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「編集会議」で「編集方針」を決める

[5年生]

実は、いつでも人間は情報を「編集」せざるを得ないのだという
「編集」についての新たな「認識」を獲得したところで、いよい
よミッションに取り組みます。今回のミッションは、TCSの学び
の魅力を伝える「小冊子」を作り、TCSの学びの意義を世に知ら
しめ、共感し、支援してくれる人を増やすことです。そのために
優れた「編集者」となることが求められるわけです。

まず、先輩達が作成した過去の「小冊子」を分析することから始
めます。目を引くのは、写真やイラストを効果的に用い、レイア
ウトしていることです。これは、渋谷パルコにあるオンリーフリ
ーペーパーに出向いて集めてきた魅力的な「小冊子」とも共通し
ています。

写真・絵・図をうまく配置し、そこにインパクトがありながら、
相手の共感を促す端的なフレーズを、字体も工夫して加えること
が、魅力的な「小冊子」を作るカギだということが見えてきまし
た。

「手にとってもらえないような小冊子じゃダメだよね」

ある子がつぶやきます。まったくその通り。中味を読んでもらう
前に、あれっ?これなんだろう?面白そうだな……よくできてる
な……と思わせて、「小冊子」に手が伸びるように仕向けなけれ
ばならない……そのための工夫が「編集」の大事なプロセスのひ
とつだということを子どもたちは実感しました。

TCSのような小さくて、変わった「学校」のプレゼンスを高める
絶好のメディアこそ、子どもたちが作成する「小冊子」だという
ことを、これまでの子どもたち同様、今年の子どもたちも深く理
解しています。したがって、ただの学びではなく、「おれたち
こそ広報の最適任者」というauthenticな「思い」がみなぎって
います。のっけから「じぶんごと」の「仕事」という思いでいっ
ぱい。やらされ感は皆無です。

とはいえ、やる気だけで魅力的な小冊子はできません。そこに
は「戦略的な思考」と「面白いアイデア」と「高いクオリティ
のものをつくりたいという志」とがないといけません。

「戦略的思考」の第一歩は、全体としてどんな内容の「小冊子」
にするかについての「編集方針」をしっかり固めること。それ
が決まれば、「方針」に基づいて、どんな「記事」を書き、ど
んな「ストーリー」を読者にイメージさせるか、さらには、写
真やイラスト、キャッチーな見出し、タイトルによってどう補
強してゆくか議論できます。そうなれば、後は、議論しては書
き、また議論しては書き直し……というサイクルをひたすら繰り
返して、よりよい「小冊子」になるまで磨いてゆくのみです。
そこで、記念すべき第1回「編集会議」は、「編集方針」を決
めることからスタートしました。

「やっぱり今回も、1つのテーマ学習についてじっくり解明し
たいよね」

TCSの学びの特徴でもあり、魅力とアピール度が高いのはやは
り「テーマ学習」です。今年度行った5つのテーマ学習の中の
どれか1つをピックアップして、子どもの目線で何をどのよう
に学んだのか明らかにしてゆこうというわけです。これまでの
先輩達と同じ流れですが、この点については、あえて異なる流
れを作って奇をてらう必要はありません。恐らく世の大人達の
多くは、TCSならではの「探究学習」の要である「テーマ学習」
を子どもたちがどう分析するかに強い関心を抱くはずです。そ
の狙いは的確です。ということで方向性はあっさり「テーマ学
習の魅力を探る vol.3」とすんなり決まりました。

では、どのテーマ学習を選べばよいか、そのテーマをどんな切
り口で料理するかについて「編集方針」をまとめるよう促し、
話し合いを続けた結果、まとまった「編集方針」は……

「テーマ学習で発見した探究の仕方のコツを明らかにする」

ということになりました。

「いろんなコツを学んでいるときに見つけたもんね」
「それは他の学びのときにも使えるしさあ」

なるほどコツを「一般化」するわけか……それは面白い!

「編集方針」が固まると、早速、子どもたちはどんなコツを用
いたかふりかえり始めました。どんどん模造紙に「発見」が書
き出されてゆきます。しかし、それを「記事」にまとめてゆく
作業こそ「大変」。

山アリ谷アリの「小冊子」づくりのプロセスに突入です。

RI

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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