特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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中野フィールドワークへ出発!

タイトル:東京発見伝
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「地域には欠かせない機能とかけがえのない特徴がある。」

[3・4年生]

新年となり、今週からはいよいよ本格的に”中野フィールドワーク”が始まります。
今までは主に”まちに欠かせない施設とその機能”について学び、考えを広げてきましたがこれからはそれに加えて”まちの魅力”=かけがえのない特徴についてもフィールドワークを通じて実際に発見を重ねていきます。

まずは中野区のまちづくりのグランドデザインを子どもたちと一緒に目を通してみることに。
すると中野駅を中心として4地区にそれぞれ将来像=コンセプトが掲げられていることが分かりました。

二丁目・・・『新たな業務・商業の集積と生活コミュニティの核』
三丁目・・・『文化的なにぎわいと暮らしの調和』
四丁目・・・『先端的な都市機能と豊かな緑』

五丁目・・・『安心して楽しめるにぎわい空間』

「文化的なにぎわいって何だろう?歴史がいっぱい残ってるのかな?」
「四丁目ってあのセントラルパークの辺だよね!おれあそこにちゃんと行ってみたかったんだよな。なんか好きなんだよね。」
「おれ実は駅の北口の近くってあまり好きじゃないんだ。なんかあやしい感じの店が多いじゃん。」

今までスクール行事として行なってきた”まち歩き”などで大まかな各地区の土地勘は持っている子どもたち。この”中野”が約20年かけてどのようなコンセプトで変化していく予定なのか知ることに関心があるようです。
未来の”中野”のヴィジョンをイメージする上でも、まずは”中野の今”をもっと知る必要があります。

そこでフィールドワーク初回に出かけたのは中野のランドマークとも言えるブロードウェイがある五丁目地区。

「”かけがえのない特徴”か〜。”かけがえのない”って言うと、”もう他に代わりがない”ってイメージだなぁ。」
「その”まち”にとって”大切な”特徴って意味もあるよね。」
「じゃ”不思議”で”面白い”ものを発見しよっと!」
「今日は五丁目を歩いてブロードウェイへ向かうから色々観察して君たちが思う”中野にとってかけがえのない特徴”をたくさん発見して気づいたことや疑問に思ったことを聞かせてね。」

スクールを出発して”もみじ山通り”を北へ歩く。線路を越すとすぐに1丁目から6丁目へと変わる。

「6丁目はあまりお店が無いねぇ。家とかマンションが多いねー。」
「住宅街ばっかりなんだね。あっでもあそこのマンションはハイテクでかっこいいよ!他にはないよね、アート作品がついてる入り口なんて!」
「でも”まちづくり”の計画図には6丁目ってなにも書かれてなかったね。なんでだろう?どうでもいいってことかな?」
「それは違うでしょ!(笑)住宅街だからなんじゃない?ずっと住んでる人たちの家があるところを区が”まちづくり”するってことはないんじゃないの?」
普段歩く道でも”じっくり観察”の目で歩くと色々なことに気がつきます。
「あ、ここから住所が6丁目から5丁目に変わった。」
「なんか5丁目になってからお店が増えてきた気がする。」
「ホントだね。」
早稲田通りを西に向かっていくと増々お店が増えていきます。

「わあ!見てみて!このお店バーなのに”ラーメンもあります!”って書いてあるよ。しかも世界中の150種類のラムがあるんだって。」
「このカクテルの飾り方も他で見たことないな〜。かわいい!なんかうまそう(笑)」
「ねえ、あそこのお店はボーリングバーだって!ボーリングのピンとボールがいっぱい飾ってあるよ。あのゾンビのボールいいなぁ!でもボーリングしながらなんか飲むお店なのかなぁ?こんなお店も他にはなさそうだな。」
5丁目に入った途端、個性的なお店が目に飛び込んできます。
「あそこの障子屋さん、ジブリの絵が飾ってあるよ。」
「あ!宮崎駿のサインもある〜!」
「宮崎駿の家の障子を担当してるんだってよ。すごいね!」
一人の目では気がつかないようなことも”発見モード”の沢山の目があれば色々気がつきます。
「中野って変わってる名前のお店が多い気がするな〜。ほら見て!”西遊記”とか”お〜りと〜り”とかさ。」

