが難しいのもまた事実。
まずは現時点のアイデアを語ってもらい、それをホワイトボードに
書き出し、ストーリーの構造を明らかにし、課題を整理することに
しました。
『表現の技術』では、映画のストーリーを以下の構造で分解してい
ます。
①問題の提起
②問題の複雑化(信じていたものが崩壊する)
③問題の解決
そして、「対立」や「葛藤」の要素がストーリーを展開する上での
原動力だとも。
このフレームワークを自身の作品に当てはめてみて、ストーリーを
精査してみると、どの部分が不足しているかが何となく見えてきま
した。
ネタバレになるのであまり詳しくは書けないのですが、ある女の子
は自身の作品の中で「親子愛」をテーマに扱おうと考えていました。
ストーリーを整理する中で課題に浮かび上がってきたのは、
「異次元空間に迷い込んだ家出少女がそこで親の愛情をどう再確認
するのか」
ということ。
大胆さとはちゃめちゃさを意識しながら、見る側の予想を裏切り、
ベタな感動ものになるリスクをどう回避すればよいか。
まさに「③問題の解決」の部分でどう盛り上がていくかが鍵になっ
てきます。
ホワイトボードに内容が整理されることで、クラスメイトも意見を
出しやすくなったようで、作品に使えそうなアイデアもばんばん出
てきました!
色々な視点があることで、作品がよりブラッシュアップされていく
感覚を実感することができたのではないでしょうか。
あと今週の後半はimovieの使い方の簡単なレクチャも行ないました。
特に撮影した場面に一番適した音楽(効果音)を探す作業は子ども
達の心をわしづかみにした様子です。
「これ、超簡単だね。」
「すげーー!!」
と驚嘆の声があちこちからあがります。
私の説明が終わると、早速、ipadで撮影した写真や動画をimovieで
編集し始める子ども達。
気分はもう映画監督です。
今回、冬休みのホームワークとして、作品を一旦仕上げてくるよう
子ども達に伝え、スクールのipadを貸し出しました。
年明けの1回目の授業にて上映会を行うことにしました。
一体どんな作品ができあがってくるのか、非常に楽しみです。
HY
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