【学年】5年生
【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】人権は自由、正義及び平和の基礎である。
<テーマ学習レポート>
「Borderless World」-1
今回は共存共生という探究領域です。「私たちはいかにして葛藤を乗り越えて共に幸せになるのか?」を問い、考えていきます。
タイトルの「Borderless World」そして、セントラルアイディア「人権は自由、正義及び平和の基礎である。」を提示するとすぐに「葛藤」の芽が現れました。
「ボーダーのない世界って、みんな仲間ってこと?」「敵がいないってこと?」
「そんなわけない。」
「仲間ができるほど敵は増えるんじゃない?」
「人権があったって、自由・平和にはならない。」
「全員がなれるわけじゃない。」
「自分にとっての正義って人によって違うのでは?」などなど
モヤモヤを抱えた状態は、学びのスタートとしていい状態であります。
さっそく、世界人権宣言30か条がわかりやすい訳語で書かれている「人権パスポート」を配り、中身を見ていきました。
初読の段階で、印象に残った箇所を抜き出し、理由を書いてもらったものを一部ご紹介します。
● Yくん
第12条 ないしょの話
[自分の暮らしや家族、手紙や秘密をかってにあばかれ、名誉や評判を傷つけられることはあってはなりません。そういう時は、法律によって守られます。]
理由:
名誉や評判を傷つけてはいない(と思う)が自分も秘密を暴こうとしてるなあ、と思ったから。
自分がしていたらと思うとこわい。
● Hくん
第4条 奴隷はいやだ
[人はみな、奴隷のように働かさせるべきではありません。人を物のように売り買いしてはいけません。]
理由:
お金がないからといって、人を売るのは、やってはいけないことだし、お金がないなら働けばいいし、人身売買は人を大切にしてない(名誉を傷つけている?)そして人間を(子供を)粗末に使ってはいけない、結局、人は大切にしないといけないとおもったから。
● Sさん
第3条 安心して暮らす
[ちいさな子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、わたしたちはみな自由に、安心して生きる権利をもっています。]
理由:
ママが安心するために夜に裏道は危ないから遠回りで明るい道から帰ってきてと言われるから。
● Iくん
第19条 言いたい、知りたい、伝えたい
[わたしたちは、自由に意見を言う権利があります。だれもその邪魔をすることはできません。人はみな、国をこえて、本、新聞、ラジオ、テレビなどを通じて、情報や意見を交換することができます。]
理由:
アセンブリの時とか、低学年は言いたいこと言えてないだろうなぁとか、邪魔してるかなぁとか、俺も昔は言えなかったなぁって思ったから。
● Eさん
第20条 集まる自由、集まらない自由
[人には、平和のうちに集会を開いたり、仲間を集めて団体を作ったりする自由があります。しかし、いやがっている人を、むりやりそこに入れることはだれにもできません。]
疑問:
・逆に入りたがってる人を無理やり追い出すことは可能なの?
・あとからその組織から出たいと思っても出してくれない場合ってあるの?
● Tくん
第17条 財産をもつ
[人はみな、ひとりで、またほかの人といっしょに財産をもつことができます。自分の財産を好きかってに奪われることはありません。]
理由:
財産がなきゃ何もできないから。(ガンプラが買えないから)
● Yさん
第7条 法律は平等だ
[法律はすべての人に平等でなければなりません。法律は差別をみとめてはなりません。]
理由:
今の世界はすべての人に平等であるのか。人間が差別を認めてしまい、死刑などが行われていてこの法律は、守られていないと思ったから。
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当たり前のことなのにどうして書かれているの?
もしかしたら自分が守れていないときもある?
自分がされたら嫌だよな。
そんな視点で素直な気持ちが書かれています。そして、これまで人権問題に触れてきていないことも見えてきました。
なぜ、このような宣言がなされるに至ったのか、次の段階へと進んでいきます。
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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形 ・ テーマ学習一覧表_実施版