【学年】3年生4年生
【探究領域】万象究理
【セントラルアイディア】石ころから自然の不思議が見えてくる。
多摩川の下流、和泉多摩川駅から歩いて宿河原堰堤を目指します。
「あれ?野原?」「石がない?」「川が広い!」と口々に言い出します。川の近くまで行こうとすると草原に。
「ほんとに川に近づいてるの?」と半信半疑。イメージしていた河原とは違っていることに驚くばかりです。
石の調査よりも前に、川に打ち上げられた魚を発見!
「これが何億年後かに化石になるのかな?」
「未来の化石?!」
そして、その横を見ると、土の断面が見える部分があり、地層になっているのがわかります。
「テレビで見たことある発掘隊みたい!」
「土の中に石がある」
さぁ、いよいよ過去や未来にタイムスリップした感覚にもなり、ワクワクしながら、河原の石調査開始です。
同じチームで同じ調査。前回よりも声を掛け合い、手際がよくなっています。
やるべき調査を終え、自由に観察する時間も取れました。
水に濡らして、すぐに乾くか乾かないかの実験から、鉛筆で書いた文字は消えるか消えないかに発展。
「石を川に入れたら、そのうち海に行くよね?」
「小さくなるかもしれないけど、書いてある文字を見つける人がいるかも!」
「未来の人が見つけるかも。自分たちは生きてないかもしれないけど。」
と言って、石に調査隊員たちの名前や令和元年など書き出し、川に投げております。
ただ石を投げて遊んでいるのだったら、このような盛り上がりにはならないかもしれません。石がゆっくり時間をかけて海へ進んでいくという二次情報を使って、実体験に活かしているわけです。学びもこうしてゆっくり蓄積されていくものと感じた次第であります。
石灰岩の数はぐんと減っていました。1つも見つけられなかった班もいたほどです。小さいものもなかなか見当たりません。
これは、みんな人間が持っていった?にしては、おかしいなと思いつつ、スクールに戻って調査続行です。
次のクラスです。多摩川の上流と下流を比較しながら、これまでの振り返りをしていくと、
「川の流れが遅くなった!」
「大きな石がなくなってた!など発見と同時に、石って本当に削られて小さくなってるの?」
「なんで石灰岩はなくなってたの?」
「もともと石灰岩って何でできてるんだっけ?」
疑問も多く浮かび上がってきます。共通の疑問を持ち、それについて詳しく載っている資料はないか、調べていきます。
資料は中野区立中央図書館で放課後に数人と一緒に借りてきた本を使います。
ちなみに、この日は運動会用のビブスが配られた日でして、無くしたり忘れたりしまいと着ている子が数人おります。^-^
「これは!」と思った情報を撮影して、グーグルクラスルーム上でシェアしていきます。
「石灰岩って大理石になるって。」
「石灰岩の元になるフズリナの写真が載ってる!」
「アサリみたいな貝だったんだ。フナムシみたいなのかと思ってた。」
「地球って岩でできてる。マントルや外核はドロドロだけど、内核は固まってるってことは熱くはないのかな?」
「それ、「表裏一体」のテーマでやったね。」
「すごいよ、石灰岩、砂岩って建物に使われてる!」
すごい!と思った箇所を抜き出していきます。
「この本ってぜんぶ写真に撮った方がいいかも。」
別々のタイミングで2人から声がかかり、全員でシェアし一緒に読んでいくことに。
自分だったら、どの旅がいいかという話題になりました。
「マグマは熱いから堆積岩の旅がいいな。」
「でも、堆積岩の旅は押しつぶされて痛そうだよ。」
「マグマの近くの熱で変わる(変成岩)なら、あったかそうだな。でも、マントルは2000度くらいでしょ。マグマの中に入るよりいいかな。」
また、
「石って絶滅しなさそう。」
「水と一緒でぐるぐる回ってるってことだね」
こういった発言からも、図鑑も合わせて見ていくことで、より理解が深まっていった様子がうかがえます。
始めに持っていた疑問が解消したものもあれば、そうでないものも。
これまでに感じてきた石のすごさを個人の新聞づくりとグループでのプレゼンで表現していきます。
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(参考)2019年度TCSテーマ学習一覧より他のテーマ学習内容をご覧いただけます。