【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】私たちは経済活動の担い手である。
<テーマ学習> 概要
今年のサマーキャンプで、煮込み料理対決をした子どもたち。予算内に収まるよう材料を吟味している中でよく聞こえてきたのが、「これは安い」「これは高い」という言葉でした。自分でお金を稼いだことのない子どもたちでさえ口にする「安い/高い」という比較検討ですが、コンビニやスーパーでの小さな買い物から、車や家といった人生においての大きな買い物に至るまで、大人はこの感覚と自分の財布を、常々突き合わせていく作業を積み重ねているはずです。
「買うか、買わないか。」言葉にするととてもシンプルではありますが、その「決め手」となるものは一体なんなのでしょうか。超絶技巧に見えるこのお皿が、なんでこんなに値段が安いんだろう?逆に、古くさく見えるこのお皿が、なんでここまで値段が高いんだろう? 目には見えないけれど、お金やモノの裏側にある背景に目を向けたとき、硬貨や札束の数字ではなく、その中に入っている「価値」に気がついてくるでしょう。そこでようやく、買う/買わないの決断をしていると考えると、わたしたちが行っている買い物という行為は、互いを信用し価値を交換しあっているということ。その証として、お金をつかっているということなのです。しかし、そこで好きなものを好きなだけ買い、いらなくなったらすぐに捨てるという行為を何気なく続けているとしたならば、それは本当に価値を交換しあっていると言えるのでしょうか。
低学年時のテーマ学習「おたがいさま」で、わたしたちが身を置いているこの社会は、目に見える場所・見えない場所で複雑につながりあい循環していることを学んできました。同様に、自分たちは「受け手」であり「施し手」であるという両側面があることも知っています。そんな「ありがとう」「おたがいさま」の精神に、社会経済がよりよく循環していく本質があるとしたら、お金をつかって買う「モノ」に対しても責任があるはずです。
そこで、フリマアプリを通じ「自分は使わなくなったが、捨てるにはもったいないもちもの」を実際に出品してみることで、それがどう購入に結びつくのかを体験します。 自分がなぜそのモノを持っていたのか、どんなふうに使っていたのか、それをなぜ他者へ渡そうと思ったのか、「自分のもちモノ」について紐解いていくことで、モノの価値を様々な視点から考え、利益の仕組みを学びながら価値をつけていくことに挑戦していきます。今の自分にとっては役割を終えたモノでも、どこかの誰かにとっては今必要なモノかもしれない。その価値を、どう次につないで循環させていくか、社会の仕組みの体感までを目指します。
MK
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)