特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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『Problem Ownership』〜ふりかえり〜

タイトル:problem ownership
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:情けは人のためならず

[2年生]

プレゼンテーションでは一人ずつが推敲を重ねた作文を朗読しました。

原稿用紙二枚の中に数週間のゴミ拾い活動を通して見えてきた”プロブレムオーナーシップ”という考え方について、揺れるそれぞれの思いを表現しました。

中野の町のゴミ拾いをし始めた頃はまるで”宝探し”でもしているかのように楽しめたり、近所の方にお礼を言われるのが嬉しかったようですが、清掃局の方の話を伺ったり清掃工場の見学を通して”ゴミ問題の全体像”がぼんやり見えてきたことで自分たちが行っているゴミ拾いに対する考えも変化してきました。

「町がきれいになるのは嬉しいけど、すぐにまたゴミが誰かによって捨てられる。」
「毎日日本中でとてつもなくたくさんのゴミが出て、最終処分場もいずれいっぱいになっちゃうことは町のゴミ拾いだけでは解決できない。」

「ゴミについてどんな問題があるのか知らない人に伝えることもプロブレムオーナーシップだし、ゴミを減らすために自分ができることをやることもプロブレームオーナーシップだ。だからReduce(減らすこと)・Reuse(何度も大事に使う)・Recycle(再利用)をし続けることが大事なんだ。」
「それでもずっと長い間やり続けないとゴミ問題は変わらない。しかもたくさんの人がプロブレムオーナーシップを持たないと50年後には東京のゴミを埋める場所がいっぱいになっちゃう。」

何度も町に出てゴミ拾いを行い、スクールで感じたことや改善点を振り返り、また清掃工場の現場へも足を運んできた中で社会問題の見方や向き合い方(=プロブレムオーナーシップ=当事者意識)が変化してきました。

それぞれの子がプロブレムオーナーシップについて考えていくことで、
ゴミ問題のように大きな社会問題に向き合う際に必要とされるプロブレムオーナーシップと日常生活において大切なプロブレムオーナーシップの違いについて気がつくことができ、思いが揺れていることも作文に書かれていました。
つまりお父さんお母さんに言われるまで動かなかったりする自分、忘れ物をしない工夫を考えて行動していない自分、他人ごとを自分ごととして考えられない自分など日々チャレンジして広げていく必要があるプロブレムオーナーシップです。

子どもたちはこのような日常的に様々な場面で求められるオーナーシップを発揮し続けることが、社会問題のように大きな問題にもつながってくると語っていました。
まさに『 情けは人のためならず』。
社会のために自分ができることをコツコツやっていればそれが巡り巡って世の中を良くし、自分にも返ってくるという発言もありました。
オーナーシップの範囲を『自分と相手』から『自分と社会』へと広げていくきっかけとなったこのテーマ学習。
これからも引き続き、様々な場面でオーナーシップを広げ続け、また実現する力も高めていきます!

YI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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