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「 『紅葉山』見っけ隊」1年生 テーマ学習 〜レポート

 

【探究領域】時空因縁
【セントラルアイディア】場には限りない「!(発見)」と「?(疑問)」のタネがある。

<テーマ学習> 〜レポート

【テーマ学習のはじまり】

テーマ学習ってなんだろう?何をする授業なの?不思議そうにしている子どもたちとテーマ学習初日スタート!

今回のテーマ学習は『「紅葉山」見っけ隊』!

 


どんなことをしていくのでしょうか?それぞれの子どもの言葉を拾いながら、アンテナや今回探検していく「公園」についてのイメージを語り合いました。

 

【紅葉山公園での発見】

 

「学びのアンテナ」をたくさんぐるぐる働かせて、紅葉山公園を探検していきます。まずは安全な行動を意識しつつ、思い思いに紅葉山公園での発見を楽しみました。

紅葉山公園の場所、そこにあるもの、目に留まったもの、新しい場所には「発見」のアンテナがたくさん働きます。

 

池の亀。この前は2匹いたけど、今日は1匹だけ岩の上にいる。

何度も足を運ぶからこそ、変化という「発見」があります。

 

【発見の記録】

 

それぞれの「発見」には名前をつけて、紅葉山公園のマップと照らし合わせながら記録していきます。

毎回の探検をただ発見するだけで終わらせず、その日の発見をみんなに共有していきました。話すことと聞くこと、少しずつ挑戦を重ねています。

少しずつ、名前をつける面白さも発見してきています。

 

3週目には個人での記録にも挑戦しました。

見つけたものはどんなものなのか、何が気になったのかをメモします。

ここで活用したいのがInquiry KeysのForm。見っけ隊の強い武器になります。

 

【モノから生まれる疑問】

発見だけでは終わりません。観察してみるとたくさんの「疑問」が生まれてきます。その疑問を大切にして、調査していきます。

 

公園に生えていたキノコ。なんていうキノコなんだろう?毒キノコなのかな?食べてもいいのかな?そもそも触ってもいいのかな?

 

図鑑で調べてみると「アミガサタケ」だと同定。

生では毒があるけど、加熱調理すれば食べられ、ヨーロッパでは比較的高級食材なのだとか。早速加熱して食べてみようとしたけど、匂いと見た目に負けてキッズは断念。スタッフが美味しくいただきました。

 

わからないことは「聞いてみる」

公園内に落ちていた「グリーンアドベンチャーの番号札」。中野区と書いてあるので、なかのZEROの窓口に届けました。けれどグリーンアドベンチャーについては詳しく知らないとのこと。中野区役所に問い合わせてみる必要がありそうです。これはGW明けに追加調査です。

 

【雨の日の紅葉山公園】

テーマ学習中は晴れの日が多かったのですが、この日は珍しく雨。

 

雨の日だからこそ、いつもとは違う紅葉山公園になっているかも。さっそく傘を持って見っけ隊出発です。

・雨の日はいつもより公園の人が少ない

・鳩も少ない気がする

・ごみはいつも通り落ちている

・カメが雨だと見当たらない

同じところもあれば、変わっているところもあります。毎日のように通っているからこそ、細かい変化にもアンテナが働いている様子です。

公園内に人が少ない一方でZEROホール前には人だかりが。

さっそく大人の人にインタビューしてみると、どうやら韓国アイドルグループのライブなのだとか。物怖じせずにインタビューする姿勢は素晴らしい。

ZEROホールはなんかいつもイベントしているみたいだなぁ。
 

ZEROホールの掲示板には気になるポスターがいくつも貼っていました。建物の中にはさらにたくさんのチラシもあります。


さて、テーマ学習を通じて「発見」だけでなく「疑問」やモヤモヤも生まれてきました。

気になることがあったらどうしたらいいだろう?

 

この日は図書館に行って「疑問」について調べる資料を探してみました。

 

鳥の図鑑があれば「はと」の名前がわかるかもしれない

カメは爬虫類だから、爬虫類の図鑑も借りていこう!

以前のキノコの発見から、図鑑への興味関心が高い様子が見られました。

 

【再調査】

気にかかっていたゴミ袋が消えていたり、亀が4匹くらい一気に休んでいる時があったりと、変化が多い紅葉山公園。

疑問について「こうなんじゃないかな?」と妄想を広げるのも楽しいのですが、「今日はどうなっているかな?」と気にもなります。そんなときは自分たちの足で再調査。気になることはとことん向き合い続けます!

