【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】自分視点と俯瞰の往来が理解と判断を助ける。
<テーマ学習> レポート
テーマ学習「ココドコ」は、近年単学年で実施しています。そのため、昨年度の2年生の様子を見ていたり、上級生からも「ココドコやるんだー、面白いよー。」と声をかけられたりしています。始める前の時点でどんな先行情報を持っているのか聞いてみました。
「ココドコってさー、いろんなところに行くんでしょ。」
「マップにするテーマ。」
「ココドコ?ってなっちゃだめなテーマだと思う。」
大まかな流れは想像がついていることがわかります。実は、今回のテーマ学習は、ココドコ?ってなってもらいたい学習でもあるのです。進む方向に自信がなかったり、わからなくなったりしたときにどうすればいいのか、何を手立てにすればいいのか、それを考え実践していく6週間です。
テーマ学習初回は、どんどんPrior Knowledge(先行知識)を聞いていきます。
今までにココドコ?ってなったことがある?
・知らない場所でひとりになった
・もとに戻ろうとしたら違う道に行ってしまった
・旅行で朝起きたとき、いつもと違う場所で「ここどこ?」ってなる
・スーパーの中、温泉の中ではぐれたことがある パパどこ?ママどこ?ってなる
ココドコ?ってなったときどうした?
・ママに電話
・知らない人、でも聞いても大丈夫そうな人に行きたいところを言って教えてもらった
・お店の中とか外じゃなければ、壁をたどると、だいたい出口にでる
・温泉で迷ったときは潜って探せば見つかることが多い
・誰かにどうしたの?って聞かれて助けてもらった
・迷子のお知らせで自分の名前が呼ばれたのを聞いた
今思うとどうしていれば迷わないですんだ?
・ひとりにならなければ
・バスを降りる前に正面モニターに写るバス停の順番を覚えておけばよかった
・知らない道は目印になる場所を覚えておけば元にもどれた
ココドコってなったことがないといった意見も出てきました。そのわけは。
・はぐれたことがない
・ひとりにならない
自主的に誰かを頼るのもひとつの方法。そのほか、たくさんの方法を知っていれば、どの方法がいちばん効率的か選択できるようになります。
「自分視点と俯瞰の往来が理解と判断を助ける。」
これが今回、学んでいく概念(セントラルアイディア)です。
頼る相手がすぐに見つからない場合は自分を頼るしかありません。そのときに、理解と判断の助けになるのが、「自分視点」(現在地)と「俯瞰」(全体像)を行き来することではないかという考えのもと、スクール周辺を探検していくのがテーマ学習の大きな流れとなります。
自分視点?俯瞰?ピンとこない中、話に出てきたバスの中の正面モニターを例に考えてみました。
次のバス停は本当は遠くにあって見えないのに、これは上から見た図だから、これから通るバス停を上に書いて案内している。これは俯瞰して見ていることになるよ。
「上から見るってこと?上から目線?」
見下しているっていうよりは、見下ろしているって感じ。
俯瞰という言葉を何度も会話の中で使っていくことで理解を深めていきます。
土地の図、地図って聞いたことある?
これまでに出てこなかったワードを出してみました。
マップの方が馴染みのある言葉であり、知っているけれど、使っていないようであります。
グーグルマップの地図はよく見ているのに、発言には出てきません。今はまだ繋がっていないのかもしれません。
この日は、テーマ学習の前、アセンブリの時間に城山公園に行って遊んできていました。
TCSから城山公園まで道を知らない人でも辿り着ける地図を描いてみることに。
学習前に、自分なりに地図を描いておくことで、現時点での物の見方がわかり、自らもこれからの成長具合を知ることができます。
「思っていた地図にならない。うーん、何か違うような。」
共通して入れている情報もあれば、それぞれに違った情報もあります。
「マークにした方がわかりやすいよ」と信号や横断歩道を文字以外で記している地図も。
..
「地図ってどんな感じだっけ?見てみたい。」
参考にしたのは地理院地図。比べてみると、たくさんの道や建物があることがわかります。
信号や歩道をマークで表せたのは、知っていたから。
道も知っているから描けるのであって、知らない道は描けません。
テーマ後半では、子どもたちの予想通り、スクール周辺地図をつくります。その中に、面白いものをどんどん盛り込んでオリジナルマップにしていきます。
そのためには、スクール周辺をたくさん歩き、どんな道があるのか、どんな建物があるのかを知る必要があります。
スクール周辺の地図を見てみると、行ってみたいところ、「なんだ、このマーク?」と調べてみたいところが次々に湧き上がってきます。
ココドコ探検スタートです。
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— (参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)