自分達で考えて暗号というものを作り出してみたものの
『暗号とはどういうものだろう?』ということは疑問のままです。
暗号というものがどういうものなのかということを
自分達なりのイメージを膨らませました。
「暗号の反対はなんだろ?」
「暗だから光号?」
「明じゃない」
「暗ってどういうことだ?・・・」
議論し会っている中で
秘密のことを特定の人に伝えるということが
浮かび上がってきました。
自分たちが作ったひらがなから数字に変換する表の
暗号を使った宝探しゲームをしました。
「トレジャーハンター」になれるかな?
暗号の数字を見て、
自分達の作った暗号表を照らし合わせて、数字をひらがなに変えていきます。
しかし・・・
「あれ、意味の分からない」
「どういうことだろう?」
どうすれば分かるようになるだろうということを考えていきます。
「ひとつずらすのかな?」
やってみると・・・
「にかいのほんだなにあんごう」
「分かった!」
と大急ぎで次の暗号を探しにいきました。
一つずらすという法則が分かったので、今回も二人で協力をして
やってみると・・・
「また、わけのわからない言葉だ!」
「どうすればいいんだ?」
前の暗号と共通点はないかを照らし合わせてみたりして考えていました。
「暗号②だから、二つずらすんじゃない」
実際にやってみると・・・
「さんしいのおくにあんごう」
「これで完璧に解き方が分かったぞ!」
解き方が一つずつずれ方が大きくなっていくということが
分かったので、順調に暗号③は解けましたが、
最後の暗号④には一つ“しかけ”がしてありました。
それは、今までの暗号のきまりでは、ひらがなを変換した数字は、分かりやすく一つ一つ
区切ってあったのですが、今回はあえて区切っていないものでした。
あいうえお順に1から順番に番号を振っていっているので、例えば12の場合は1と2に分けられる可能性があり
区切り方によって違う変換になってしまうのです。
そこから区切りがないとややこしく
わかりづらいことが分かりました。
この部分はどうやら工夫が必要のようです。
いろいろな区切り方で考え手いるうちに
「とろふいのうしろにたから」
「やった」「あったよ!」
あめ玉をゲットしました。
何より暗号が解けたことがうれしそうです。
「また、やりたい!」
次の日IPA(情報処理推進機構)というところの暗号の専門家
近澤さんをお招きしてお話をお伺いしました。
「暗号というものは今の世の中には切っても切り離せないものです」
実際にこんなところに使われているんだということを教えてくれました。
デジタルの有料のテレビ放送、携帯電話の電波、ETCの情報のやりとり、パスモやスイカの情報のやりとりなどなど・・・
「そんなところに使われているんだ」と身近で現在ではなくてはならないものについて、
使われてていることに驚きを感じていました。
みんな、暗号にして他の人には知られないようにしておいて、情報のやりとりをします。
暗号で情報のやりとりをしているから、安全なのです。
やりとりしている情報が全く関係のないものへ変えられてしまう可能性もあります。
暗号がもしなかったら、秘密が知られてしまい、とても困ってしまうのです。
例えば、買い物に使うクレジットカードは、悪用されてしまうと大変なことになります。
携帯電話は簡単に何を話しているのかを聞かれてしまいます。
暗号は今や欠かせない技術なのです。
「そして、なぜ数字が使われているかというと、コンピュータが計算がしやすいから
2進法というものが使われているんだ」という話を聞きました。
だから、暗号化するために計算を始めとした工夫がなされているということです。
近澤さんにが帰った後、子ども達は
「ここらへんに電波が飛んでいるのかな?」
「ここにも電波があるんだよね」
と、見えない電波を想像して、とても不思議に感じていました。
目に見えない情報に暗号が使われていること。
考えてみれば、おもしろいものです。
TK
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