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「信じるカネ?」4年生 テーマ学習 レポート1

【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】私たちは経済活動の担い手である。

<テーマ学習> レポート week 1

夏休み明け早々ではありますが、夏休みの余韻にのんびり浸る間もなく(笑)
すぐに、今年度3つめのテーマ学習が始まりました。

今回のテーマは「信じるカネ?」。探究領域は、”社会寄与”です。

みんなお待ちかねのテーマタイトル発表をしたあと、
歴代の先輩たちが行っていたプレゼンテーションを思い出してもらい、
このテーマについてどんな印象があったか、手始めに聞いてみました。

「なんか夢のこと話してたよね」
「自分の人生のことを考えてた」
「お金のこと話してたよね。時給高いバイトするって話してたの覚えてる!」
「小学校の先生より中学校の先生の方が給料高いとか言ってなかった?」

なるほど、自分の夢や人生の目標を考えながら具体的な数字に落とし込み、生きるためにどれくらいのお金が必要か、なんてことをプレゼンしていたのが印象に残っていたようですね。でも、自分のことをとことん見つめていくならば、それは「自主自律」領域になってしまいます。このテーマは、「社会寄与」である。ここがポイントになってきます。

すると、「信じるカネ?の最後の文字にあるけどさ、やっぱり「おカネ」に関することをやるんじゃない?」と、一人のキッズがぽつり。

それならば!と、こんな質問から始めてみることにしました。

「お金って、なに?」

自分で投げかけておきながら、なんとも漠然とした大きな質問であります。
子どもたちも一瞬、「・・・」と考えながら、今一人ひとりが思っているイメージを挙げてくれました。

 

模造紙をみてもらうと一目瞭然かと思いますが、4年生たちは実に多様な視点で「お金」を捉えているということがよくわかります。

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・生活に必要なもの(D君)
・利益と損失(KO君)
・人間が物々交換のためにつくったただの紙くずと鉄くず(KT君)
・モノの価値を定めるモノ(Tさん)
・物々交換の代わり(Mさん)
・オークションみたいなもの(Sさん)
・生活するために必要なもの(Y君)
・つくればいくらでもあるけれど、何かしないともらえないもの(Rさん)

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実は「お金はいらない」という意見も出てきて、「お金は必要か不要か」という議論に。そこから、お金にまつわるアレコレに話が飛び火していきます。

値段に、9をつけるとなんとなく安く思えてしまうこと。
実際は安いものを、高く上乗せして値札が書かれていること。
でも値段は決まってると思いきや、値下げの交渉ができること。
安いもの買ってあとから後悔するならちょっと高くてもいいものを買いたいこと。
お金はたくさんつくれるだろうけど、もしかしてたくさんありすぎると価値がなくなってしまうのでは?などなど・・・・

誰かが話せば、またそこに誰かが話をつなげる。初日なのにディスカッションは大いに盛り上がっていき、需要と供給、インフレやデフレ、株価の変動といった知識をもつ子が、さらに話をつなげてくれます。けれど、まだ自分たちでお金を稼ぎ、それで生計をたてたことがない子どもたちであります。

そこで、今回のセントラルアイディア
「私たちは経済活動の担い手である。を提示してみることにしました。

 

「担い手」は、担当という漢字が入ってるという着眼点をもとに、参加している、任されている、でも自分一人だけじゃなくて全体の中でそれを支えている、一員である。 それがみんなの共通認識であることに驚きました。一人で全部やっているわけじゃない、というところで、彼らなりに社会とのつながりを無意識に感じているのかもしれません。


そのうえで「経済活動」という言葉を考えていくと、国や世の中のためにすることといったスケールが大きなイメージを抱く子も多い中、「経済は回るって言うよね」と一人のキッズが言いました。

お金を使う具体的な場面を挙げ、
「自分がもらうお釣りは前の人が払ったお金であること。それがぐるぐる回ってるとしたら、水みたいに循環してるんじゃない?」と語ってくれます。

「でももしそうだったら、貯金するだけじゃ回らないじゃん。お金を使おうとしなければ回らないんじゃない?

お金というものを通じて、世の中はつながってまわっているという関係性を、テーマ「Be Water」になぞらえて話す4年生たち、さすがだ、やるなぁ!!

だとしたら、その循環のはじまりってどこからなんだろう?
お金のはじまりは? なんでお金が生まれたんだろう?

この疑問をこどもたちに投げかけて、まずは仮説を立てる(予想)をしてもらいました。そのあと、自分たちが立てた仮説(予想)がどうだったか、今回は資料の読み込みと、現場現物をみるフィールドワークを通じて、検証していきたいと思っています。

 

そこで、1週目の最後に、日本橋にある貨幣博物館に行ってまいりました。

日本銀行の金融研究所内に設置されており、入場する際にはボディチェックや荷物チェックなんかもあって、「うわぁ空港みたいでドキドキする!!」と、テンションあがりぎみの子どもたち。

館内には、日本で初めての貨幣・富本銭(富本銭)や、金貨・銀貨、藩札(各地方が発行したオリジナルのお札)、時代によって使われていた財布、はたまた各時代を取り巻く金銭や経済状況、移り変わりの説明などがあり、加えて本物がたくさん展示されている中をじっくりとみることができて、本当にあっという間に時間が過ぎてしまいました。

濃密すぎていろんな情報がうわっと頭に入ってきた子どもたちではありますが、
来週からは、もう一度じっくりその歴史を紐解きながら、「お金」「経済」について知識を深めていきたいと思います。

最後に、「何もみないでお金の絵を描く」というミッションに挑戦した子どもたち。 それぞれのイメージをアップしておきますね!(笑)

 

MK

(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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