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恩送り

[3・4年生]

今週はまず映画『ペイフォワード』の鑑賞から始まりました。

ペイフォワードは2000年のアメリカ映画で、このテーマ学習「情けは人のためならず」と共通するコンセプトがあります。

ペイフォワードとは直訳すると”次に渡す”ということ。誰かにいいことをしてもらって、その人にお返しをする”恩返し”ではなく、”恩送り””恩渡し”という考え方です。ですから、見ず知らずの人にでも”恩” ”情け(辞書によると思いやりや人情味ある行動という意)”は渡すことができ、そのムーブメントがだんだんと社会に広がっていくというのがこの映画のメッセージです。まさに西洋版”情けは人のためならず”。

この映画を見た上でみんなで”情け”あふれる世の中について思いを馳せ、色々と話し合いました。するとある子が、
「ねえこの前亡くなったネルソンマンデラさんも利他的行動してたんじゃないの?」
と言い出しました。

「アメリカに家族で行った時にマンデラさんの壁画があってパパが話してくれたんだ。おれのベスト10に入るマイヒーローだよ。黒人の差別の為に政府に立ち向かって反対し続けて逮捕された人なんだよ。本当は終身刑だったけど熱意が伝わって27年で釈放されたんだって。それで差別の状況は良くなったんだよ。これって超利他的じゃない?」

「トレバー(映画 ペイフォワードの主人公)も人の為に身体をはって行動し続けたしな。それで最後は死んじゃうんだもん。すごすぎるよね。おれ正直ラストシーンでちょっと泣けた。」

「そうかー。ボランティアの仕事でもそうだけど相手に気持ちが伝わるには熱意が大事なんだね。」とYくん。

「熱意があれば多くの人に火がつくんだ。ろうそくからろうそくにだ!」

さすが3・4年生。なかなかうまいこと言ってくれます。

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翌日は再度病院のボランティアワークとして綿布切りをさせて頂きました。
3度目となると仕事にも慣れてきたところではありますが、”相手のために”というモチベーションも増々高まりみんな一生懸命、やる気マンマンで作業を行いました。

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他のボランティアさんや病院の担当者さんからも
「君たち、今日はすごく進んでいるね。この布の山も終わるかもしれないよ。」

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「しかも見本通りに切ってくれていてとても丁寧ね。」

とおっしゃって頂き、さらに調子に拍車がかかる子どもたち。

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「ありがとうございます!でももっと速くできますよ。この山全部今日無くなると思う!」(笑)

一緒に働くボランティアの先輩方も終始楽しそうに、そして子どもたちの”元気”のろうそくがまるで火を点したかのように和気あいあいと前回の倍ほどの綿布を作りきり、山になっていた布も最後にはすっかりなくすことが出来ました。

相手のニーズにも答えることが出来、子どもたちも先方もみんな満足な様子。
利他的行動を通して少しずつ世の中がいい方向に変更していくイメージを膨らませながら来週も考え、そして行動していきます。

YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

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