【探究領域】万象究理
【セントラルアイディア】私たちは水と共に生きている。
<テーマ学習レポート>
いよいよ今年度最後のテーマ学習となりました。
そんなラストを飾るのは、「Be Water」。探究領域は”共存共生”です。
「Waterってことは、水でしょ。でもBe っていうのがよくわかんないんだよね」
「水のようにいろんなことを考えていくのかな?」
「あ!!ぼくたちのクラス名も、海が入ってるから水に関係あるね!」
「そうだったね!!」
こちらがタイトルを書いただけで水が湧くように声があがってくるので(笑)、その「水」について知っていることをどんどん出していってもらうことにしました。
みていただくとわかるとおり、それはもういろんな角度から知っていることが挙がってきました。
そこから、「水を飲まなさ過ぎても死ぬけど、飲みすぎても死ぬ(分解が間に合わない)」、「水を飲むのはいいけど、水に触ったら腫れる水アレルギーっていうのがあるらしい。だから汗とか涙も皮膚についたらダメ」、「牛乳って水じゃないけど、牛が水を飲んで出たものだから水分を含んでるはず」など、視野がどんどん広がっていきます。
すると、あるキッズが「水道水はあんまり飲まないけどペットボトルの水なら飲む。それで炭酸水をつくる」とのこと。
炭酸水ってどうやってつくってるんだろう?という疑問に、
二酸化炭素を入れるんだと思うよ!との声。
よし、じゃ自分たちで炭酸水はつくれるんだろうかやってみようじゃないか!
スクールにあるコップに、誰かがどこかから見つけてきたストローをさして、息を吹き込み、それを飲んでみることにしました(笑)
よくみると、手で抑えたりハンカチを被せたり、紙で蓋をしたりとそれぞれがいろんな工夫をしています。これぞ、ハンズオンの魅力。
今回のセントラルアイディアは、「私たちは水とともに生きている。」
文字面だけみると、当たり前すぎてなんの違和感も、感動もないくらい、です。
じゃ、どれくらい日常生活で水を使ってるんだい?
自分が朝起きて夜寝るまでを振り返り、どんな場面で水をつかったか、思いつく限り書き出してみることにしました。
1日の中だけでも、これほどまでに水を使っているとは。となると次なる疑問が浮かび上がってきますね。
そもそも自分たちは、どれくらいの水の量を使っているんだろう??と。
そこでまずは自分たちが授業をしているオレンジゾーンの隣にあるトイレにフォーカス。トイレにある番号を調べるとなにかわかるんじゃないか?というキッズの仮説をもと、みんなでそれぞれのトイレに散らばり、調査を開始しました。
調査から戻ってきたキッズたち、みんなで発見したことをシェアしていきます。
そこでわかったことは、トイレの製品はすべてTOTOだったこと。でも各階のトイレによって、ついている番号が違っているということ。
ということで、ここはインターネットの力を借りて、TOTOのトイレ製品番号を検索。
すると、なんと現在TCSにあるトイレたちは販売終了していて、詳細を調べられませんでした。。。。しかし類似製品で比較することができ、大が4.8ℓ、小が3.6ℓと書いてあります。
大と小では、1.2ℓの差。じゃ500㎖ペットボトルで考えると何本分になるだろう?
算数の問題に絡めながら考えてみると、2本と200㎖の差だとわかりました。
「何も考えず、いつも全部”大”で流しちゃってた・・・・・」
ハッとした表情を浮かべるキッズが何人もいたのが印象的でした。
となると、私たちがトイレよりもよく使っているあれ。。。
毎朝スクールに登校したらば直行でキッチンに向かい、手を洗う。水筒の水がなくなったら水を飲む。会食の日には、食べ終わった給食のお弁当箱を洗う。書道の時間に、筆を洗う。アートの時間に、絵具セットを洗う。トイレしたら手を洗う。PEで外から帰ってきたら、手を洗ったりうがいをする。
そう、水道の蛇口に触れずに過ごすことはない、と言っても過言ではないでしょう。
となると、蛇口からはそもそもどれくらいの水が出てくるんだろう?
次なる疑問にぶつかります。
どうやって測ればいいだろう?それも子どもたちに考えてもらうことにしました。
「30秒間水を出しっぱなしにしてその量を測ったら?」とA君が提案してくれます。
案①:ペットボトルにホースをぶっさして水を入れる。
案②:ペットボトルにじょうごを通して水を入れる。
案③:タルみたいなところに30秒間水をいれっぱなしにしてそれを測る。
3つの案が出てきたところで、水道の蛇口は全開にすること。そして2ℓのペットボトルを使うことを、共通の条件として設定し、案①から実験開始しました!
すると、10秒経つ頃には嫌な予感。。。14秒でペットボトルから水が溢れ、あたりにぶしゃーっと水を撒き散らしてしまう結果となり、子どもたちも水をかぶって床もびしょぬれ、、、(笑)。失敗であります。
②の実験になると、なんと6秒でペットボトルの水が満杯になってしまいました。。。
万事休すか、と思われましたが諦めずに実験③へ。その結果がこちらになります。
どうやら、先ほど使ったじょうごを活用し、2ℓペットボトルに移し替えていくようです。少しずつ水が漏れているような・・・でも口を出さず見守るのみ(笑)
結果は、2ℓベットボトルにしておよそ、4本強。ということは、約10ℓほどです。
たった30秒間、水道の蛇口を全開にして出しっぱなしにしただけで、
約10ℓの水が流れ出ていってしまうという事実。
それを知ったあと、Yさんがこんなことを口にしました。
「前回のテーマのとき、絵具がついたパレットを洗うために、1時間以上全開にして流しっぱなしにしていたから、そう考えるととんでもない量を使ってしまった。。。」
一同、驚愕。机上の数字だけをみて覚える学びでは、決して得られない体感です。
自分たちが、思った以上にものすごい量の水を使っているという実感が持てた1週目。だからって、それが無駄かどうかはまだわかりません。
でも、実験でつかった水、どうしようか?と問いかけると、
「せっかくだから、外の木や草に水をあげようか」とキッズたち。
無意識だとは思いますが、こうやって水の行き先に少しでも思いを馳せることができれば、と思った1週間目であります。
MK
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(参考) TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表(実施内容)