タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている」
[1年生]
今年度最後となるテーマ学習が始まりました。
タイトルは『おかげさま』。
1年生たちにテーマタイトルを伝えるとなんとなく意味は分かる気がするものの自分たちはあまり使ったことがない言葉のようです。
そこでまずは子どもたちに『おかげさま』と聞いてイメージすることを聞き、メタメタマップにどんどん書き込んでいきました。
するとある子が言いました。
「例えでもいい?聞いたことがあるんだけど、”誰かのおかげさまで料理が食べられる”って言うよね?」
その言葉に他の子どもたちも反応します。
この場合はどういう意味で使っていると思うか尋ねてみました。
「いつもお父さんお母さんが料理を作ってくれるでしょ。だから”やってくれる”のがおかげさま!」
「私はこんなことも聞いたことあるよ。彫刻を手伝ってもらった時に”おかげさまで速くできたよ。ありがとう”って。だから”手伝ってもらうこと”もおかげさまなんじゃない?」
するとどんどん他の子たちもひらめいてきたようで次々に自分たちが考える”おかげさま”のイメージを語りだしました。
誰かが自分のために”やってくれる”、”手伝ってくれる”、”作ってくれる”、”お金を払ってくれる”、”子どもをあずかってくれる”、”お世話してくれる”などそういった場合に『おかげさま』と言うとのことでした。
「”おかげさま”って”ありがとう”の意味も入ってるね。でもなんか”ありがとう”と全部同じじゃないんだよな。」と男の子。
そこで辞書の意味を見てみると、”神仏や人から受ける助けや情け”と書かれています。
「人だけじゃないのか〜。神様もか〜。あ!じゃあお参りする時にもおかげさまでありがとうございましたって言えるね!」
”おかげさま”という言葉を漢字で書くと”お蔭様”となることを伝えました。
すると「あ!王様の様だ。」とある子が言います。
どんな場合に”様”をつけているかみんなに尋ねてみると最初は王様、お姫様くらいでしたがどんどん色々な言葉が飛び出してきました。
「はい!年賀状でも”様”って書くよね!あれは上品に書いているのかなあ?」
「お殿様とかおひな様は”偉い”から様をつけてる!」
「ホテルとかレストランとか病院でも”様”をつけて名前を呼ばれるよ!あれは”ていねいにおもてなし”してるんだ。」
「お父様とかは”年が上”だからかな。ぼくは父上ってたまに呼ぶんだよ(笑)」
「おてんと様とかお月様は人じゃないけど”すごい”から様がついているのかな。きっとそうだ!」
「奥様とかだんな様は”上品でていねい”に言ってるんだ!”奥様そうざますよ!みたいに。ははは。”」
「それで、”おかげさま”と”ごちそうさま”は”ありがとう”の気持ちをていねいにあらわす”様”だ!!」
と”様”についてディスカッションしてみると、どうやら年上の人につける”様”、”すごい”ものにつける”様”、お客さんなどをていねいにおもてなしする時につける”様”、上品かつていねいに表現するためにつける”様”、そして”ありがとう”の気持ちをあらわす”様”があるということを子どもたちの言葉で言い表すことができました。
また『お蔭様』の”お”にも注目し、やはりていねいに表現するために日本語では”お”を付ける場合が多いことに気づき”お”がつく言葉についても考えてみました。
そして何よりも”蔭”。子供達がイメージするかげは”影”です。
しかしこの”蔭”は辞書によると「人知れず、目の届かないところで」という意味があります。
つまりお蔭様には”目に見えるお蔭様”と”目に見えないお蔭様”があるのではないか、ということで更に議論が盛り上がりました。
「そうか!椅子を作ってくれた人のおかげで今この椅子に座れているんだ!」
「じゃあこの建物もそうだね!」
「食事もそうだ!お母さんがお弁当を作ってくれて、その中身の卵はお百姓さんのお蔭様だし、にわとりのお蔭様〜!」
今まで当たり前であまり考えたことがなかった人のお蔭で今があることに少し気づいたことで嬉しそうな子どもたち。
来週はみんなが一番お蔭様だと思っているお母さんが作ってくれるお弁当に注目してお蔭様を発見していきます!
YI
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。