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「力とはさみは使いよう」3年4年生 テーマ学習 〜レポート

 

 

 

 

 

【探究領域】万象究理

【セントラルアイディア】力に理あり、実理に利あり。

<テーマ学習> 〜レポート

色々な実験を通して、力の「理」を学んでいきます。

 

<重力・位置エネルギー>

まず最初の実験は、ビー玉転がしチャレンジです。

地球には重力があるので、地球に引っ張られて物は落ちる。

スロープを10度から50度までの5度刻みで設置し、ビー玉のスタート地点が床から何センチだと、1mから1m10cmの的内で止まるかを実験しました。

 

高さを微調節して何度もトライ!

的の中で止まった時は喜びもひとしおです!
 

結果、2チームを除いて10度〜40度のスロープでは、いずれも高さ7.5cmだと的の中で止まりました。(40度を超えると、ビー玉がカーペットでバウンドしてしまい、エネルギーロスが出るので、より高い位置からでないと成功しませんでした。)

「位置エネルギー」の大きさは高さで決まることが分かりました。

ピタゴラ装置では、位置エネルギーを上げればよりたくさんのことができそうです。

 

<摩擦力>

では、2チームの結果はなぜ違ったのでしょうか?そこにも「理」があるはずです。

角度と高さの条件を合わせ、同じスロープとビー玉を使って実験したので、違いが出るとしたらカーペットです。結果の違った2チームは一番端っこだったので、真ん中のよく踏まれるところと比べて転がりにくいのではないかという仮説が上がりました。

物と物が擦れ合うときに生じる「摩擦力」の「理」を調べるために、色々な素材の上にブロックを置き、だんだん角度を上げていってブロックが滑り始めた角度を実験して比較しました。

 

今回も分度器が活躍です。

 

結果、ツルツル・サラサラした素材は滑りやすく(摩擦力が少ない)、ザラザラ・ギザギザした素材は滑りにくい(摩擦力が大きい)ということが分かりました。

ピタゴラ装置で、摩擦力はスピードのコントロールに役立ちそうです。

 

<重心・てこの原理>

おのけんの理科とコラボし、まずは物の重心を探してみました。

木の棒、ほうき、おたまなど、左右の重さが同じになって指1本でバランスがとれるポイントを探します。

 

次に、天秤を使っておもりを吊るす場所や重さを変えて、左右が釣り合うかどうかを調べます。

中心の支点からおもりの場所が遠いと重く、近いと軽くなるということが分かりました。

 
これを応用して、てこの原理のポイントである「支点」から、「力点」、「作用点」の位置を変えて、木の棒で水のタンクを持ち上げてみます。

みんな、「全然重さが違う!」と、てこの原理を体感して学ぶことができました。

 

てこの原理は、ハサミやピンセット、爪切りなど、さまざまな物に応用されています。

ドアもてこが応用されていて、付け根の部分を押して開けるとなると かなりの力が必要です。


アートでも、てこを使ったおもちゃを作りました。

スプーンの柄を違う長さのところで固定し、丸めた新聞紙を乗せてはじきl、飛び具合に違いが出るか遊んで実験してみました。

 

 

<ピタゴラ装置 試作>

みんな早く力の理を生かしたピタゴラ装置を作りたくてウズウズしていたので、まずは試作を作ってみることに。

 

まだ重力、位置エネルギーを使った装置がほとんどですが、ここからどう進化していくか、楽しみです。

<輪軸・滑車>

2回目の理科とのコラボでは、輪軸と滑車についていろいろな実験を行いました。

まずは、滑車と同じ部品を使ったグライダーです。

ポイントは、左右の重さを同じにして、バランスをとること。位置エネルギーを利用して、滑降させることができます。

 

 

 

 

 

 

