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「Borderless World」5週目

【タイトル】Borderless World  【学年】5年生 【探究領域】共存共生
【セントラルアイディア】人権は自由、正義及び平和の基礎である。
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今週はなんと、スペシャルゲスト、シリア人記者のナジーブ・エルカシュさんに、キッズ達のためにレクチャーをしていただきました。

「シリアときくとどんなことを思い浮かべますか?」

スムーズな日本語で静かにキッズ達に質問をすると、キッズ達は

「テロがある」
「戦争をしている」
「ISが有名」

というように、ニュースから得られるネガティブな内容が口々に出てきました。

しかし、ナジーブさんはそれに対して

「みなさんはそう思うかもしれない、それは日本に入ってくる情報が少ないからです」

「自分の国が、戦争だ、テロだと言われてしまうと悲しいでしょ?、私はみなさんに、シリアという国についてまずは知ってもらいたいと思います」

ということで、まずは「シリア」という国がどのような国なのかについてご説明いただきました。

地中海の周辺にある多くのアラブ民族の国々。
アラブ語を使う国がアラブ民族であり、「地中海」と言われると、スペインやイタリアを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、むしろ「地中海」に面している国の多くはアラブ民族の国なのです。
シリアも、地中海側に位置する西側は温暖で、オリーブが取れる気持ちの良い場所が多く
「テロ」を巻き起こしているISは一部の地域だけです。

しかし、シリアで多くの人が犠牲になっているのも事実です。

ただ、その虐殺を巻き起こしているのはISではなく、「アサド政権」だったのです。
シリアで犠牲になった方々のうち、95%はアサド政権の虐殺によるものでした。

シリアでは独裁政権のもと、「汚職」が蔓延していていい社会ではありません。
街に立つ警察官に賄賂を渡してタクシーの営業許可をとったりと、決して政治がいい状態ではなく、それに反抗する人が反乱軍となり、逆に戦争が嫌な人の多くが難民として他の国へ逃げ延びていたのです。

ニュースはある一つの角度からしか事実を見ることはできません。
様々な角度から見るためには多くの人の意見を聞いたり、こうした「実際にその場にいたことのある人」の話を聞くことによって新たな見方を得ることができるのではないでしょうか。

来週は、「TCS人権宣言」の起草のために、今まで学んできたことを模造紙にまとめあげ、人権とは何か、振り返りつつ改めて考えます。

 

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