 
前に公園で見かけた「ウチノダイザブロウ」さんの飛行機チケット。

これが本当にTACの横にある「うちの大三郎」さんのチケットなのか、気になったのでインタビュー、、、のはずがこの日はあいにく外出中。思ったように進まないこともあります。

この日はカモが登場。
 

カメの様子を見にきたはずが、思わぬ新発見にみんな興味津々。飛ぶところが見たいから「飛ぶまで撮ろう」という声も。

【電話でインタビュー】

公園についていくつか疑問が出てきたところで、公園の看板に書いてあった番号に電話で質問することにしました。

 
・公園のゴミが消えることがあるのだけど、誰か掃除している人がいるのか?

・トイレもきれいになっていた!これも中野区が掃除しているの?

・公園にいるカメは中野区が飼っているの?子供が産まれてましたよ!

・公園に布団とか洗濯物とかあるけど、住んでいる人がいるの?

こうした質問に対して、中野区役所の方から丁寧に回答をいただきました。

スタッフが知らないことなら、詳しい人に聞いてみる、という発想でチャレンジすることができました。

 

【アウトプット】

 テーマ学習では毎回最後にプレゼンテーションに取り組みます。

このテーマ学習で学んだ内容を詰め込み、オーディエンスに伝えます。今回の紅葉山見っけ隊では、気になったもの、面白いと思ったものをそれぞれ一つ選んで、語ることにチャレンジします。

聞き取りやすい声、速さで話すことや、立ち方を見るために、iPadでお互いの姿を撮影して見せあうなど、自分の語りを磨いていきます。

それぞれのキッズはどんな発見があったのでしょうか?

プレゼンテーションをお楽しみ下さい!

【マップと見つけたもの】

 
テーマ学習を通じてたくさんの「発見」がありましたが、その中で「伝えたい!」と思うものを1つ選びました。

そのものがどこにあったのかをマップにしるし、自分がつけた名前を「ことば」の時間を使って清書しました。

鉛筆で下書きを丁寧に行い、ペンを使って清書。見せるために書く、ということで子どもたちの意識も変わります。

【プレゼンテーション】【テーマ学習ふりかえり】

プレゼンテーションを終えたあとは、午後の2コマをつかって「ふりかえり」を実施します。

・プレゼンテーション自体

・今回のテーマ学習全体

この2つの観点で子どもたちと学びをふりかえっていきました。

◎プレゼンテーションについて

まずは今回のプレゼンテーションを撮影した動画を見直しました。

動画を見た上で、自らのプレゼンテーションを「Good&Better」という観点で振り返りました。Good&Betterは

・よかったと思うところ(Good)

・こうしたらもっと良くなると思うところ(Better)

でふりかえります。ポイントはまずGoodを挙げていき、ダメだったところではなく、こうしたらもっと良くなるのに、という視点でBetterを挙げていきます。

・前を向いて話すことができた

・見つけたものの特徴をいっぱい話せた

・ドキドキしたけど、ちゃんと言い出せた

初めてのプレゼン、まずはしっかり話せたことに対するGoodが多く出てきました。

・話してない時にちょっと遊んじゃった

・モニターの下からお客さんをのぞいちゃった

・違う場所をみてはなしちゃった

こうした意見が出てきましたが、これではBetterになりません。ここからどうしたいかと問い直したところ

・自分が話さないときも遊ばないで待つ

・モニターの後ろから覗かない

・お客さんの方を見てはなす

という「どうするか」がちゃんと出てきました。

これからどう行動に移していくのか、プレゼンを重ねながらこうした姿勢をさらに磨いていきます。

まずは初めてのプレゼン、お疲れ様でした!

 

◎テーマ学習について

カズさん(久保校長)が総評で言っていましたが、プレゼンテーションが終わったからテーマ学習が終わり、ではありません。

モヤモヤが残っているか、まだまだやりたいと思うことがあるか、そこが大切であり、学び続ける原動力になります。

モヤモヤという観点で子どもたちに話を振ってみると

・カメ、子どもができているけど、もっと増えるか見てみたい

・おとしものがありすぎる、もっと変なものが落ちてるかも

・木にかかっているごみばこの犯人が知りたい

・住んでいる人がどうやってくらしているのか気になる

・きのこ、もっと見つけたいし、ちがうきのこもあるかも。

などなど、もっと調べたいことがどんどん出てきました!

一つの公園からまさに「限りない発見と疑問のタネ」があることを実感できたのではないでしょうか。

これは紅葉山公園だけでなく、身の回り色々な場でも当てはまることです。ぜひこれからもアンテナをどんどん働かせて「発見」と「疑問」そして「モヤモヤ」を楽しんでいきましょう!

KO

 


(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2024年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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