特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール

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東京コミュニティスクール

悲しい雪と嬉しい雪

[1・2年生]

これまでに、火山、雪崩、雪、津波、洪水、台風、雷について、
どうして起きるのか、どうすると起きるのか、起きたあとはどうなるのか、
図鑑や動画を通して、みていきました。

特に、雪に関しての話題は事欠かない状態でした。
あの大雪に見舞われた日、私たちはスキー合宿の最終日で
長野から新宿に向けて帰路につくところでした。
雪がどんどん降ってきて、東京に近づいてきても
周りは変わらず雪景色。

交通が麻痺したり、その後のニュースやスーパーから品物が消えたなど
目の当たりにしたことを次々に語り出します。
「雪は降りすぎると、車の中に閉じ込められる。」
「トンネルの中で、4日間動けなくて、水もなくなったって、テレビで見た。」
「雪のおかげで家族に会えない人もいた。」
「雪のおかげ?」
「雪のせいだよ。」
「雪のせいで、橋が凍って、横断歩道もツルツルで、バスが転んだ。」

雪のおかげで だと、どんなことが言える?と聞くと、

「雪のおかげで、スキーができる。」
「雪合戦は楽しい。」
「スケートもできる。」
同じ雪なのに、おかげって言われたり、せいだって言われたりするんだね。
「雪のせいっていうときは、悲しい雪。」
「スキーのときは、嬉しい雪。」

海の災害について話し合ったときも同じように、
悲しい海と嬉しい海の話になりました。
この「嬉しい、楽しい」という発想から、もう一歩踏み込みたくて、
災害が起きるところに、どうして住んでいる人がいるんだろう?と問いかけました。

「福島で津波が起きたあと、もう津波がこないように壁を作る計画を
立てたけど、海が見えなくなるのが嫌だって住んでいる人の反対があって、
壁は作らなかったって話を聞いたことがある。」
「まちづくりは住む人の幸せを考えるんだって。」
「その場所に生まれて、ずっと住んでいると、そこが好きになって、
離れらないって、さっき見たやつ(動画)で言ってた。私も引っ越すのは嫌だな。」
「みんなを守るために研究したり、自分でも面白いと思って研究してる人は、
近くに住んでると思う。」
「魚をとったり、船に乗ったりする仕事をしている人は、海の近くに住まないと。」
「雪国に住んでいる人は、アリとキリギリスのアリみたいに、食料をためておくから
外に行けなくなっても大丈夫。」
動画の中で流れていた語りを思い出したり、知っていることが言葉で出てくると、
災害が起こりやすい場所に住む人たちにとっては「楽しい」だけではないことが
見えてきました。

また、子どもたちにとっては、あまり身近ではない洪水に関しては
次のような意見も出てきました。
「こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど、
Risk-takerの意味で、洪水を体験してみたい。
どのくらい怖いのか知ってみたい。見ただけじゃよくわからないから、
洪水でサーフィンできそう。」
その場所に住んでいる人にしかわからない思いがあることを感じとったのかも
しれません。

今週で3週目が終わり、次週から後半戦です。
今回のテーマでのアウトプットは、一人ずつが学んだことを作文にしてまとめます。
普段、行事作文で書いているように、ひとつの事柄にしぼって書いていきます。
まだ、これから調べていく災害も残っている中で、
どう作文を書いていけばいいかを並行して考えていきます。

そこで、今週末は、今の時点で、わかったこと、疑問に思うこと、伝えたいことなどを
作文に書いてくるホームワークを出しました。

来週からは発表のことも視野に入れ、いい作文に仕上げるためにはどうすればいいか、
子どもたちが書いてきた作文をもとに追究していきます。
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