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「信じるカネ?」4年生 テーマ学習 レポート2

【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】私たちは経済活動の担い手である。

<テーマ学習> レポート week 3 〜 week 4

3週目は、貨幣博物館で目にした実物のお金を思い出しながら、資料を読み込みつつ「お金の歴史」を紐解いていくことにしていきます。

物々交換の時代から、米や貝・布をお金として扱う自然貨幣への流れ、そこから中国(当時の唐)のお金を真似してつくられた和同開珎を皮切りに、硬貨の取引が始まっていきます。しかし、新しく銭をつくっては使用を強要していく政府に、それを「お金」と受け入れず戸惑う国民たち。けれど使用が安定してくると次はニセ金づくりが横行していき、私銭も発行されて様々な種類のお金が取引に使われている時代なんかもありました。

また、枚数ではなく、「重さ」で価値を測り、銭の一部を切って使ったりする時代もあったと知って、驚く一同。

様々な試行錯誤と知恵の結集でつくられていった歴史の延長線上に、今わたしたちが当たり前につかっている「円」という単位がある。そのことを改めて知ることで、また少しお金に対する見え方が変わってきたようです。

 

ここでちょっとブレイクタイム!

実際に、「物々交換をやってみよう!」と提案し、スクールに持ってきている持ち物の中から、「自分だけが持っていそうなモノ」をセレクトしてもらいました。

・人生で初めてつくった推しのトレカ 
・3Dプリンタでつくった表札        
・一球入魂のシール      
・シャーペン
・京都で買った猫のキーホルダー        
・フランスのおばあちゃんからもらった毛糸 
・東中野のニューデイズで買ったキーホルダー
・テーマやサマプロのための自作ノート    

 

これらを元手に、もし欲しいものがあったら、交渉して交換する。
ということだけを条件に、スタート!!

さて、どうなるでしょうか!?

5分後、それぞれ「今、自分の手元にあるモノ」を見せてもらいました。

すると、Rさんだけが最初に持っていたモノと同じモノ。それ以外のみんなは、他の人が持っていたモノが手元にあります。「じゃ本当に交換してみよう」と伝えると、「それは・・・・」と急に渋り出す子どもたち。

聞いてみると、「最後には返してもらえるってわかってたから交換できたけど、     本当にあげる(交換する)となったら、いやだなと思ってしまう」とのこと。

「これだと、欲しいモノを手に入れるには時間がかかるね」
「好きなものが必ず交換できるってわけじゃないのが難しいところだね」
「自分の価値と人の価値が同じとは限らないんだ、ってことがわかった」

資料を読んでわかった気にはなれるけど、実際にやってみることで腹落ちする。なぜお金が生み出されたのか、自分たちで物々交換をやってみることで、その理由がはっきりと体感できた瞬間でもありました。

そんな”お金”は、今も進化の一途を辿り続けています。ペイペイやナナコなど、特定のお店で払えたりお得になるスマホ決済アプリ、貯めて現金にも換算できるポイントカード、タッチで電車やバスにも乗れる交通系電子マネー、有効期限があるクレジットカードなど、こういった”新しいお金”ともいえる概念があることを、子どもたちの中から挙がってくることに驚きました。

とはいえ、「 ATMは地下で銀行につながってるの?」「クレジットカードは無限に使える!」など、思い込みの知識なども混在しているのが、面白いところ(笑)

先日ニュースでも話題になったエルサドヴァドルのように、仮想通貨というものが世の中で使われていることも伝えると、Mさんがぽつりと一言。

「でもさぁ、お金を持っているからこそ、お金があるって感じがするなぁ」

なるほど!じゃあ「現金(キャッシュ)派か、それともキャッシュレス派かどっち?」と質問してみると、ちょうど4人ずつに分かれたので、それぞれのメリットを伝え合ってもらうことにしました。

 

が。。。白熱して、国会さながらの野次を飛ばしている男子。それをおさえる女子…

〜〜〜 

手元にあるという物質的な安心感か、身軽でいつでもどこでも使えるという精神的な安心感か、その狭間で揺れ動くのも、まさに昔の人たちが葛藤しながら使ってきたお金の歴史そのものだなと感じたのであります。

すると、「家に海外のお金があるから持ってきていい?」と数人が嬉しそうにいうので、ぜひ持ってきて!と伝えると、こんなことになってしまいました。おびただしい数の外貨たち。国によって素材もデザインも色味も全然違って面白い。

 

中には、Cくんが持ってきてくれた『ゆーる』と『ぶんじ』という地域通貨もありました。限られたコミュニティ内で使えるモノですが、裏をみるとメッセージが書かれている!? なぜ!?

