特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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見ているようで、見ていなかった・・・

今週のテーマは朝6時の新宿歌舞伎町のカラス観察からスタートです。
子ども達ははりきって出発です。

見ているようで、見ていなかった・・・_01見ているようで、見ていなかった・・・_02近づくのをためらう子もいましたが、カラスはイメージと違って、意外に警戒心が強く、人間が近寄れば、いったん建物や街路樹の上へ舞い上がり、ちゃんと人間を観察していて見張っていると降りてきません。
こうして実際に見に行くと、いろいろなことに気がつきます。
カラスの歩き方、飛ぶ時の足の様子
尻の方はどうなっているか、着地する時の様子
何を食べているか、鳩との違いは・・・

先週、カラスの見た目を思い出して絵を書いた二人ですが、2人ともくちばしの色に自信が持てず、黄色で描いていました。
実際は・・・・「くちばしは黒だ!!」
見ているようで見ていなかったことを実感する瞬間です。
そしてもう一度描いた絵は・・・・経験に基づいて細かいところまで意識した前回とは全く違うカラスの姿!

カラスの食事風景観察から
「油あげをくわえていたよ!」「お肉みたいなのを食べてたよ!」
キーワードとして「油」と「肉」が上がってきました。
このことを確認し、テーマの最初にあがってきた疑問、
「カラスは人間が捨てたゴミを食べるけど、上にバケツをかぶせれば食べられないんじゃない?」
「カラスがマヨネーズの入れ物を突っついてマヨネーズが飛び散っていたけど、何のためにするんだろう?」
を確かめるために実験をします。
カラスになりきって演技しながら結果を予想をしていくうちに、意見が二つに分かれました。
・カラスは『目』で餌を認識している
・カラスは『鼻』で餌を認識している。

見ているようで、見ていなかった・・・_03見ているようで、見ていなかった・・・_04とりあえず、バケツ実験のための餌は、においを出すために、「油で肉をいためる」ということに決定しました。
早速スーパーで肉を選びます。
「アブラが多いのにしよう!」
餌作りを開始すると二人の思惑通り、スクール中にいいにおいが漂います。

スクールの屋上で、早速実験開始!!ところが・・・。

見ているようで、見ていなかった・・・_05肉を置いたことに気づいてもらうまでに40分、
やっとやってきたカラスですが、やはり警戒心が強く、屋上のフェンスにとまるものの、なかなか降りてきません。
子どもたちは食べる真似までしてアピールしましたが
結局バケツありとナシの違いを見ることはできませんでした。
今日学んだこと・・・
・カラスは警戒心が強い
・スズメは豚肉を食べる
・何かを研究するって大変だ!

そして今度こそカラスがたくさんいる場所で実験をするぞ!!
ということで、翌日この辺ではカラスが多い和田堀公園へといざ出陣です。
ここで、子ども達は期せずしてすごいものを発見してしまったのです!?

見ているようで、見ていなかった・・・_06
実験場所を探し、うっそうとした林を歩いていると、一人の子が
「カラス小屋発見!!」みんなで見にいくと、なんと増えすぎたカラスを捕獲するための捕獲小屋が2つ、中には、わなにかかってしまったカラスが10羽ほどバタバタと飛び回っています。
子どもたちは「カラスの家」だと思っています。
来週、いろいろ話し合うために、じっくり観察します。
「カラスたちは何をしているんだろう?」
飛び回るカラスを見ながらこのつぶやきが何度も聞かれました。


さあ、いよいよ『見た目国』から、さらに深い場所へと探究が進んでいきます。
「今日は、『喰う共和国』がすごく広くなったね!」
たくさんの収穫物を持っての帰り道となりました。

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