【学年】 5年生 6年生
【探究領域】社会寄与
【セントラルアイディア】事業の目的は顧客の想像である。
＜テーマ学習 レポート1＞
「駄菓子屋やるんでしょ！」これまでの５・６年生たちがやってきたお馴染みのテーマになっている「お客様の笑顔を獲得せよ」がついにやってきたといった感じでスタート。
ただ、テーマ学習で大切なのは、「駄菓子屋」ではありません。駄菓子屋でなくてもいいわけであります。そこで、セントラルアイデアを伝えました。
「事業の目的は顧客の創造である。」
なんとも、わかりにくい言葉です。
そもそも「事業」という言葉にピンときていない様子。駄菓子屋という事業をやるために、必要なことは何かを考えてみると、
「駄菓子を買う」
「ポスターつくる」
「計画を立てる？」
「保健所には行くの？」
「フェスタは事業なの？」と意見を出すうちに自然と質問が出てきました。
子どもたちは、TCSフェスティバルでの運営を経験知としてイメージを出し合っていました。こうした具体事例を「事業項目」に置き換えていくと、
「仕入れ」そのために「市場調査」や「顧客調査」が必要
「宣伝・広報」
「事業計画」
「手続き書類」などに当てはまることになり、
フェスティバル運営と似ていることがわかります。そことの大きな違いは、全員が全体の流れをしっかりと把握することにあります。特に、お金の流れは必須です。自分たちが経営者として、使った分がそれ以上に戻ってくるように計画を立て実行していく。さらには、その資金を自分たちで集める。「事業」を体験することで、「お客様の創造って何だ？」と社会の一員としてどう考えていくかを学んでいくことになるのです。
まずは、どんな事業にしていくのか。構想がなければ計画も立ちません。駄菓子屋でなくてもいいのですが、ここは６週間という時間の制約があるため、スタッフ側で決めた条件を提示しました。
・駄菓子屋であること
・出資金は保護者（１家庭あたり千円）とスクールに求める
・営業日は２日（そのための練習日を２日設ける。練習の協力者は下級生）
今回の経営者は13人。これまでテーマ学習で開業していた駄菓子屋は知っていても、そもそも「駄菓子屋」に行ったことがない、駄菓子は食べたことがあるけどスーパーでしか見たことがない。という子たちが半数。
計画の前に、駄菓子屋を体験することに。市場調査からのスタートです。
新井薬師駅前にある昔ながらの雰囲気を味わえる駄菓子屋さんに足を運びました。駄菓子屋は絶対数が減っていて、スクール近辺で探すのは一苦労です。
お店の前には、「入店は10名まででお願いします」との貼り紙がありました。駄菓子屋をお客視点で楽しむ一方、経営者視点で、感染予防対策、商品レイアウト、ポスターなども調査します。
「ゲームは最初、よくわからないからやらなかったけど、やってみたら、いちばん楽しかった。」
「当たるとうれしい。外れるとまたやりたくなる。」
「商品いっぱいで選ぶのが楽しい。」
「お菓子の国で夢みたい。」と駄菓子屋を満喫した模様。
食べる前に、購入した商品を撮影して、なぜ購入したのかの理由を記録。実際に食べてみて、満足度を記録していきました。
「よくお客様満足度ナンバーワンっていう宣伝があるけど、みんなが買ってるから選ぶっていうのはあるね。」
「損したり、無駄になったりするのは嫌だしね。」
といった会話から自分たちの満足度を味・見た目・パッケージ・キャッチコピーに項目を分け、５段階評価していきました。
色がきれいなゼリーや粉ジュース。思った以上に甘くて？期待外れ。自分の味覚だからかもしれないので、ほかの子にも食べてもらって確認します。
「ポテトフライは思った以上においしかった。」
「甘いのよりもしょっぱいものがいいかも。」
「ふーせんガムは人気があると思う。」
駄菓子屋、駄菓子のよさをもっと広めたい。自分たちのお店でも、たくさんの商品を選んでもらいたい。そんな気持ちが湧いてきました。
使ったお金は一人200円。スクールから借金という形で使いました。
「いつ返せばいい？」
調査のために使ったお金は経費のひとつ。自分のお小遣いではなく、これから集める資金から返してもらうことに。
資金集めには説得が必要。そのためにも計画書づくりをしなくては！
AN
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（参考） TCSテーマ学習について、以下よりご覧ください。
・2020年度 年間プログラム(PDF)運用版
・テーマ学習一覧表（実施内容）