[6年生]
人とペットの関係性のあるべき姿について追究してきた彼女。
Key Conceptsで挙げた問いの一つである「なぜ殺されるべきでは
ない命が殺されてしまうのか?」について調べ考える中で、問題が
発生する構造が少しずつ見えてきました。
ほしくなったらすぐ買えて、要らなくなったらすぐ捨てられるとい
う現行システムにそもそもの問題があるのではないか。
ペットを飼うことに対するハードルの低さ(つまり、誰でも飼える
という状況)が、逆に悪循環を生み出していることに気づき始めた
のです。
そして、ペットを飼うことに対する飼い主の「誇り」も重要なポイ
ントだと考えました。
動物愛護国と呼ばれるイギリスでは、保護施設を訪れた里親候補の
家庭に対し、事前チェックが行われます。
途中で飼えなくなったり、施設に戻ってくることをなくすことが目
的なのですが、それは誰もがペットを飼える訳ではないということ
を意味します。
厳しいチェックをクリアしなければ里親になれないため、ペットを
飼うことに自慢や誇りを抱くのも当然でしょう。
「まずやるべきことは何だろう?できることは何だろう?」
調査の中でペットに対する国民意識が違うことも知り、単純にイギ
リスの事例を日本に導入すればよいという話ではないということを
理解した彼女。
犬猫の殺処分が行われていることやそもそも動物愛護センターの存
在を知らない人もいる現状をふまえ、この問題を解決する糸口とし
て情報発信が必要なのではないかと考えるようになりました。
『知る、広める、協力する』
考えを深める中で、自分の主張がだんだんとクリアになってきまし
た。
HY
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