特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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東京コミュニティスクール

『いい仕事してますね』~ふりかえり~

タイトル:いい仕事してますね
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:質の高いものづくりが喜びを生み出す。

[3・4年生]

プレゼンテーションデイは、スクールと約束をした納期でもあります。
自分の作った椅子を前に、
「釘で組み合わせたあとにできてしまった隙間を何度もトンカチで叩くことで埋めました。」
「設計図通りに作っています。」
「釘を多めに打つことでグラつきをなくしました。」
「座りやすさを考えて天板の置き方を考えています。」など、
椅子に込めてきた思いをそれぞれに語っていきました。

同じ設計図、材料も同じ、見た目はどれも同じ椅子が13個揃いました。
でも、作り手の思い入れがどこにあるのかは、みんな違っていました。
スクールの仲間や聴衆のみなさんに実際に座り心地を確認してもらいました。
「近くで見たり、座ったりすると、それぞれに性格が表れている感じがします。」
そういった声も聞こえてきました。

プレゼンの最後に「自分の椅子に値段をつけるといくら?」という質問が出されました。
材料費1500円を基準にどれだけの価値をつけるか、悩みながらも、
子どもたちの値段設定は1500円〜6500円というものでした。
プレゼンの中では紹介できませんでしたが、これには明細がありました。
自分が頑張った分は値段をあげたい。でも、椅子に傷をつけてしまったり、
釘を抜いて穴をあけてしまった分はマイナス。
職人の人に教えてもらったり、真似して盗んだりした技を使っている分はプラス。
自分で作った椅子は世界にひとつしかないという価値も値段に入れたい。
手伝ってもらった人への謝礼分を入れている子もいました。
中には、こんな設定をした子も。
難しかったけど楽しかったから0円にしたい。
でも、値段がつかないのは価値がないことにもなるから自分の仕事分は1000円。

のこぎりや金槌での椅子作り。なんだか楽しそう!という気持ちで始まったものの、
いざ使ってみると、思ったようにはいかず、苦労する時期に突入しました。その後、
ボランティアの方からのアドバイスや実際にプロの職人さんの仕事ぶりを目の当たりにして、
真似していくうちに、自分なりのコツをつかみ始めます。うまくできなかったことが、
できるようになると、楽しくなりもっとうまくなりたいという気持ちが技の向上を加速させていきました。
椅子のできあがりが近づくと、「できた」と思っても、「本当にできた?」と問うことで
自分のこだわりが浮き彫りになり、「まだよくできる」と質の高さを求めて作業にのめり込んで
いったことが子どもたちの大きな変化だったように思います。短絡的な楽しさではなく、ものづくりの奥深さや楽しさを味わったことで、今後もこの「つら楽しさ」の醍醐味を追い求めていってほしいと思っています。

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