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「顔にかいてありますよ」1年2年生 テーマ学習 レポート1

【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】人の心は表情と仕草で表現される。

<テーマ学習>レポート

今年度のテーマ学習も、いよいよ5つめ!早いものですねぇ。

探究領域は『意思表現』。意思表現といわれると、いかに自分の気持ちを表現できるか?と思いがちなのですが、TCSが目指す概念は少し違います。それは、「私たちはどうしたら気持ちや考えをわかり合えるのか?」というところ。その第一歩としてあるのが、本テーマ「顔にかいてありますよ」です。

ということで、テーマ学習の始まりに欠かせない”観察”からスタート!

「では、今からある映像をみせるので、よ〜く観察してね」とだけ伝え、映像のスイッチをオン。待ち構える子どもたちの視線の先にあるのは、、、なんとテーマ学習「お互いさま」でのプレゼンテーションの様子、しかも音なし!

「えーー!」

なんの説明もなく、ただ観察してみようとだけ伝えた状態ですが、子どもたちはここから一体何を感じ、何を発見するでしょうか。

 

見終わったあと、開口一番でIくんが話してくれたのは、
「あんなにフラフラしているとは思わなかった・・・」という一言。
その言葉に、みんな一斉にうんうんと頷きます(笑)

「音なしでは何してるかわかりづらかったけど、ほとんどの人が何かをしているよね」とYくん。

どのキッズからも、全体の様子や特定の誰かがこうだったという発見や気付きがいくつも挙がってきました。だからこそ、あえて次の質問をぶつけてみます。

「じゃ、”自分”は何をしていたかな?」

すると、ほとんどのキッズが「・・・?」状態。そこで次は、”自分”に注目して観察してもらったところ、

・いろんなところキョロキョロ向いてた → 周りが気になっていそう
・手でもじもじしてた →はずかしそう
・ポケットに手をつっこんで立ってた →へんにかっこつけてるかんじ
・爪をカリカリ、銃で打たれたようなことしてた →集中してないように見える
・口がぽかーんて開いてた →何も考えてなさそう
・ひもをぴにょぴにょしたり、スカートをあげたりさげたりしてた →あそんでるように見える
・ニヤニヤしてた →違うことを考えているのかな

まさか自分がこんなことをしていたなんて!(笑)その動きの面白さで思わずみんなが笑ってしまう場面もありました。だからこそ、言葉を使わなくてもなにかを表現しているのでは?それには、表情や仕草が関係しているのでは? まだテーマ初日だというのに、そんな概念にすでにぼんやりと気付き始めている1・2年生たちです。

そこでセントラルアイディア「人の心は表情と仕草で表現される」を提示してみると、Sくんが「表現ってさ、あらわすとあらわれるっていう漢字なんだね」と一言。おぉ、この微妙な言葉の違いに着目するとは! 

そうだねーと話を進めていくこともできますが、こんな素晴らしい議論のタネを逃すのはもったいない!ということで、問うてみます。

「あらわす」と「あらわれる」ってどういうことだろう?

あらわす:
「サインをだす、なにかをしめす」
「怒ってると思ったら、怒ってるかおになる」

あらわれる:
「ふっとくるかんじ」
「もともとなかったもの」
「怒ってるって思ってなくても、怒ったかおになる」

ということは、

「自分から出そうとするのが、あらわす」
「出すつもりなかったけど出ちゃうのが、あらわれる」ってことなんじゃない?と、意見をとりまとめてくれる2年生。

小学1年生、2年生だからといって、「この議論はまだ早い」とか「時間の無駄」とか「辞典を使って調べた方が早いよ」なんてこちら側が思っていたら、きっとこんな素晴らしい概念の共有は生まれてこなかったでしょう。なんとか自分たちが持ち合わせている言葉を使って、感じていることをどうにか表現したい。大人によって御膳立てされたコンテンツを学ぶのではなく、モヤモヤとわからない中で、子どもたちが自ら概念を言語化しようとし、習得しようとする。それこそが、TCSの探究学習の醍醐味であります。

だとしたら、本当に自分たちの「心」を表現できるのでしょうか!?ここから、伝えたいことをうまく相手に伝えることができるのか?あるいは受け取ることができるのか?身体実験の開始であります!

自分が心の中で思っていること・気持ちを表情だけで表現し、
それを当てていくクイズ大会を実施。

「わかったーーー!」「正解!」

と進んでいくかとおもいきや、意外と全然正解しない表情も出てきました。

「怒ってる顔でしょ!」「ちがいまーす」
「困っている顔!」「ちがいまーす」
「えー、全然わかんない・・・」

正解は、「考えている」顔でした…。

「それだったら、肘とか手をつけたほうがわかりやすいんじゃない?」
「たしかにー!」

「なるほど、じゃなんで肘をつけるとわかりやすくなるの?」

と突っ込んでみると、

「だって、、、動きがあるから。あ!ということは仕草がついてるからじゃない?」
「ほんとだ!」

今回の実験は、表情だけで表現するというものでした。

しかし、「僕の身長、これくらいです!」っていうことを表現しようとしたキッズは、なんと後ろの背景をうまく使い、指さして楽しげに表現してみたとのこと。いつの間にか無意識のうちに「仕草」まで入れてしまっていたことに気づいたのでした。

それこそが「あらわれる」なんだと実感することで、「表情と仕草がセットになるとわかりやすくなる!」ということを、身を持った感じたテーマ1週目となりました。

ここからどうやって表情が磨かれていくか楽しみにしたいと思います。

MK

(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

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