【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】魂は細部に映る。
<テーマ学習レポート> week1
テーマが始まった初日。「キタマイが担当するテーマ初めてだね〜!」なんて迎えてくれた子供たち。いつもは「読む」「書く」「アート」で一緒に学んでいますが、加えて「テーマ」でも一緒にできることを嬉しく思います!
さて、今回のテーマは「画竜点睛」。探究領域は、”意思表現”です。
「魂は細部に映る」というセントラルアイディアのもとに、これまでピクトグラムから始まり身体表現、物語、詩などバーバル&ノンバーバルの両面から多様な表現方法に挑戦してきた彼らが、その集大成として映画制作に取り組むテーマであります。
「あれでしょ、映画つくるんだよね?」
「あぁ、おととし写真とってたやつでしょ」
先輩たちがつくった作品を思い出し、ああだこうだとガヤガヤしだす子供たち。映像の持つインパクトの強さに改めて気づかされますね〜
しかし同時に気づかされたこともあります。それは、映画も写真も、どちらも「うつる」という言葉が入っているということ。この違いを逃さずに「映る」って?「写る」って?その認識をみんなで共有するところから始めます。
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<映る>は、木や鏡にうつる、出てくる・見える、人がとったもの、どうやってつくったのかがわかる、画像がうつる、壁や画面にうつる、スクリーン、上映する・・・
<写る>は、筆写道のようにお手本からうつす、紙にうつす・・・
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「あるものと同じように現す=写る」ならば、「投影や反射によって物の姿や影を別の物に現す=映る」と捉える子どもたち。やるなぁ!まさにこの違いこそが、映画を映画たらしめるものであるからこそ、ここに感覚的に気づいている子どもたちに驚きました。
そんな彼らに、普段どのくらい、どこで映画を観ているか?と聞いてみると、
・iPadを開けるたび、動画サービスで2日に1回は観る。
・1週間に2作品程度。土曜日にまとめて観るし映画館もよく行く。
・オンデマンドや動画サービスでアニメならほぼ毎日観る。
・1ヶ月に1回は行く。観たい映画は映画館で観る。
・人気になった作品は映画館に観に行く。テレビやオンデマンドサービルを含めて月2回程度。
・毎週、動画サービスでアニメを観ているが、映画館は1年に3回行く程度。
・観たい映画があれば。8ヶ月に1回程度。時間がもったいない!
・1年に1〜2作品程度。同じ作品を何度も観たりもする。
・オンデマンドや動画サービスでアニメはよく観るが、映画館自体ほぼ行かず2年に1回程度。
・動画サービスをよく観ているが、映画自体はほぼ観ない。
という結果に!
頻度の程度はありますが、どの子も動画サービスはよく利用しているということがわかります。だからこその面白い気づきも生まれました。
それは、「アニメなら観るが映画はあまり観ない」と無意識に言っていたこと!
え、なになになんでそう区別しちゃってるの?どう捉えてるの?と、
ここからさらに深ぼっていきます。
まず出てきたのは、「だって映画は長いじゃん」の一言。一時間前後でも長く感じるという子どもの感覚はとても素直で、様々な動画アプリが台頭し形態も用途も多様化している今の時代背景を、如実に表しているなぁと感じずにはいられません。
しかし、「有名なアニメ映画が2時間半もあったのに全然そう感じなかったよ、逆に見入ってしまうと終わるまで短く感じるよね」という意見も。
「あ、ドラマは前半と後半に分かれているよね」「でもドラマにもアニメって分類されているものあるよ」「アニメって絵で書いてつなげるパラパラまんがみたいなことなのかな」「逆に、映画はリアルな人間でやってる実写のイメージ」
ということは、アニメ、ドラマのような区別じゃなくて、「ひとつの映画という大きなジャンルの中にアニメやドラマがあるのかな?」という仮説も出てきましたよ〜。
まさに今回制作する「映画」というものは、アニメやドラマの要素を含んだ作品とも言えるように、多様な要素が混ざり合った複合芸術と呼ばれています。だからこそ、ここでもう一度、セントラルアイディア「魂は細部に映る」を考え、どう捉えているか確認します。
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・つくるときに、どれだけ魂が入っているか、力を入れたかで細部に出てくる。
・自分ではそう思っていないけど、経験とか思ってることが全部行動に出る。その人の性格まで出ちゃう。
・それに対する情熱ややる気を持って、熱中しのめりこんで力を注いでいく。
・同じであっても”細部”が違ったら、違ってくる。
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自分たちの意思は、実は自分たちの思いを超えてそのままに映されていくからこそ、どう相手に伝え分かち合うことができるのだろうか。
そんな映画制作への旅が始まりました。
MK
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2019年度 年間プログラム(PDF) ・ テーマ学習一覧表(実施内容)