特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

東京コミュニティスクール

03-5989-1869

school@tokyocs.org

〒164-0001

東京都中野区中野1-62-10

東京コミュニティスクール

「銀河鉄道に乗って」6年生 テーマ学習 〜レポート

 

【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】私たちの想像力と知恵が、未知に道を切り拓く。

<テーマ学習> 〜レポート

この時空因縁の探究領域では「私たちは環境と時代の変化にどのように適応していくのか?」ということを探究していきます。1年生の「紅葉山みっけ隊」では身近な公園という”空間”にある限りない発見や疑問を見つけ、2年生の「ココドコ」では地図を片手に”空間”を中野に広げて俯瞰する視点と自分視点を手に入れ、「東京発見伝」ではさらに”空間”を東京に広げつつ目に”見える手がかり”を入り口に”目に見えない”歴史と現在の繋がりを知り、「We love 遊」では子どもの遊びにフォーカスして親・祖父母世代との遊びの共通点と相違点を知ることから”目に見えない”歴史や社会との繋がりを実感し、「世界フード記」では”空間”を世界に広げ、世界の風土とフードの関係性を学習してきました。

そして集大成である本テーマ学習では”空間”を”宇宙”に、そして”時間”を”未来”に広げて「私たちの想像力と知恵が、未知に道を切り拓く。」というセントラルアイディアに向かって探究していきます。

 テーマ学習初日はまず「宇宙について知っていること・イメージすること」についてそれぞれに書き出してから共有してもらいました。やはり7人の先行知識を語り合うことで発見から次なる発見と疑問がどんどん広がっていきました。

Rさん:宇宙にはなんでも吸い込むブラックホールがいくつかある。写真もある。穴?一週間は星の名前から来ている。アポロ11号。宇宙服は7時間しかもたない。宇宙は大きくなっている。ビッグバンからできている。地球は一日一回転、一年で太陽を一回転。

Sさん:水星は気温差が激しく人が住めない。木製はガスでできているから模様がある。星がいっぱいある。宇宙は無重力。人工衛星が思い浮かぶ。アメダスやひまわり。太陽系。月は風や雨がなく地形が変わらない。クレーターがある。月は地球に同じ面を見せている。国際宇宙ステーション。月は楕円型に回る。

Kくん:月の重力は6分の1。地球は青かったと言ってた人がいた。ビッグバンが138億年前。地球ができたのは46億年前。太陽系がある。地球は3番目の星。天の川銀河にある。恒星は自ら光流。その周りを惑星が周り、その周りを衛星が回る。他に小惑星がある。

Mさん:アポロ1号は月の帰りに爆発してしまった。地球に陰性が落ちそうになった時に、石を当ててコースをそらした。光を見ても今は星はないかも知れない。太陽の33億倍の大きさのブラックホールがあるらしい。ブラックホールの中にすでに吸い込まれているらしい?宇宙人はいると思う。欲張りセット(太陽系も含む銀河のセット)が何個もあるのが宇宙だという仮説。人間が存在しなければ宇宙は存在しないものと同じ。地球は生きているかもしれない。

Tさん:宇宙飛行士の野口さんは、宇宙人は100%いるが200%会えない。進んでいる科学を持っている宇宙人はわざわざ次元が低い地球へ姿を見せないはず。イーロンマスクが宇宙に関して起業している。木星は太陽が無ければ太陽になれるはずの星だった。土星の輪っかは宇宙ごみや水素や元素の集まったもの。気象衛星が地球に落ちてこないのは、地球が球体だから外周を回り続ける。昔はアリストテレスの天動説であった。ガリレオガリレイが地動説を唱えた。黒点。クレーターにはそれぞれの名前がある。

Dくん:宇宙食は色々な種類があり、カップ麺が多い。宇宙で焼きそばのUFOを食べるのはおもしろい。太陽系以外の星は暗号みたいな番号がつけられている。木星はガス星。降りたてず、すぐに死んでしまう。土星は輪っかがある。月は土地が安価。水星は太陽に一番近い。太陽は地球の109倍。

Yくん:星小さいのも大きいのも両方ある。恒星を回っているのが惑星。宇宙に行ったら年齢のとり方が変わる?宇宙には有毒ガスがある星がある。人間は何度か月に行ったことがある。

このテーマ学習では宇宙の不思議について多くのことを学んでいきます。まずは私たちが住む太陽系について他の惑星の特徴の違いを学習していきました。そしてみんなが興味津々であるブラックホールについてNHKのコズミックフロント☆NEXT「見えない天体!ブラックホールの闇に魅せられて」を視聴して明らかになってきたブラックホールの存在に関する最先端の研究やそこから導き出された仮説について知ることができました。

 

4/27(木)はAMに「宇宙の達人」として宇宙飛行士インストラクターの岡部明海さんに特別授業をして頂きました。

宇宙空間とは実際にはどのような環境で、宇宙飛行士たちはどのようなミッションを抱えて宇宙に飛び出しているのかということを身近な疑問を一つずつ解明していくような流れでお話しして下さいました。

