【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】人間の知恵が新たなエネルギー資源を創り出す。
<テーマ概要>
人類は二足歩行によって自由になった「手」で道具を使うようになり、火を利用するようになりました。それまではあくまで自然現象でしかなかった燃焼を自在に操る技術を身につけた人類は、明かりや暖房、調理や獣への防御などの目的にその利用の幅を広げていきます。さらに風や水などの自然の力も積極的に活用するようになり、帆船や風車、水車などの発明を通じて人類の生活水準の向上と活動範囲の拡大はさらに進むことになりました。
現代でいうところの「再生可能エネルギー」に頼っていた生活ですが、薪の原料の植物は成長に時間がかかり、風や水は天候に左右される不安定なもの。そうした中で石炭の発見を迎え、より効率のよいエネルギー源である化石燃料を手にします。多くのエネルギーを得た人類はさまざまな機械を導入し、蒸気機関の発明などからさらに大量の資源を求めることとなりました。電気を作る発電機が発明され、その便利さからエネルギーの利用は急激に増加。石油や天然ガス、原子力など新たなエネルギー資源を得てはさならる”便利さ”や”快適さ”を求める欲求のままに大量消費の時代へと突入してきました。
天然の資源は有限です。人類はその貴重なエネルギーから現在の豊かな生活を得た一方で、環境破壊、地球温暖化、気候変動という結果も同時に抱えることとなりました。そうした状況を打開すべく代替エネルギーや再生可能エネルギーの研究や開発に取り組んでいますが、未だに多くの課題があり、その歩みは遅々としたものです。
今回のテーマでは多様なエネルギーの中で「電気」に焦点を当てます。現在の私たちの生活はどれだけ電気に依存し、そしてどれだけ消費しているのかを明らかにしながら、そうした生活がどれほどの資源を必要としているのかを学んでいきます。電気を生み出す発電方法やその課題を知り、私たちのもつ欲求と向き合いながら限りある資源をどのように活用していくのかを探究していきます。
私たちの求める未来はどのようなものなのでしょうか?そこにはどれだけのエネルギーや資源を必要とするのでしょうか?そして枯渇してきている地球の資源を使いつづけるのか、はたまた使わずに新たな道を探すのか。さまざまな葛藤のなかで、人類の未来のために私たちはどのような選択をして行動していけばいいのでしょうか。このテーマを通じて私たちが取り組むべき課題とそれを克服するための手段を探究していきます。
KO
—
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)