「わあ!ありえない!ライターが超高いよ!このキティちゃんライター1万円だって。」
「この坂本龍馬ライターは2万円だよ。ドカベンは1万円かー。誰が買うんだろう?」
「やっぱり好きな人にはたまらないのかなあ。マニアックだよね。」

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壁一面に変わったジッポライターを飾っているライター屋さんに大興奮。
「中野区温暖化対策事務所だって。中野区でも温暖化対策をしてるんだね!?他の区でもこういうところがあるのかな?」

そしてようやくブロードウェイに到着しました。
ブロードウェイに入ってまず目に入ったのは英語のポスターや館内ガイドマップ。

「外人の旅行者が多いんだろうね!」
「けっこう外国人に人気だって聞いたことあるよ!」

さてさて他のお客さんやお店の営業の邪魔にならないように気を配りながら早速1Fを散策。
子どもたちはそれぞれに色々なものに釘付けの様子です。

「あ!手相うらないだ。おれは金銭運の線が長いぞ〜。」
壁に描かれた手相図を見ながら自分の手相をチェックしています。

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さまざまなアニメフィギュア、鉄道マニア向けのショップ、プレミアテレカショップ、パズル屋、古着屋、葬儀屋、スッポン屋、飲食店、まんだらけ、ゲームショップ、電化製品、古通貨店、レンタルショーケース店などなど本当にさまざまな小さなお店がズラリと迷路のように並ぶ館内はまるでオールドデリーのマーケットのように活気と独特な魅力を放っています。

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時間がいくらあっても足りないほどに奥の深さを窺わせるブロードウェイ。
子どもたちも初めてじっくり感じたブロードウェイにまさに”他のまちには無い何か”を見たようでした。
スクールに戻って振り返りをするとある子が言いました。

「ブロードウェイもそうだけど五丁目のお店って結構全体的に面白くて不思議だった。」
「不思議ってどんな不思議?」
「ええと、面白いっていうかマニアック?」
「一つのお店でいろんなものを売ってるというよりは鉄道だけだったり、古いお金だけを売ってたり、スッポンとかヘビだけ売ってたりとか。こだわってる?」
「アニメとゲームが有名って言ってたけど、たしかに!しかもすごく安かったよ。」
「でも同じようなものを売ってても安い店とすごく高い店があったよ。同じキャラのフィギュアでも何百円のものと2万円のがあったりさ。」
「レアものを売ってる店と激安で売ってる店があるんじゃないの。」
「だからマニアックだよなぁ。」
「あのレンタルショーケース屋はすごかった!だってあの狭いお店のなかに30個くらいケースがあってそれぞれの小さいケースが別々のお店になってるんだもん。あんなの見たことない。」
「1万2千円て書いてあったけど、一ヶ月のレンタル料かなぁ?」
「5丁目はお店も多いけど商店街もたくさんあった。”アイロード”、”ふれあいロード”、あと面白そうな”昭和新道”、”やくしロード”、”ブロードウェイ商店街”、”サンモール”でしょ。全部近くなのにこんなに商店街あるなんてすごい。」
「あとね、けっこう公園もたくさんあったよ。落書きも多かったけど(笑)」

まだ一度5丁目を歩いたに過ぎませんが、子どもたちは自分たちなりの5丁目のイメージをふくらませることができたようです。

さて来週は”先端的な都市機能”を将来像に持つ四丁目”中野四季の都市”をフィールドワークします。
すでに学校・病院・警察・公園・住居・緑(公園)・税務署・区役所・福祉施設・囲い町広場など様々な主要機能が集まっているこのエリア。
さて来週はどのような”目に見える発見”と”目に見えない発見”ががあるでしょうか?
 

YI

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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