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「五感のグルメ」G2 テーマ学習 レポート3

【学年】 2年生
【探究領域】自主自律
【セントラルアイディア】我感じるゆえに我あり。

 
<テーマ学習レポート>
テーマ(G2)「五感のグルメ」week3: 触覚集中編

さて、3週目は「触覚」からスタート。

「”触覚”ってどうやったら感じるんだろう?」と聞くと、「手で触る!」と答えるキッズたち。じゃあその手の感覚を研ぎ澄ませてもらおうじゃないか!ということで、以前アートクラスでやった「はてなボックス(料理編)」を再び実施することにしました。

ボックスの中に両手を入れ、手触りだけで中身を当てるこの実験。
手を眼に代えるぐらいの気持ちで、全神経を手元に集中してみます。

おそるおそる手を中に入れるキッズたち。
何かに触れると、「ひゃっ!」という声を出して、すぐに手を引っ込めようとする一幕も。見えないものに触れることが怖い=それほどまでに視覚に頼りきっているのだ、ということがよくわかりますね。

「うわーーー!なにこれっ!こわ。なんか生きてる、生き物でしょ?」

「うーー・・・、えっなにこれ、うーん・・・」

一人ひとり反応が全く違うのが面白いところ。

それをみて、「えーーーー!」と反応するギャラリー側も、また全く違う反応をみせてくれるからユニーク。

触ったら、その特徴を言葉で記して、頭の中でイメージした図を描いてみました。

しかし、触感というのは手で触る感覚だけなんでしょうか?

すると、「あ、足!」「おでこ」「顔」「ふくらはぎ」などキッズたちが口々に言い始めました。「ということはもしかして皮膚があるとこ全部に触覚があるんじゃない?」とポツリ。いいところに気付き始めます。

「これで全部?」と聞くと、「口」「唇」「歯」「舌」という意見も。
そこで次は、手触りと舌触りがどう違うのか、実験してみることにしました。

例えば、「バナナ」。
手触りは少し硬かったり筋があったりしますが、実際に食べてみると、途端にその触感は変化します。

同じように、キウイやイクラ、そして高野豆腐などもトライ。

普段何気なく触って食べている食べ物も、ひとたび感覚を意識しながら食べると、受け取る情報の質や量がぐっと変わるのを感じている様子。

「8年間生きてきていろんなものを食べてきたけれど、こんなこと考えたこともなかったなぁ」と、由直くんが感慨深そうに語っていたのが印象的でした。

他にも、圧力や温かさや冷たさ、痛みなどを感じることができる機能もあることを知ったキッズたち。配った資料に書いてあったヘレンケラーの物語に着目し、ヘレンケラーが成長過程での感覚を鋭くできたのは、努力の賜物だということも知りました。

「足りない感覚の”かわり”になるために、他の感覚が発達することができる!」

そこからちょうど2020年に開かれるパラリンピックの話になり、「ないからこそ、逆にものすごく発達した部分がある。それって、その人にしかないものになってるよね!」と、みんなで新しい発見ができました。

まさにセントラルアイディア、「我感じるゆえに我あり」につながる発見だったように感じます。

——
 
<テーマ学習レポート>
テーマ(G2)「五感のグルメ」week3: 味覚集中編

五感のうち、残るひとつは「味覚」。
今回は「五感の”グルメ”」というタイトルでもあるため、キッズたちも意識しやすい感覚です。

ということで、まずはじめに「自分はどんな味が好きなのか?」
好きな食べ物を挙げてもらうことにしました。

甘い菓子類が多いかと思いきや、おかず系がずらりとラインアップ。
中でも、「カレー」「ラーメン」「たこやき」など、わかりやすくはっきりとした味が人気なようです。

その中で、同じ味の仲間を探してみよう!と言うと、
「甘い」「すっぱい」「からい」「にがい」「しょっぱい」などの意見が出てきました。

しかし中には、「いちごはすっぱい」という意見と「いちごは甘い」という意見。あるいは「たこ焼きはしょっぱい」という意見と「たこ焼きは甘い」という意見など、同じ食べ物でも人によって感じ方が違う!という発見が。

そこから繋がったのが、「”おいしい”も味なのかな?」という疑問でした。
一見、味覚のように感じますが、「どうおいしいのか?」と言われた時、その表現は様々に異なります。だからこそ、「おいしいって、実は”感情表現”なんじゃない?」ということに気づいたキッズたち。素晴らしい勘をしていますね。

では、そんな味覚をつかって「味の足し算実験」を行うことにしました。
レモン・はちみつ・醤油・砂糖・みりん・酢・油・からしなどの調味料を使って、下の2つの式を完成させつつ、どんな味になるか味わう実験です。

a.甘い+すっぱい=(?)

b.甘い+しょっぱい+すっぱい=(?)

ちなみに、a.は甘い(はちみつ)とすっぱい(レモン)を使用。
b.は、甘い(砂糖)としょっぱい(醤油)、すっぱい(酢)を使用。

キッズたち自身で、器具を使いながら調味料を合わせてもらいます。

「これってどうやって使うの〜?」「そうやって使うんじゃないよ!」と、
絞り器の使い方に四苦八苦。

「なんかいい匂いしてきた〜!」と、嗅覚が働いている模様。

a.は、まさにはちみつレモン味で、水に溶かして飲むと「甘酸っぱい〜!」とのこと。

じゃあ、次は同じすっぱいでも「今度は”酢”を使ってみようよ!」ということで。。。

b.の式で作ったのがこちらです。

舐めてみると、、、「あれ!おいしい!っていうかどっかで食べたことのある味!」とのこと。

「甘い+しょっぱい+すっぱい」なんて、不味くなるに違いない!と予想していたキッズたち。しかし意外や意外、甘酸っぱいおかずの味に変化していて、とても驚いていたのが印象的でした。

料理は、ひとつの味覚で成り立っているのではなく、実は何種類もの味覚の足し算によって味が作られている、ということを実感したキッズたち。

同じように、目でみて触って、舐めて、匂いを感じてと、いくつもの感覚をフル活用しながら体感した、味覚実験なのでした。

 
MK

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(参考) TCSテーマ学習については、以下よりご覧ください。
2018年度プログラム_基本形テーマ学習一覧表_実施版

 

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