どうやら、使うときにメッセージを添えて渡すそうで、それがまたいずれか誰かの手元に巡ってくるということを聞いて、「そうやって回ってるんだね!」とYくんが一言。やるなぁ!経済循環の本質に、ふとした瞬間に気づくこととなったのでした。

 

じゃあ、ただの紙切れと紙幣では何が違うんだろう?

素材かな?日銀のハンコがついてるからかな?すかしが入ってるかどうかじゃない?なんて声があがってきます。でもそれは見た目だけの話に終始していますよね。

そうではなく、一人ひとりが「これはお金だ」と信じているから。
その信用があるかないか、が「お金」かどうかの違いである。

そう伝えると、「そうか、、、ハンコがついてるとかじゃないんだ」と、納得する子どもたち。だからこそ、お金の役割をみんなで確認し、自分たちはお金をつかって何をしているんだろう?ということを改めて考えていきます。

資料を読むのも大切ですが、TCSの醍醐味であるハンズオンでやるからこその実感を大切にしたい。そこでまずは、番組「なんでも鑑定団」のように、茶会で使っている1つの茶器を鑑定してみることにしました。こちら九谷焼の茶器で、有名な作家がつくる伝統工芸品になると、かなりの値段がするものも多くあります。

 

実際に手で触って近くで実物をじっくりとみてから、

「100円だったら高いと思うか安いと思うか?」
「1,000円だったら?」「5,000円だったら?」「10,000円だったら?」

金箔がついてる、後ろにハンコがついている、どっしりしているといった理由で、100円は安すぎる!5,000円でも安すぎる!と言いながら、ほとんどのキッズが「10,000円くらいだとちょうど良さそう」とのこと。

しかし、本当に自分が買ってもいいと思う値段は?と聞いてみると
「茶碗一つに10,000円は出したくないから3,000円なら出せる」「正直そんなにほしくないから100円なら出せる」「心がこもってるから12,000円でも出したい」というキッズからの反応が!

値段は値段としてあるものの、自分がそこにいくら払えるか。
まさにこれこそが、「価格」と「価値」の違いであり、自分がそのモノの中に見出すものが”価値観”であるということを、改めて感じました。


同様に、同じものでも価格が違うものの例として、コーヒー1杯をピックアップ。

TCSから中野駅の南口に向かって歩いていく途中に、いくつもコーヒーを売っている場所があるので、歩きながら値段をリサーチしていくことにしました。

 

コンビニのローソンは、Sサイズ100円。カフェベローチェは、ブレンドMサイズ231円(テイクアウトは226円)喫茶店のカフェフジは、ホットコーヒー450円。コーヒーシロは、本日のコーヒー330円。自動販売機のコーヒー110円。

ほとんど量は変わらないはずなのに、ここまで価格が違っていることに驚く4年生たち。せっかくなので、4箇所で買って実際に飲み比べてみました!

 

「うわっ!色が全然違う!」「これ、味がうっすい!」「結構酸味が強いなぁ」

たしかに「味」という要素はとてもわかりやすい「違い」になりえますが、果たしてそれだけでここまで差ができるのでしょうか? 一体なにが「価格の違い」になりえるのか予想をしていきます。


すると、・品質の違い ・使っている材料の違い ・儲けたいという値段のつける人の違い・心がこもっているかの違い・つくるまでの工程の違い・専門店かどうかの違いと、様々な視点が出てきました。

加えて暖が、「駅からの距離が遠くなるほど値段が安くなってるんじゃない?」という仮説を立てたことで、購買人口や購買者層、売れる時間、店の地価、家賃、税金など、より視野がスケールアウトしていったのが、なにより面白かったところ。

お金とモノの取引に欠かせない「価格」はどうやって決まっているのか?
自分たちが直接感じる違いのほかに、需要と供給の関係、そしてモノが私たちの手に届くまでに、製造や物流、販売のフェーズでいろんなコストがかかってくること。それらをふまえたうえで、価格が決まっていくという仕組みを知った子どもたち。

しかし、モノ以外にもお金で買っているものがあるって知ってる!?
それらはなんなのか、次週からさらに学びを深めていきますよ〜!

MK

(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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