【タイトル】Be Water 【学年】3・4年生 【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】上善水の如し。
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「水のようにはなりがたし、、、」
井原西鶴の『本朝永代蔵』の冒頭は、水のことにも当てはまるのでは?
毎朝、音読している文章はリズムとともにその意味も頭の中に入っているからこそ出てきた発想でありました。
お金じゃなくて、お水で替え歌ができるかも!
それぞれが、思い思いに替え歌を作ってきました。
お水はもの言わずして生き物に恵み深し。
人は欲ばってあらそい多し。
これまでに印象に残っていること、学び得たことが歌詞に組み込まれています。持ち寄りで作ってきた歌詞を聞けば、おのずと自分たちのやってきたこととつながっていきます。
一生一大事、水を使うの業、家庭工業農業のほか
仮想水にかぎらず。
日本は100円の価格。世界は水まぼろしという。
「コーラの方が水よりも安い国もあった。」
「日本ではすぐに買えるのに。」
自分たちが当たり前に思っている水が国が変われば全く違う認識になってしまうことも彼らにとって驚きのひとつでした。さらには、自分たちの国は、仮想水という形で大量に水を輸入しているという現実を知り、水不足が他人事でないことも衝撃であり、ここの部分も歌詞に入れ込みたいところです。
これはリズムも意味もあっていていいね、という歌詞を残し、しっくりこない部分は変えていく作業を繰り返していきました。
人間の欲の末に大切な資源を無駄にしている現実、それは自分たちにも当てはまることであること、それに比べると水は黙って清めてくれる存在。「Be Water」という言葉が奥が深く、軽くは扱えないという子どもたちの意見から、一致していた一文は、
お水のようにはなりがたし でした。
そのため、「お水のようにはなりがたし。然りといえども、残して、子孫のためとはなりぬ。」と作り、なんとなくそれで落ち着こうとしていました。でも、このままだと、水のような存在にはなれないけれど、水は子孫のために残していこうという意味になってしまいます。
それで、本当にいいの?ここは固まった考えを柔らかくしたいところ。
とても及ばないけれど、理想として目指していこうとする行動に意味がある。一見、無駄かもしれないけれど、自分たちで動かないと、ということで始めた「食器の油拭き」は、まさに「水のようになる第一歩」だったわけです。油を下水道管に流さないようにする取り組みは継続中であり、今では、ほかの学年にも浸透しつつあります。
そうして、修正された歌詞は、未来の子孫だけでなく、今の自分たちから周りへと発信していこうとする思いを込めたものとなりました。
然りといえども、Be Water、人のためとはなりぬ。
この時点で、もうプレゼンテーションの日は目前に迫ってきています。
あとは、できあがった歌詞をどうプレゼンしていくかです。
今回はTEDスタイルでプレゼンするというミッションがあります。歌詞を区切り、それに見合う写真を選んだり、表を作成したりしてスライドをつくっていき、誰がどの部分を担当して語るかを決めていきます。やはり語るとなると、思い入れの強い場面を選びたいものです。
「ここやりたいな。」
「誰もいないなら、ここやってもいい?」とそれぞれが意見をいうことで、担当場所が決まっていきました。ここで争ってはいられないことはいうまでもありません。いい替え歌ができたのだから、いいプレゼンをしたい。みんなが同じ思いで準備に挑んでいる雰囲気がでてきています。
keynoteで資料を作成していきます。
いよいよ大詰めです。本番は自信をもって、歌を紹介しよう!