【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】この地には歴史が刻まれている。
<テーマ学習> レポート
東京ってどんなところ?から始まったこのテーマ。
第一週は東京についての先行知識を確認しながら、実際に痕跡探しをすることで身近な所に過去を探るヒントがあることに気づきました。
では、いよいよ東京の歴史を探る旅に出ていこうではないか!
とその前に、そもそも東京っていつから東京なのだろう?それがわかれば自ずといつ頃の歴史を探るのかが見えてくるはず…!
「東京って1868年に決められたらしいよ」
「明治時代になってからか」
「その前は江戸だったんだよ」
「いや、もっと前は武蔵の国って呼ばれてたんだよ、神話で出てきた!」
読む、の時間に学んでいる神話も合わせて、話が広がっていきます。
調べていくと「東京はトウケイと読まれていた」こともあるらしい。
「京王線とか京葉線とか京をけいってよむのはそこからか!?」
そんな一幕も。実は名前にも痕跡があるのでは…!?
時代を経て名前も姿も大きく変わってきた「東京」、その歴史を遡ってみると徳川家康という人の存在が大きい、という声があがってきました。
どうやら「江戸」を作ったのがその徳川家康らしい。
じゃあ徳川家康の痕跡ってどこにあるんだ!?
「地図をみてみようよ!」というRくんの掛け声でみんなで地図を見てみました。
これみて!「江戸川区」ってある!江戸だ!と声が上がりました。
「ほんとだ、江戸って入ってる!きっと江戸と関係あるよ!」
「千葉の方に江戸があったのかな」
「徳川家康の家があるんじゃないかな」
各々iPadも使用し、徳川家康の家を探すことに。
「江戸城って出てきた!お城に住んでいたんだよ!」
「お城ってどこにあるんだ!?」
「えーと、ここ!」
東京駅に近いぞ?江戸城じゃなくて「皇居」って書いてあるぞ?でも古地図では「御城」と書いてあるぞ?どういうことだ!?
「徳川家康から天皇がお城を奪い取ったんじゃない?」
「いやいや、ちゃんと買い取ったんだよ」
「家康が死んでから城が空いて、そこに引っ越したんじゃない?」
「天皇に聞けば早い!皇居に行こう!」
…..そんなやり取りもありながら、痕跡探しの旅、最初の行き先は皇居周辺に決定!
ーーー皇居周辺フィールドワークーーー
当日はあいにくの雨…ですが、子ども達の気合は十分!出発です!
今回のフィールドワークの出発点となったのは東京駅。改札を抜けて南口の造形に見惚れつつ、地図を出して場所を確認していると、
看板がある!とRくんが発見。
どうやら立ち止まっていた南口は原元首相の遭難現場でもあったのです。いきなり大きな事件の痕跡を見つけ盛り上がる一同。痕跡探しに気合が入りました!
皇居は東京駅から西にまっすぐ進めばいい!とのことで歩いていると、見回してもビルだった景色がひらけ、石垣、お堀、橋などが目に飛び込んでみました。
「石垣、しっかりしてそうだけど、なんか所々崩れそうじゃない?」
「あっちに古そうな橋がある!渡ってみよう!」
「木は古そうだけど、歩くところは整備されている気がする」
見つけたものをじっくりと観察し、それぞれの発見を語ります。
橋を渡った先には看板があり、みんなが大きいと見上げていた石垣は門の跡だったと判明。火事かなにかで門の上のところは壊れたけど、石垣は丈夫だったから残ったのでは?確かに、石は燃えないもんね〜。と話合いながら、過去の様子を想像していました。
さらに進むと今度は建物が!
「お城だ!」「いや、お城はあんなに小さくないよ!」
「天皇の家なんじゃない?呼んでみよう、天皇〜!!」
大声を聞きつけて警備員の方が来てくださり、事情を聞くと「天皇陛下には会えないけど、江戸の痕跡なら東御苑にいってみたらどうかな?」と提案してくださりました。
大手門から入れるとのことで、地図を確認して移動。
大手門にも警備員がいて、手荷物検査をして通過することができました。
「当時もこんな感じで検査していたのかな?」
「絶対そうだよ、だって敵のスパイとかいるかもしれないもん!」
門の大きさにもびっくり。また、門は二重になっていて、上からは入ってきた人を見下ろせるようになっていました。
「あそこからのぞいていて、敵が来たら鉄砲で攻撃するんだよ!」
同心番所、百人番所、大番所と「番所」が続きました。
どんどん豪華になっていない?
それくらい偉い人が将軍を守っていたんじゃないかな?
これだけ見張られてたら、攻めにくいよね。
そんな会話が出るほどに、たしかにここをすり抜けて侵入するのは容易ではない、と感じる道。また、天守台へ続く道も曲がりくねっていて勢い任せで駆け上がるのも難しい。そんな工夫を感じました。
この辺はびっしりと石垣が詰まっている!
綺麗に四角になっているのが多いけど、なんか模様みたいになっているね。
こんな高いところまで石を運んだのか….
大手門をくぐってからは上り坂が続き、そんな坂の上に大きな石を運び上げた、それだけでもいかに大きな工事が行われたのかが感じられます。
江戸城天守の復元模型の前で一枚!
本来は80mにもおよんだ天守。その細かい造形をじっくりと観察していました。
隣の休憩所でお昼休憩。しっかりと栄養補給!休憩所の中では、今日はお会いできなかった天皇陛下の映像を見ることができました。
昼食後は腹ごなしにかけっこ。小雨ということもありほとんど人はいません。広い場所で走り回れて、気持ちいい〜!
その広場ですが、天守についてみるとびっくり。なんと本丸と呼ばれる御殿跡地だったのです!
どうして跡形もなくなってしまったんだろう?そうした疑問はぜひ、これから調査して深めていきたいところです。
さて、御苑を後にして、皇居の周りを歩いてみます。
すると「あ、東京駅だ!」との声が。みてみると、旧近衛師団司令部庁舎とのことで、赤レンガ造りで見間違い。
またその後も法務省旧本館も赤レンガ作りで東京駅と見間違い。
この辺り、赤レンガの建物がちらほらあるのはなぜだろう、建てられた時期が同じなのかな?そんな疑問も生まれていました。
皇居の南側には警視庁や国会議事堂などなにやら重要な建物がずらり。地図を見ながら「やっぱり天皇を守るためなのかな」「天皇が中心だから近くに作ったんじゃない?」など想像を膨らませていました。
警視庁があるのは桜田門のすぐ前。
この桜田門はしっかりと櫓が残っていますが、警備員はいません。警視庁の前だからかなぁ?そんなことを考えつつ、じっくり見てみると、戸に落書きが。
柵があり手の届く距離ではないので、もしかしたら昔の人の落書き!?
TCSでは電子黒板に落書きして問題になっていたことがありました。となると江戸城の門に落書きなんて大問題!?いったいどういうことだろう!
電車の時間が迫り、少し急ぎながら大名たちが暮らしていた土地を通過。今は綺麗に整備された公園になっています。
そしてビル街を通り東京駅へ。一日中降ったり止んだりの天気ではありましたが、ぐるっと皇居の周りを散策することができました。
雨の影響もあり行程がゆっくりとなり、もう少し見たかったところもありますが、今回はここまで。翌日はそれぞれ振り返りながら気になった痕跡について「旅日記」としてまとめていきました。
江戸時代、今から150年以上前にも遡る時代ですが、その痕跡はまだしっかりと残っていることを実感したキッズたち。
来週のフィールドワークについて下調べをしながら、さらに色々な痕跡を探しにいきたいと思います!
KO
—
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)