タイトル:One for All, All for One
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「情けは人のためならず」
[2年生]
路上でタバコを我慢できない
ゴミ箱まで捨てに行くのが面倒くさい
自分一人くらいなら問題ないのでは
ふりかえりの中で浮き彫りになったのは「人の意識」の問題でした。
ゴミを拾っても拾ってもきりがない。
けど、何とかその状況を打破したい。
もやもやした思いを抱えながら、みんなで解決策を考えます。
「たしか海外でゴミをポイ捨てすると罰金を取られる国あったよね。」
「シンガポールのことかな?」
「そうそう、シンガポールみたいに法律を厳しくすれば、ゴミも減るんじゃないかな。」
「あと、面倒くさがってゴミをポイ捨てするんだったら、まちにゴミ箱をいっぱいつくればいいかも。」
「うーーーん・・・」
とりあえずアイデアを出したものの、子ども達はどこか納得のいかない表情。
行政に任せれば、万事解決?
結局のところ他人任せになってしまっていることに本人達も薄々気づいているようです。
「そういえば、城山公園でゴミ拾いした時に手伝ってくれたおじさんがいたよね。」
以前、公園でゴミ拾いをしていた際に、ランニング中のおじさんが私たちの活動に協力してくれたことがありました。
お揃いのビブスに身をまとい、トング片手に公園中を歩き回る私たちのことがよっぽど珍しかったのか、気さくに話しかけてきたことを思い出します。
「ルールが厳しすぎるのも、やっぱり楽しくないよなあ。」
「まち中のあちこちに◯◯禁止の看板ばっかりなのも嫌だし。」
「まちの人みんながゴミ拾いしてたら、普段ポイ捨てしている人もさすがに気まずくなるんじゃないかあ。」
「あのおじさんみたいな人をもっと増やせればいいんじゃない?」
「どうしたら、仲間を集められると思う?」と尋ねてみると、
ある子から「チラシやポスターを作って、配ろうよ!」という案が出てきました。
これには、他のクラスメイトからも「いいね!!」という反応が。
自分たちだけで何とかしようとするのではなく、多くのゴミ拾い仲間を作ればよいのではないか。
そういったまちの雰囲気をつくっていくことが、ひいてはポイ捨てする人の意識を変えることにつながるはず。
これまでの活動をふりかえり、子ども達はこのような考えにたどり着きました。
とはいえ、チラシやポスターづくりが単なる自己満足に終わっては意味がありません。
日本各地で行われているゴミ拾い活動でどのように参加者を募っているのか。
いくつかの活動のポスターやチラシをレイアウトの参考にすることにします。
「やっぱり、何の活動なのかは大きく目立たせてあるよね。」
「あと、いつゴミ拾いをするのかがそのすぐ下に書いてあることが多いよ。」
「このポスターは字がたくさんありすぎて、読む気がなくなるなあ。」
「伝えたいことをシンプルに書いた方がいいね。」
「そうだ、僕たちのことも書かないと。どこの誰だかわからないと、手伝おうって気にならないもん。」
・・・
来週の活動に仲間を募るのであれば、何としてでも木曜中に完成し、遅くとも金曜までにチラシを配りに行かなければなりません。
チラシやポスターに書くべきことと作る上でのポイントを押さえつつ、高い集中力を発揮して、製作に取り組む子ども達。
2コマ(90分)の授業時間もあっという間に過ぎていきます。
何度も書き直しを行い、やっとのことでチラシとポスターが完成!!!
自作のチラシとポスターをコピーして、早速スクールを飛び出します。
チラシは中野駅北口ロータリーと近所の公園を中心に配ってまわり、用意した50枚のチラシは見事手渡すことができました。
あと、秋のTCSフェスタの際にもご協力いただいたお店を訪れ、ポスターを貼らせてもらうことに。
「あら、前に来てくれた学校の子たちかしら。頑張ってね!」
激励の言葉をいただき、子どもたちのやる気にも火がつきます。
はたして、私たちの思いに共感して、活動に参加してくださる方はいるでしょうか。
今から来週が楽しみです。
HY
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。