「歴史」というと、出来事の羅列を「暗記」してテストに備えることか、「史跡」めぐりを楽しんだり、「大河ドラマ」にわくわくしたりする趣味・娯楽、というようなイメージがどうしてもつきまといます。しかし、これはあくまでも、既存の歴史像を消費しているに過ぎません。グローバルに国境を越えてゆくことが必然となっている世の中で、多様な人々とともに生きてゆくには、一つの「国家」あるいは「権威」あるいは「デマゴーグ(特にネット上でばらまかれる……)」の発信する「歴史認識」を安易に受け入れるわけにはいかず、自ら判断しなければなりません。そのためには、「歴史的事実」を頭につめこむのではなく、いかに「歴史認識」がつくられてゆくかを当事者として学ぶ必要があります。それが今回の学びの目的です。小学生にそんなことができるの?という声が聞こえてきそうですが、小学生だからこそ、歴史は唯一ではなく、自分の立てた「問い」を通じてみつめたときに初めて浮かび上がってくると実感する原体験を持つべきではないでしょうか。
では、どうするかというと……子どもたちにとってきわめて身近な「子どもの遊びについての歴史」について追究します。まず、両親や祖父母へのインタビュー、資料の読み解きなどによって、子どもの遊びがどう変遷してきたか明らかにしてゆきます。こうして発見された「事実」が、社会に影響を与えた政治的・経済的な出来事とどうつながっているのか探り出し、自分たちなりの「歴史」を編んでゆきます。
RI
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