【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】私たちはおかげさまで生きている。
<テーマ学習レポート>
1年生とは「よむ」の時間に『きいろいばけつ』を読んでいます。その中に、おつきさまに「おやすみ」をいう場面があります。
なぜ、「おつきさま」には「おやすみ」を言って、ばけつには手を振るのか?
物語の場面の話から、テーマの話になっていきました。
「おつきさまは起きているから、挨拶してる。」
「挨拶って、敬語?」「テーマのプリントに書いてあった。」
お、よく読んでいる!そうなると、つっこんでみたくなります。
ありがとうは有難いだけど、おやすみってどんな意味?
「おはようは、お早く起きましたねって意味って聞いたことがある。」
「おはようって、うちだとあまり言わない。」
「いただきますはいうけど、ごちそうさまはおいしかったときだけ言う。」
「どっちも毎回いってるよ。」
「だって、いただきます、ごちそうさまって、食べ物の命をいただいているのと、ご飯をつくってもらってありがとうって意味でしょ。」
こうした意味については1年生はみんな知っていたようでした。
そこで、お弁当のときはどうなの?と、聞いてみると、
「え、何も言わないで置いてる。」
「はいこれって、渡す。」
「洗ってくださいって言う。」
作ってくれてありがとうって意味だと言ったのに、実際には言っていないのはなぜ?
「あ・・・・・」
「食べてるだけだ。」
ありがたいとはわかっていても、そのありがたみを見ないことにしてしまっている「無視」した状態であることに、ハッと気づかされます。
昼食後にみんなで声を揃えて言っている「ごちそうさま」が、席を立つ合図に化している。そのことが浮き彫りになってきました。
「当たり前ではない、ありがたいこと」と頭ではわかっていても、「当たり前」だと思われてしまう言動をとってしまっている。ここに気づけるかどうかが、このテーマ学習での大きなポイントでもあります。
1年生との「よむ」の時間では、その後、お弁当箱を洗うことで「お礼」を示すことにしました。給食では、お弁当箱を洗っていることを考えると洗えないわけではありません。ただ、いつも洗ってもらえるし、スクールで洗う時間があるなら遊びたいというのが実状なのであります。
テーマの時間。2年生とも、この話を共有して、自分も「無視」してしまっていることはないだろうかという視点で、おかげさま探しをしてみました。
・えんぴつ、消しゴム、筆箱、服を買ってもらってるのに、ありがとうっていっていない。
・ボールを用意してもらっているのに、おれは遊んでいるだけ。
・マモさん(ボランティアの方)が筆写道をチェックしてくれてるけど、マモさんがありがたいって思うことをやっていない。
・誕生日にプレゼントをもらってるけど、おれいは言ってない。
・パパが遊びにつきあってくれるけど、ぼくはパパの言うことを聞かない。
・せんたくものを畳んでいない。ぼくはきてるだけ。
・お母さんがトイレ掃除してくれている。 などなど
『きいろいばけつ』、それを読んだ1年生たちのおかげで、またひとつ、「かげ」になって、見えていなかった「おかげさま」が見えてきました。
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)