輪軸はどういう仕組みか学ぶために、バットを使って力比べをしてみました。

まずは人数を半々に分け、バットの細い方と太い方に並びます。

各サイドから一人ずつ出て、バットを反対に回そうと勝負します。そして、負けたら反対側の列に並ぶ。

これを繰り返していくと、最終的には全員バットの太い方に集合するという結果に。

軸が太い方が、細い方より小さな力で回すことができる「輪軸」の「理」は、ドアのぶや鉛筆削りなどに応用されています。

滑車はエレベーターやクレーンに応用されています。

固定された「定滑車」と「動滑車」があり、支えるロープが1本だと持ち上げたいものと同じ重さ/力で上げることができますが、ロープが2本になると半分の重さ/力で持ち上がります!

ロープを増やせば増やすほど、より小さな力で重い物を持ち上げることができるようになるなんて、すごい「利」ですね!

 


<科学技術館>

今まで学んだ力の理をふまえて、科学技術館へ行ってみました。

重たい鉄球を動かす装置が部屋いっぱいにあり、それ以外にも様々な力の理を応用した装置がたくさんあります。

みんな興味津々で装置を動かしてみて、どんな力の理が使われているか、仕組みがどうなっているか探りました。

輪軸
 

てこ
 

弾性力
 

浮力
 

ふりこ

滑車

遠心力
 

自分たちのピタゴラ装置に活かせそうなアイディアは得られたでしょうか?

<ふりこ>

理科コラボ3弾は、ふりこです。

科学技術館で少し体験しましたが、まだ理は分かっていません。

ふりこが往復するのにかかる時間は、何で変わるのでしょうか?

「ふりこの重さじゃない?」

「ふりこの大きさだよ」

「ひもの長さなんじゃない?」

と、色々な仮説が出てきました。そこで、10往復する時間を計って検証してみることに。

ここで大切なのは、条件を1つだけ変えていくということです。

2つ変えてしまうと、何が要因なのか分からなくなってしまいます。

 
おもりの重さを変えたり、ひもの長さを変えたりしながら、10往復にかかる時間を計ると、どうやら重さではなく ひもの長さが関係しているようです。

そこで、おのけんが長さの違うひもに 同じおもりをつけ、実験。ひもが短いとふりこは速く揺れ、ひもが長いと遅くなります。

 

ひもをうんと長くしたらどれくらい時間がかかるでしょうか?

ふりこは、おもりを離した位置をこえては戻ってこないはず。ということで、顔に当たってしまわないかも実験しました。

<ピタゴラ装置>

色々な力の理を学んできました。ついに、それらを応用して自分たちの装置を作成します!

 

装置の条件はこちら。チームで協力して、最終的には全員の装置をつなげてひとつの大きな装置を作ります!

 

毎日ランチタイムに上映していたピタゴラスイッチからも、たくさんアイディアを得ることができたはずです。

 

できるだけたくさんの理を入れた方が面白くなるので、まずはチームで集まってどの力の理を使いたいか相談します。

 そして、全体で1回は位置エネルギーを上げるというミッションもあるので、誰がどこでその役割を担うかも大切なポイントになってきます。

 

各自の装置を作りながら、前後のつながりも考えなくてはいけません。

 

再現性を高めるために、何度もうまくつながって作動するか確かめ、微調整しながら位置を決めていきます。

この作業にとても時間がかかり、時間的にギリギリになりましたが、なんとか全チーム完成!

本番で上手くいくかドキドキです。

<プレゼンテーション>

 

練習では何回も上手くいったにもかかわらず、本番ではつながらない場面が多く、再現性を高めるのは難しいなと思い知らされました。

プレゼン後、装置について解説するチャンスもあり、より近くで見てもらうこともできました。

 

壊してしまう前に撮影会もしました。

 

6週間、様々な力の理を学び、その「理」が「利」として活かされ、私たちの生活をより便利にしてくれていることを知りました。

これからも身の回りにあるたくさんの「理」に注目しながら、学び続けていってほしいです。

 

YH

 


(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2024年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

 

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