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「サインを受信せよ!」G1G2テーマ学習 レポート1

【探究領域】意思表現
【セントラルアイディア】サインにはメッセージが込められている。

<テーマ学習>レポート

テーマ学習の初日は、どの学年、どの領域においても、まずは先行知識(prior knowledge)の確認をしています。これから扱っていく内容について、現時点でどんなことを知っているのか、どんなふうに認識しているのか、どんな不思議を感じているのか言葉に出くことをしています。

「サインを受信せよ!」
テーマタイトルからイメージすること、思ったことを出していきました。

「ピクトくんのことじゃない?」
「棒人間のこと?」

兄や姉がTCSにいて、同じテーマタイトルでやっていたことを思い出しての発言とのこと。ピクトグラムが棒人間と同じという認識であることが見えてきます。ちょうどブラウンゾーンにある扉の真上を指差したことから、あれが「ピクトさん」だと、みんなに伝わっていきます。

「ピクトさんってマークだよね。」
「禁煙マークも見たことある。」
「ピクトさんってサインなの?」
流されずに、違うと思うことを言えるなんて素晴らしい!ここから少し違う流れになっていきます。
「サインって宅急便のサインじゃない?」
「サインボールって聞いたことある。」
「サインもらったことあるよ。」

始めのうちは2年生が発言していくものの、次第に1年生も思ったことを話していきます。2学年が合同の場合、上の学年に刺激されたり、下の学年を見て自らを律したり、お互いに刺激しあって、相乗効果がもたらされます。

サインをもらったことがある子の方が少ない中、「サインしたことある人はいる?」と聞いてみると、ほとんどが「ある!」とのこと。

ピクトさんがサイン、マークもサイン、自分がしたことのあるサイン、、
様々な意見が出てきたところで、それぞれに思う自分の「サイン」をかいてみることにしました。

 

自分の思っていた「サイン」と違う「サイン」もある。一体サインって何なんだ?という疑問やモヤモヤが浮かんできました。また、「ピクトさん」という言葉が1・2年生の中で一般化されたところも興味深く、「ピクトグラム」という言葉は未知であることもわかってきました。ここからどう認識が変化していくのか、それを学習者自身が楽しむのもテーマ学習の醍醐味のひとつであります。

それぞれが、サインとしてかいたことを見ていくと、
「サインって自分ですって、証明するもの。」
「好きなもの描いてみたよ。」
「ぐちゃぐちゃ文字でも、でたらめじゃなくて名前をかいてる。」
「サインは、やっぱりマークみたい。」
「前にサインをかいてみたくて、どういうことかけばいいのかパパに聞いてみたら、何でもよくて、どれもありだって言ってた。だから、サインって何でもいいんだと思う。」

「サインは何でもいい」みんなにとって説得力のある言葉であり、ほっとした雰囲気にもなりました。

ひと段落ついたところで、「ところで、このテーマのセントラルアイディアって何?」と2年生から質問があがりました。

 

2年目ってすごいなぁ。テーマ学習の大事なことを感覚で掴んでしまっているからすごい。
何のためにテーマ学習をするのかといえば、セントラルアイディアに到達するためともいえます。いわば、このテーマ学習を通して学んでほしい概念であります。

「サインには、メッセージが込められている。」
これが今回のセントラルアイディアです。

サインについて詳しくなることではなく、サインにはメッセージが込められていることを実感できるかどうかが学びのポイントとなってきます。

 

セントラルアイディアについても、prior knowledgeを確認していきます。
「メッセージって手紙だと思う。」
「住所とか名前とか書くのがサインだから、関係あると思う。」
「ケータイのメッセージも手紙と同じだね。」
「それじゃ、ケータイに入ってるラインもメッセージ?」

ケータイ電話の画面には「メッセージ」と表示される場面が多いかも。自分たちの経験と、これまでの話をどんどん繋いでいって、なんとも面白い展開であります。

「手紙って気持ちを伝えるから、意思表現だ。」
「気持ちでも本当の気持ちだと思う。」
「でも、うその気持ちも手紙に書いたことあるよ。」「ふざけたこととか書いた。」
「相手におくるってことじゃない?」
「サインっておくるもの?」
「ピクトさんもメッセージだ。ここは男子トイレですって伝えてる。」
「あ、色でも伝えてる。」
「そしたら、信号もサインだ!」
「仲間だけのサインもある。野球で使う。」
「体でもサインっておくれる。」

初回よりも、話の幅が広がってきています。しかも脱線することなく。
誰かの発言を聞くことで「ピン」とアンテナが反応。触発されることで出てくる発言は、繋がりがあると同時に視野を広げる役割を果たしてくれます。

「あのさー、サインってないと人間おかしくなるんじゃない?」
どうしてそう思うのか聞いてみると、
「だって、気づいたらサインだらけだよ。」とのこと。

話を聞いていれば、あれにもこれにもメッセージが込められている。そう考えると、まわりがサインだらけに見えてきたというのです。
「まわりはサインだらけ。」これは、立派な「仮説」であります。仮説が立てば、検証です。実際に、スクールの中に、どのくらいサインがあるのか探してみることにしました。たくさんありそう・・・どんなサインがあるのかワクワクしてきます。
次回は、スクール内でのサイン探しに入ります。

AN

——
(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
2021年度 年間プログラム(PDF)運用版
テーマ学習一覧表(実施内容)

 

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