特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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「治の力」〜ふりかえり〜

タイトル: 治の力
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:私たちは私たちを私たちのために治めている。

[5・6年生]

いよいよプレゼンテーションデー。子どもたちは聴衆の前でディベートに臨みます。論題は

賢い君主が治める方が民主的に治めるよりよい

これまで何度か話し合ってきたテーマです。その場でくじびきして、賛成、反対が決まります。さあ、まずは立論スタート。さすがにいつもより緊張気味。立論というより、ただ理由を3つ言って終わってしまいました。肯定側立論と否定側の立論が終わった後に、ジャッジからの質問です。

「もし、明らかにこれは正しいと思われるAというアイデアがあって、国民の大多数が反対しているとき、賢い君主は、国民に反発してでも正しいというアイデアをどう納得させるのでしょう?反対に、そのような場合に民主的な話し合いで解決が可能なのでしょうか?」

いきなり鋭い質問が飛び出します。子どもたちは必死になってこれまで考えてきたことを総動員して答えようとします。

「それはやはり誰かが思い切って決めてしまうということが必要なので、そういうことを決める人を決めた方がいいと考えます」

民主的に判断するという立場の子が、賢い君主をサポートするようなアイデアを言ってしまったぞ。

「あれ?これ相手を助けちゃった……」

言った瞬間に、その子も気づきました。これがディベートの教育効果です。自分が発言したことのどこが問題だったのか、何が足りないのか、すぐに気づき、思考のプロセスを冷静に振り返れるのです。

結局、僅差で「賢い君主」の方が、民主的な決定よりいいのではという判断に軍配があがりました。しかし、この論題はあくまでも「賢い」君主がいるってことが前提。つまり、この前提が満たされなければ、成立しない。世の中に賢い君主が本当に現れるのか……賢い君主を育てるのが民主なのか……ということを考えなければならない。つまり「賢い君主」とは「賢いリーダー」と同じで、それは民主的な手続きの中で育ってくる。そんなもやもやが残りました。

子どもだからこそ、ディベートしやすい論題ではなく、本当にディベートする必要のある論題に取り組んでほしい。もやもやこそ学びの大事なアンテナ。賢い君主って何?民主的って何?っていうことを、ずっと考え続ける。いつも以上に、終わりが始まりになったテーマ学習になりました。

民主的社会を築くことは無理かも……という空気が流れつつある今だからこそ、あきらめずに考え続けてゆきましょう。私も君たちとともに考え続けます。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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