今回の3・4年生の理科実験は、テーマ学習「からだに栄養 こころに栄養」とリンクした「アジの解剖」です。
テーマ学習の中で、消化管について資料を読み込み、胃の大きさを風船で表現したり腸の模型を作ったりしてきた子供たち。では、実際に動物の消化管を見てみよう!と解剖に取り組みました。
1人1尾のアジを渡し、まずは外からじっくり観察してもらいます。全体の形やひれのある場所をスケッチしたら、「動かせる所をぜんぶ動かしてみよう!」
口が大きく開くことやえらぶたがパッカリ開いて口まで見通せることに驚く子供たち。最初はこわごわ触っていた彼らも、すっかり魚に馴染み、おもちゃや模型でない“本物”の魅力にハマったようです。
そこでいよいよ解剖開始。肛門からあごにかけて解剖バサミで切り、続いて肛門から背骨に向かって切り、そこから90°曲がってエラまで切って肉を取り去ると、窓が開いて内臓が丸見えになります。
みんな初めての解剖バサミも器用に使いこなして、最初の難しい仕事を見事乗り切りました。
魚の体にぽっかり開いた窓から見える内臓に、子供たちは大興奮。
「ねー、どれが心臓? この黒っぽいの?」
「このイカみたいなのは何?」
ギュッとお腹に詰まった状態では区別しにくいので、内臓を外に取り出して観察します。
エラをあごの骨から切り離し、ゆっくり引っ張っていくと、食道から腸まで消化管全部がきれいにつながったまま取れます。広げてみると、食道、丸く膨らんだ胃、そのあとに続く腸がよくわかります。
「魚の腸って、短い……」
とつぶやく子。
前日に、テーマ学習で人間の腸の模型(長さ6m!)を作ってその長さを実感していたからでしょう。
今度は、消化管が口から肛門まで一本の管になっていることを確かめる実験をします。
エラを広げると、真ん中に“のど”が見えます。
そこに直径6mmほどの玉(BB弾)を押
し込み、外からしごいて食道を通らせていきます。
「胃まで来た!」
「ほんとだ、透けて見える」
「あれ、胃の中になんかしらすみたいなのが見えるよ!」
そこで、胃を切り開いて中身を観察してみることにしました。出てきたのは……少し柔らかくなった小魚や小さなイカ。消化される途中と思われます。
「まだ形が残ってるけど、これがドロドロのおかゆになるんでしょう?」
と、テーマ学習で学んだことがしっかり頭に入っています。
BB弾の旅を続けましょう。胃の中の食道側とは反対の方に続く穴を見つけてBB弾を押し込み細い管の中を進めていきます。そして……
「出てきた!」
口から入った食べ物が食道、胃、腸を経て肛門から出てくることを実際に目と手で確認できました。
みんな手際よく解剖したお陰で時間があったので、消化管以外のところも観察しました。心臓、背骨と神経・血管、目玉、はては脳まで調べつくす子供たち。ここまでしっかり勉強すれば、実験台となったアジも喜んでくれたことでしょう!
JW