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ボランティアは誰のため?

[3年生]

今回も引き続き和田ふれあいの家でのボランティアに取り組みました!

子ども達たってのリクエストで、今回はレクリエーションの前のお昼休みの時間から
訪問させて頂くことに。
施設を訪問すると、リビングスペースにはたくさんの利用者さんがいらっしゃいました。
昔ながらのゲームに興じたり、テレビを観たり、懐かしの歌を歌ったり。
昼食を終えられて、みなさんそれぞれ思い思いの方法で寛がれています。

子ども達は早速、カルタのお手伝いをすることになりました。
一人は歌詠みをし、残りの二人は参加者としてゲームを盛り上げます。

歌詠みでは、高齢の利用者さんに聞こえやすいよう、ゆっくりはっきりと話すことが
求められます。あまり早く話すと聞き取れないからです。
歌詠みは3人でローテーションで行いましたが、実際には、少し声が小さかったり、
かつぜつが悪かったりして、参加されている方に何度か質問される場面も見られました。
事前のオリエンテーションにてボランティアにおける注意事項は何度か説明しており、
本人達も頭ではわかっていたはずですが、行動に反映するのは簡単ではありません。

また途中、男の子達は自身がゲームに熱中するあまり、二人の間でカルタを取った
取らないで軽い言い争いになり、利用者の方をないがしろにするような場面も。
これでは何のためにボランティアをさせて頂いているのかわかりません。。

この日の振り返りでは、今日の自分達の行動がはたして「相手」のためになったと言えるか
問いかけました。
子ども達も思い当たるふしがあるようで、ばつの悪そうな様子です。
利用者の方々に不快な思いをさせてしまっては、二度とボランティアとして
訪問させて頂くことはできないでしょう。
利用者の方々が楽しむのをサポートするのが自分達の仕事の目的であったことを
すっかり忘れていたことに子ども達も気付いていました。
同じ失敗を繰り返さないことを目標に掲げ、明日以降のボランティアに臨むことにしました。

木曜もお昼休みの時間から訪問することに。
リビングでは、将棋・坊主めくり・カルタをされているグループがあったので、
3人ともばらけて、利用者の方とふれあいました。

この日は施設のスタッフから「将棋の名人」と呼ばれているご利用者さんがいらっしゃり、
我々の到着を心待ちにされていました。
「ぜひ将棋を指したい」と立候補した男の子はまだまだルールの理解が不十分な点も
見られましたが、そういう至らない点も含め、その利用者さんはアドバイスしながら
楽しんで将棋を指してくださっていました。

先日のカルタではすっかり熱くなってしまい我を見失ってしまった男の子もこの日は
落ち着いて、自分の仕事を全うすることができました。
ゆっくりはっきり、そして大きな声で歌を詠み、ゲームを盛り上げるのに
一役買っていました。
参加者のみなさんが椅子から身を乗り出して真剣にカルタに取り組む様子を
施設のスタッフの方がご覧になり、こけてしまわないか心配されたくらいです。

帰り際の挨拶の際には、今までで訪問した中で一番大きな拍手と「またきてね」という
かけごえをたくさん頂きました。
やるべき仕事が十分にできたという実感があったのか、当の本人達も満足げな様子です。

スクールに戻ってから、いつものように宿題として振り返りシートを配り、
来週以降の予定について子ども達と話す中で、ある男の子から「特技のヨーヨーを
披露したいなあ。」という発言がぽろっとでてきました。

最終週は発表の練習に時間を取られるだろうから、実際のところ、ふれあいの家に
行けるのは残すところ来週の1週間だけ。
達成目標に掲げている「とことん動く」を常々考えてきた中で出てきた彼なりの
アイデアです。

「お願いすれば、きっと時間を確保してくれると思うよ。じゃあ、来週の月曜を
話し合いの時間にしよう。」

利用者の方に喜んで頂くために、自分達にもっとできることはないだろうか。
子ども達とともに考えていきます。

HY

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