【探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】私たちはかけがえのない存在である。
<テーマ学習 レポート> week1
I am Special, YOU are Special.
ボードにテーマタイトルを書くと、子ども達は思ったことをつぶやき始めます。面白いのは、一人の発言から、どんどん展開されていくところであります。
「スペシャルっていうのは特別ってこと。」
「特別っていうのは、例えば、自分と人は特別ってこと。」
「同じじゃないってこと。」
「みんな同じだったら、つまらない。」
「スペシャルは世界にひとつしかないものってことじゃない?地球とか、海とか?」
「人は一人しかいない。会社もひとつ。任天堂とか。」
テーマ学習の初回は、現時点で「知っている」「わからない」ことを聞き出します。テーマタイトルで伝えたいことは、なんとなく言葉で理解している様子であります。
次に、セントラルアイデアを提示します。
「私たちはかけがえのない存在である。」
存在という言葉は、耳にしたことはあるようです。
「オレは存在してるって言える。」
「椅子は存在っていうのかな?」
「自分は存在してるけど、人は存在してないと思う。」
詳しく聞くと、特定の人を指すときに「存在」は使うのではないかということのよう。
さらに、かけがえのないという言葉は初耳のようで、
「声をかけないってこと?」
「する意味がないってこと?」
何がないのかを考え、よくわからなくなってしまいました。
「ガイコツって存在してるっていうの?」
「本当に自分ってガイコツなのかなぁ。」
「体の中で見たことないけど、どうなってるのかな?」
疑問も次々に生まれてきます。確かに、自分の体のことを学ぶことも自主自律の領域であります。
今回のテーマでは、次のことを考えていくことも提示しました。
言葉の意味は今はわからなくても、これはテーマ学習の「目次」のようなもの。そのときに自分たちが何を学んでいるのかの標示となるべく見える場所に貼っておきます。
自分の顔って描けるだろうか。何も見ないで描こうとすると、自分ってどんな顔をしているのか、目や鼻ってどんな形なのか、わからないことだらけであります。マンガみたいに点ではないし。
描いてみたものの何か違うことを実感したところで、今度は鏡を見ながら描いていきます。
見ればみるほど、発見も生まれます。
「ひげがある!」
「髪の毛が目を超えてる!」
「目の色っていろいろ違う!」
「眉毛って上からと下から毛がある!」
大きさも気になってきます。
「右と左の目の大きさが違う。」
「目と目の間ってどのくらいかな?」
気になる部位の長さをテープで切り取り、長さを測っていきました。
こうなると、ほかの部分も測りたくなってきます。また、自分が見えないつむじや後ろ姿も知りたくなってきます。
メモリを0からスタートしたり、メジャーをまっすぐ伸ばしたりと測定のポイントを守って測ることや、センチメートルという単位や表記の仕方もおさえていきます。
自分の発見とともに、友達の発見も生まれます。
発見したことを付箋に書いて貼り出していきました。
自分の発見と友達からの発見が一致することもあれば、自分の知らなかった発見、意外な発見を友達がしてくれることも。
眉毛や髪の毛の生え方、上下のまつ毛、ほくろなどなど、観察して描いた顔を確かめ合います。
自画像が描けたら、次は他画像へ。自分とは形や大きさが違うことを発見することで特徴が見えてきます。
何も見ないで描いた自画像と、観察して描いた自画像ではだいぶ変わったことを子ども達も認識しました。
ここからさらに絵の具で色をつくり、最後には等身大の自分を作成していきます。
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)