「宇宙での食事はどんなものを食べているの?」

「宇宙の無重力空間でのトイレはどうするの?」

「宇宙で水を絞ったらどうなるの?」

など子どもたちとやりとりを楽しみながら授業が始まりました。宇宙食といえばやはり嵩張らないように、そして調理に時間がかからないようにフリーズドライの食料がメインであるとのことでした。サマーキャンプでの経験もあるので想像しやすいのがありがたい。

お話によると、たまにISS(国際宇宙ステーション)に届く物資の中に生鮮食品やフルーツなどが含まれていてそれが宇宙飛行士たちのお楽しみになっているとのことでした。

また先日14年ぶりに日本人宇宙飛行士になった2名についてお話をお聞きしながら、なんと宇宙飛行士になるには2/4000人の倍率という非常に狭き門であることを知りました。一方で民間でも宇宙旅行が少しずつ始まってきていることや宇宙飛行士のサポートを行う宇宙管制官たちの仕事など実際に宇宙へと繰り出す宇宙飛行士以外にもたくさんのサポートする人たちが連携し合って宇宙飛行士インストラクターの仕事が成り立っているのでさまざまな宇宙との関わり方があるという視点を広げて頂きました。

 

続いて、三鷹市にある国立天文台を訪問しました。理論・観測の両面から天文学を研究しているこちらの施設は前身である明治時代に麻布に建設された東京天文台が夜の明かりが天体観測に適さなくなった大正時代に、現在の三鷹へと移転されることになりました。

まだCOVID-19の影響も残り、全施設が見学可とはなっていませんでしたが、電波望遠鏡や重要文化財となっている子午儀を見ることができます。想像以上に広大な敷地での観測・研究施設の見学は宇宙へのワクワクと通ずるものがありました。

こちらで触れたものもこれから創作する宇宙SF劇でのアイディアに素敵なスパイスとなることでしょう!

 

   

いよいよ6年生たちはプレゼンテーションに向けて宇宙SF劇のストーリーを考え始めていきました。

まずは大まかなストーリーラインをそれぞれが創作し、みんなに共有しました。その際「書く」の授業で使用しているストーリーの型を使っていきました。

 

それぞれのストーリーを話し合うのが楽しすぎて想定よりも随分時間がかかりましたが、かなりディテールまでストーリーを想像しているところがみんな素晴らしい◎だからこそ一つのストーリーに絞ってからみんなで肉付けする際に面白いアイディアがどんどん湧き上がってきます。

 

個々の提案を全体に共有してから「劇」という表現方法に相応しいストーリーを話し合ってなんとか一つの流れを決めることができました。

ストーリーの筋が決まった後は、劇のシナリオを詳しくみんなで創作していきます。

「ナレーターが時代背景や場面の説明をしていくところから始めていけばいいんじゃない?」

「じゃあ設定は何年にする?」

「何がきっかけで宇宙に飛び出すことにする?」

「ボイジャーに返事が届いて、その宇宙人に会いにいくのはどうかな?」

「地球が異常気象で住めなくなるから移住先を探していたところボイジャーから返事が来るっていうのはどう?」

「面白いかも!でも異常気象だけじゃなくて人口爆発も重なって資源も食料もどんどんなくなってしまうというのはどうかな?」

「ボイジャーだとパクリになっちゃうから、日本が送ったポイジャーの返事が来ることにしようよ!」

「いいねー!」

6年生たちのチームワークを発揮してどんどん脚本が緻密に編まれていくのがさすがです。役割分担も行って細かなセリフも考えていきました。

「あとは実際に演じながら必要そうなセリフやスライドや効果音なんかを考えていこう!」と私。

さあ、そしていよいよプレゼンテーションが近づいてきました。

それぞれの役になりきって何度も劇の練習を行い、その都度改善点がアップデートされていきました。

本番では大きな声でみんなに伝わるような演技で、セントラルアイディアである「私たちの想像力と知恵が、未知に道を切り拓く。」を体現する内容を味わってもらうことができるのでしょうか!!

~~~~~~

プレゼンテーション

プレゼンテーションでは7人が自分の役になりきっていきいきと演じきることができました。

大きな声で滑舌よくセリフを表現することや観客席を向く目線を意識することなども練習以上に意識していることが伝わりました。

そして何より感激したのは、プレゼン後のQ&Aに彼らの宇宙へのプレイフルネスが存分に溢れていたことです。

私たちが住むこの不思議な宇宙について6週間とことん向き合うことができ、その道のプロから教えを受け、またみんなでじっくりと資料や作品を鑑賞した上で語り合って様々な伏線を回収し、この劇を想像力をフルに使って仲間とコラボレーションして創造してきたからこそ話したいことが溢れるように出てきたのでしょう。

まだまだ宇宙の探究は始まったばかりです。生涯かけてワクワク興奮しながら、この宇宙の不思議を解き明かしていきましょう◎

YI


(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2023年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

Comments are closed.
アーカイブ