「今思うと最初の(作品)にしなくて良かったよ。」
撮影が進む中でぽつりと出た一言です。
伝えたいメッセージが明確になり、シナリオの完成度があがると
前に「これでいいんだ!」と
言っていた作品が霞んでみえてきたようです。
アイデアが浮かばず苦しんで、それでも妥協せず考え抜いて新たなものを生み出した経験は
きっと大きな糧になることでしょう。
今週は本番と同じ環境で今まで撮った作品を見ることからはじめました。
ちょうどプロのカメラマンの方がスクールにいらしていたので、試写会にご招待し率直な意見をいただきました。
「影の位置が変わると、見ている方は違和感がある。」
「字の間隔が狭くて見づらい。」
カメラを固定したり、人形の位置がずれないように印をつけたりと
被写体そのものには細心の注意をはらっていましたが、影のことは全く考えていませんでした。
また今回は漫画のふきだしのように台詞を書いて撮影しているのですが、
人形の大きさとの兼ね合いでふきだしのサイズも制限があるため
字が見えづらくなっていたのです。
自分で見る分には問題なしと判断していましたが、他の人から指摘されるとこれはやはり問題です。
影は電気スタンドを使っていつも同じ方向から照らすことで、解決をすることに。
台詞はふきだしの手法は変えず、字を見やすく書くことにしました。
そして未定だったタイトルにも決着がつきました。
思いつくタイトルをどんどん挙げて、候補の中の一つに更にひねりを加えたタイトルを考えました。
「これでいい。」から脱却し「これがいい。」を常に目指す。
この積み重ねがいい映画には大切なのです。
孤軍奮闘の映画作りですが、今週は心強い見方が登場してくれました。
1年前のこの時期に同じように映画制作をしていた卒業生です。
学校がお休みのためスクールに遊びに来てくれたのです。
混沌とした映画制作の現場を目の当たりにして「懐かしいなぁ。」と思い出にふけっていました。
「コマ撮りなんだ。すごいね・・・。」
「時間が足りなくて大変でしょ。」
その表情にはすでにヤマを超えた余裕が見られます。
いつもより教室が賑やかになったせいか、セットのレゴ作りにもはずみがつきました。
映画の公開まで1週間。
公開日に向けて、ラストスパートをかけます!!
AU
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